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191.謝罪

「トランクに、詩季様と羽衣様の荷物が置いてあります。お部屋に運んでください」


 運転してくれた黒服さんが、出迎えてくれた人達に、指示を出している。


「清孝さん、誠子さん、本日からお世話になります」


 出迎えてくれた2人に、お礼を言う。


「ゆっくり、していくがいいよ!部屋は、余ってるからね」

「そうよ。お世話係の春乃は、学校関係で帰宅が遅れるけど……」

「あぁ、それの原因は、僕ですね。彼女には生徒会で頑張って貰っていますから」


 清孝さんは、既に知っているだろう。僕が、生徒会長になって春乃さんが、書記になった事。


「まぁ、とりあえずリビングでゆっくりしなさい」


 2人に案内されて、リビングと言うなの食堂に移動して腰掛ける。


 荷物の移動が終わった、黒服さんから僕と羽衣が貸していただくお部屋へと案内してもらった。


 一応は、僕と羽衣で部屋は別れているが、一緒に寝てもらっても構わないらしい。

 その時の、羽衣の目を見て、ここにいる間は、一緒に寝る事になりそうだ。


「それでは、荷解きしますね」

「かしこまりました。また、時間になったらお呼びします」


 黒服さんが、去っていった後に、僕と羽衣は、それぞれに用意された部屋で荷物の整理をする事にした。


 羽衣は、自分の部屋に移動してすぐに、キャリーケースを持って、僕に用意された部屋にやって来た。


「どうしたの?」

「ここにいる間は、詩季にぃと同じ部屋で過ごす!」


 そう言った羽衣は、僕の部屋で荷物を整理しだした。


「隣の部屋を春乃さんに使って貰ったら良くない?」

「春乃には、部屋はあるでしょう。後、羽衣。ここでは、春乃と呼びなさい」

「あっ、そっか」


 1時間程で荷物の整理を終えて、僕と羽衣は、ベットに座って雑談をしていた。


 すると、羽衣が疲れて眠ってしまったので、僕は、近くにあった本を適当に取って読んでいた。






「失礼します」

「春乃、学校ご苦労さま」

「うん。今日から、2人のお世話係になるけど……羽衣様、寝てるね」

「まぁ、今日1日ずっと気を張ってたからね」


 春乃さんが、学校を終えて黒宮本邸に到着した。


 春乃さんが、来たタイミングで、羽衣は、起きた。寝起きだからか、少々、ボーとしている。


「春乃は、何処で寝泊まりするの?」

「一応、私の部屋は用意されているの。詩季様に用意された部屋の向かい側」

「かなり、近いんですね」

「何かあったら、スマホか部屋にある内線で呼んでください」


 春乃さんも、1週間程度の着替え類を持ってきて、ここで過ごすようだ。


「それと、夕ご飯の準備が出来たみたいなので、食堂へ。皆様、お待ちしています」

「わかりました」


 食堂に移動すると、黒宮家の人が勢揃いしていた。


「お待たせしてすみません」


 僕と羽衣は、一礼してから春乃さんに案内された椅子に着席した。


 すると、1人の男性が立ち上がって、僕と春乃さんの前に移動して来た。


「剣さん。どうしたんですか?」


 春乃さんは、たじろぐ所か凛々しい表情で、因縁のあるであろう剣くんと対峙している。


「この前の一件に関して、詩季さんにも春乃さんにも大変不愉快な思いをさせてしまい申し訳ございませんでした」


 剣くんは、先日に復縁の際に、黒宮本邸に訪れた際の出来事に対して謝罪して来た。


「今回の1番の被害者は、春乃です。判断は、春乃に任せます」


 判断は、春乃さんに任せた。


「許しはしません。親しい中でもないのに、従者にして性的奉仕を企んでいた人に心を開ける程、出来た人間ではないです」


 春乃さんは、きっぱりと言い放った。


「今後は、黒宮として必要最低限の事でしか関わらないで下さい」

「わかりました」


 春乃さんに言われた、剣くんは、自分の席に戻って行った。


 あの後に、清孝さんを始めとして、彼の父親の新さんから強く叱責を受けていたようだ。松本先輩から聞いていた。


「急で申し訳無いが、詩季くんと羽衣ちゃんが、当分の間、ここで過ごす事になった。彼らの家庭環境的に保護的意味合いが強い事は、理解してくれ」

「「わかりました」」


 新さんとまといさんは、清孝さんの言う事に、返事をしていた。


 清孝さんと誠子さんには、父親を含んで4人お子さんが居るようだが、2人しか居ない。もう1人の方は、どんな人物なのだろうか。


「では、いただこう」


 清孝さんの号令で、皆が、ご飯を食べだす。


 プロが作っている夕食なので、どれも、かなりの高いレベルの料理である。ただ、静ばぁの料理の方が落ち着くのは間違いない。


「ごちそうさまでした」


 少々、量が多かったが、普段から食べさせられていた事もあって、何とか完食する事は出来た。


 春乃さんにお願いして、明日以降は、量を減らして貰うか。


「あ、あの……」


 夕食を食べ終えて、用意された部屋に帰ろうとした所で、まといさんのお子さんである真司郎くんに話しかけられた。


「どうかしましたか?」

「あの、この後、お時間ありますか?お時間ありましたら、お話したいんですけど……」

「対談みたいな物ですか。いいですよ。僕の部屋でも?」

「はい」


 真司郎くんとの対談が決定した。


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