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194.睡眠時間

(陽葵に、会いたい)


 僕は、内心で強く思っている。


 黒宮本邸にお邪魔して3日が経過している。


 送り迎えは、黒服さんが車を使ってしてもらっている。むしろ、本邸からの距離を考えると車を使わないといけない。


 陽葵に、会えない訳では無い。


 教室では、顔を合わせているし、話だってしている。


 たが、陽葵と2人でいる機会が、黒宮本邸にお世話になってから無いのだ。


 休み時間や放課後で、時間を作れば良いという意見も聞こえてくるだろうが、今は、生徒会のお仕事で山場を迎えている。


 来年度の予算の策定と各部との話し合いをしているのだ。


 基本的な予算案は、既に完成していて、昼休みにその日の放課後にお話しする部活動の予算に関してを、生徒会内で内容を共有する。そして、放課後にお話しをする流れだ。


 陽葵は、生徒会に入っていないのと、僕の送り迎えの関係で、学校が終わったら陽翔くんと共に帰宅している。


 羽衣は、中等部の図書館で、僕の生徒会業務が終わるのを待ってくれている。流石に、黒服さんに帰りで2往復させるのは、申し訳無い。


「この予算額では、やって行けません!」

「あなたの部活昨年度の収支報告書を見させて頂きましたけど、雑費が多すぎです。備品を購入したのであれば、備品名を記入と校則にあります。むしろ、備品に関しては、部内で部費を徴収した上で、それを当てるべきです」


 少子高齢化の影響なのか、はたまた、別の力が働いているのか。


 部活動に割ける予算額が、減少傾向なのだ。


 恐らく、学校教育の変換期にも差し掛かっているので、そこにも費用が掛かっているのかもしれない。


 ちなみに、各部の予算案に関しては、予め、教師側が大枠を作成して貰ったのを生徒会と教師で話し合って最終決定している。


 しかし、直接の話し合いは、生徒会長と各部の三役になる。もちろん、生徒会担当の教師も立ち会いをしている。


 そのため、三役側もキツくは出ることは出来ない。


 まぁ、藤宮高校では、生徒会が主導で制作して各部と話し合ったりしているらしいが。


 今日、話し合いに来たのは、男子テニス部だ。


 女子テニス部は、問題なく話し合いが進んだが、男子テニス部は、少々、拗れている。


 教師からは、雑費が多すぎるので少々以上の削減はやむ無しだそうだ。


「雑費でどのような、備品を購入したのであれば、その領収書を見せていただけませんか?」

「……」

「反論が無ければ、この予算案で了承すると捉えますが?」

「そちらの予算案に同意します」

「かしこまりました。では、こちらに、三役の署名をお願いします」


 男子テニス部との話し合いは、終わった。


「白村~~大丈夫か?」


 生徒会担当になった、守谷先生から心配される。


「大丈夫ですよ」

「本当か?この前の期末テストだって、お前らしくない凡ミス連発だったじゃねぇか。主席はキープだったけどな?」

「まぁ、僕も人間ですからね。凡ミス位するでしょう」


 守谷先生は、これ以上の詮索を止める事にしたようだ。本人が、大丈夫と言っている手前、これ以上の追及はダメだろうとの判断か。


「んじゃ、俺は、これで失礼する。住吉に桜井……白村の事よく見てくれ」


 最後に、春乃さんと奈々さんに、言伝だけして守谷先生は生徒会室から後にして行った。


「しきやん……昨日も早退したし……大丈夫なん?」

「ご心配ありがとうごいざいます。午後、ゆっくりしたら大分良くなりましたよ。もう、同じ失敗は、繰り返しませんよ」


 この前の期末テストの失敗は、本当に、集中力が散漫していたと思う。


 集中力の散漫は、これからの僕のためにもよくない。だから、早くに道を修正しないといけない。


「熱でもあるん?」

「奈々さん?!」

「お友達だから大丈夫!」


 奈々さんが、僕のお凸に手を置いて熱を測って来た。


「熱は無いね。疲れているんじゃない?2学期は、しきやんにとっていろんな事をぶっ通してきたじゃん」

「大丈夫ですよ。しっかり、寝ていますから」

「何時間?」

「短い時で5時間。長い時で7時間ですね」

「それで……長い時と短い時は、どれ位の割合?」

「最近は、短い方が多いですね」


 奈々さんは、僕の不調の原因は、睡眠にあるのではないかと問いただしてきた。


 確かに、最近は5時間ほどの睡眠になっている事が多い。


「寝ないとだめだよ。睡眠が短いと、体調にも変化が出て来るんだから。7時間も寝る時があるって事は、ショートスリーパーでもないでしょ?しきやんは、無自覚でも身体には蓄積疲労があるかもしれないよ」


 流石は、元サッカー部のマネージャーだと思う。


「これからは、私が詩季くんの睡眠時間管理しますね」

「はるのんが?」

「はい。以前、話した通り、私の両親と詩季くんの父方の祖父母が知り合いなのは、話しましたよね?」

「うん」

「今、詩季くんは、父方の祖父母の家で生活していて、私が、世話係になっているの」

「な、何か、凄いことなってんね……」


 奈々さんは、今の僕の状況をあまり理解出来ていないようだ


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