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183.タンス

「おめでとうぅ〜〜」


 パーン♪パーン♪パーン♪


 陽葵さんとキスを終えてから、見つめ合っていると、羽衣がクラッカー3つを鳴らしながら、部屋に入ってきた。


「羽衣!」

「羽衣ちゃん?!」


 時計を見ると、羽衣が祖父母と出かけてから1時間は、既に経過していた。


「何処から見てた?」

「見ては無いよ?告白成功して、飛び込もうとしたら、キス始めるって聞こえたからねぇ〜〜少しは、遠慮したんだよ?だけど、そのままいやらしい方に進んだら、私や静ばぁ達が家に居ずらくなるからねぇ〜〜」


 とりあえず、覗かれていなかった事は安心した。


「んまぁ、2人ともおめでとう」

「ありがとう、羽衣ちゃん!」


 陽葵さんは、羽衣にお礼を言った。僕は、羽衣を手招きで呼んで、近くに来たタイミングで頭を撫でてあげた。


「うふふ、詩季にぃの撫で撫でだぁ〜〜」


 羽衣は、満足すると頭を僕の手から離した。


「2人とも、仲良くね!」

「そっちもな」

「あはは!仲良くしてるよぉ〜〜詩季にぃ、ケニーが、こっちに来るタイミングで、ダブルデートなんていかがですか?」

「ケニーくんと会ってみてからですね」

「だね!でも、ケニーは、本当にいい子だよ」


 羽衣の彼氏とダブルデートか。


 確かに、2人での外出となると制限がある僕たちにとっては、有難い話だとおもう。

 まぁ、まずは、ケニーくんと会ってみないとだけどね。


 それから、僕たちはリビングに移動して祖父母に恋人になった事を報告した。


 すると、静ばぁは、何処かにメッセージを飛ばして、その数分後には、陽葵さんのスマホが鳴った。


 陽葵さんが、スマホを確認すると僕に見せてきた。


『 (お母さん) 詩季くんと、付き合えたんだって!今日は、泊まっていきな!荷物は、陽翔に今から持っていかせるから!』


 改めて、陽翔くんは、便利屋の如く使われている事が、可哀想に思えてくる。


「あと、泊まっても大丈夫ですか?」

「いいよぉ〜〜!なら、2人きりにしようか?1晩。私達は、娘の家に泊まる――」

「静ばぁ、少し黙ろうか!」


 静ばぁは、速攻で返事をしていた。そして、一晩2人きりにしようとしてきた。交際初日に、いきなり一線を超えさせようとしてくるから、話を遮って止めさせた。


 とりあえず、今日は、羽衣と祖父母は、家に居ることになった。

 数十分後には、陽翔くんが陽葵さんの着替え類等を持ってきた。陽翔くんには、「おつかれ」と一言だけ言っておいた。


「詩季くん……」

「どうしたんですか?」


 陽葵さんが、緊張した面持ちで僕の前にやって来た。丁度帰って行こうとしている陽翔くんには、軽く手を振っていた。


「静子さんには、許可貰ったんだけどね……」

「はい?」

「詩季くんのお部屋のタンスにね、私の着替えを置いても良い?」


 陽翔くんが持って来た着替え類の中には、数日分の着替えが入っており、メモ書きで、『今後、泊まる事も多くなるから着替えおかして貰え!』とあったようだ。


 たしかに、陽葵さんが家に泊まる事になるたびに、陽翔くんが使い走りにされるのは、不憫すぎる。だからこその提案なのだろう。


 僕は、陽葵さんと一緒に、僕の部屋に移動した。


「陽葵さん、同い年の男の部屋に着替えを置くのは抵抗無いんですか?」

「彼氏の部屋だよ。全然、抵抗ないよ」

「あっ、タンスの一番上の左側にスペースあると思うので、そこ使ってください」

「うん」


 陽葵さんは、陽翔くんが持って来た手提げ袋から着替えをタンスに入れて行った。


「あっ詩季くん。着替えの中に、下着も置くから――」

「解っています。嫌らしい事とかには、使いません」

「いやぁ、使ってもいいよ?」


 下着も置くから変な事に使うなよという警告を出されると思ったが、使っても良いと言われた事に、驚いた。


 多分、陽葵さんが居ない時に、どんな下着を身に付けているかを見る程度の事は、隠れてしようと思っていたが、それすらも肯定されたのだ。


「良いんですか?……見る程度はすると思います。だけど、それ以上の事は、絶対にしないです」

「うふふ、紳士だねぇ~~」


 陽葵さんは、そう言いながら、僕の頭を撫でてきた。


 これまで、陽葵さんに頭を撫でられた事は、無かったので新鮮だ。それに、病み付きになりそうだ。


「2人とも~~ご飯できたよぉ~~イチャイチャは、そこまでぇ~~」


 リビングから羽衣が、ご飯が出来たからイチャイチャをやめて来いと呼び出された。イチャイチャを止めろと言うのは余計だと思う。


「陽葵さん、明日、おばさんとおじさんに挨拶に行ってもいいですか?」

「大丈夫だと思うよ。別に、挨拶しなくても」

「いいえ。しないとダメですからね。それに、陽葵さんに隠し事したくは無いですし、陽翔くんにとっても」

「陽翔にとっても?」

「そうです」

「わかった。お母さんに、言っとくね!」


 夕ご飯を食べ終えた後は、別々にお風呂に入って、一緒の布団で就寝する事にした。






 翌朝、僕は、黒宮から支給されたスマホで春乃さんにメッセージを送った。


『(白村詩季) 春乃さん、家の事陽葵さんと陽葵さんのご家族に伝えます』

『(住吉春乃) わかった』


 春乃さんは既に起きていたようで、すぐに返事が返ってきた。


『(住吉春乃) 私も参加した方がいい?』

『(白村詩季) 大丈夫です』

『(住吉春乃) 陽葵さんの所に、関係性話すって事は?』

『(白村詩季) そうですね。その通りです』


 すると、今度は、プライベート用のスマホから通知音が鳴った。


『(はるの) おめでとう♪』

『(白村詩季) ありがとう!』


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