白露
「先輩。このゲームやってます??」
「いや。。」
休暇の一服中に。
職場の後輩に招待ボーナスの為に誘われたゲーム。
後輩「ログボだけ貰って、アプリ消さなければ。
30日後には、それなりになってますよ。」
「はぁ。
そうか、、」
ゲームなんて別にどうでも良かった。
興味が無かった。
ただの話題作り。
人間関係の構築の為。
"それだけだった"
「なのに、、
どうゆう事だ、、これ。。」
「聞いてるんですか!!?」
目の前の綺麗な女性は、何故か俺にツンツンしている。
「はあ。。」
テーブルを囲った椅子には、この世界の重役らしい者達。
そこに、につかわしくない俺。。
女性「シャキッとして下さいね??」
そしてこのよく分からない美女。。
「どうしてこうなった、、」
後輩「先輩。ちゃんとログインしてますか?」
「あぁ。
ログインしてるよ~」
後輩「今。イベントやってるんすよ。
でもガチャは回さない方が良いですよ~」
「何だおめえら。
アプリってやつか?」
『お疲れ様でーす。』
俺らの上司が割って入って来た。
「今の子は、、
便利な時代に生まれて来れて、良かったよなあ。」
後輩「先輩は、スマホにしないんですか?」
上司「いんだよ。
電話出来りゃいんだから。
んな、携帯ばっかり見てると。
目の前の"大切なモノ"を見逃しちまうぞ??」
職場に恵まれた。
高校を卒業してそのまま入ったこの会社で。
気付けば30を過ぎ、上司にも後輩にも恵まれ。
それなりの生活をしていた。
後輩「今は出逢いもアプリで出来ますよ??」
上司「馬鹿だなあ、、
ふとした出逢いで。
少しずつ距離を縮めてぐ。
あのめんどくささが良いんじゃねえか、、
はあ、、ジェネレーションギャップかねえ、、
お前もやってんのか??」
「いやいや、、」
上司「お前も良い歳だ、、
俺が言えた事じゃ無いけど。
そろそろ、相手を見付けた方がいいぞ??
俺みたいには、なりたくないだろ??」
後輩「今度飲み会でも行きますか??」
上司「こんなジジイが行ったら。
皆シラケちまうだろうが。。
俺は良いから。
コイツと行って来い。
ちゃんと。分別を付けろよ??」
後輩「分かってますって。
先輩。明日はどうですか??」
「わり。
そうゆうのは、まだ良いや。」
後輩「分かりました。
じゃあ。またの機会に。」
「ぁあ。」
互いに深く関わり過ぎず。
丁度いいくらいの距離感が良い。
意外と。
これが良かったりもする。
「行きゃあ良かったかねえ、、」
そして、後悔もしたりする。
テレビのリモコンを持ちながら。
ソファーにもたれ掛かりながら、そんなことを言ってみる。
後輩「KP~」
『KP~』
「あぁあ。。」
何処に行くわけでもなく。
ただ、ダラダラと。
休日を一日中。家で謳歌する。
アニメの配信もまだしてないし。。
掃除はこの間したし。。
「夜までやることねえな、、」
何に向かって。
自分が生きているのかが分からない。
仕事と家との往復。
休みは溶ける様にして、あっという間に無くなってゆく、、
「ふぁああ、、」
だからと言って何かを変える事もしなければ。
何かの目標を立てて掲げる訳でもない。
今が居心地が良いのだ。
結局、そんなもんだ。
そうやって、、人生なんて終わってゆく、、
「あれ、。。」
確か、、
「えぇえ!!!??」
気付けばしらない場所の。
家のソファーよりも上質な。
高そうな椅子の上に居た。