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大罪の種子

私は空を飛んでいた。横にはいつも一緒にいる魔法使い。そして、後ろには肩で息をする吸血鬼、その傍らには同じく肩で息をするナイフを持ったメイド……


吸血鬼「れ……、まり……、逃げ……」

魔法使い「はぁ……はぁ……そりゃあ無理な相談だぜ……なぁ」

???「邪魔をするな。用があるのはそこの巫女と魔法使いだけだ」


周りも、そして自分も満身創痍の中、対峙する相手が声を発した。巨大な龍の背に立つ長髪の男性、そしてその傍らには一人の熾天使がいた。三対六枚の翼を広げ、こちらを見下ろしている。


???「これもここ(幻想郷)のためだ。頼んだぜ」

熾天使「わかった」

妖怪の賢者「ダメ……それは……それだけは」

熾天使「悪いね、これも目的のためなんだ。さよなら……」


自分の目の前に魔法陣が展開され……気がついた時にはそれに取り込ま……


妖怪の賢者「霊夢ー!!!!」




霊夢「っ!!!」


そこで私は目を覚ましてしまった。なんだろう……あの夢は。最後に見たものが何かは思い出せない。だけどそれに恐怖を感じたのは間違いない。続きはどうなるか気になり、目をまた閉じるがもちろん続きを見ることはなかった。


霊夢「なんなんだろう……あの光景は……」


あの時にいた人達を私は知らない。そのはずだが、違和感が消えない。実は知っている人達で私が忘れているだけなのではないか。


麟「霊夢?大丈夫?」

霊夢「あ、冴月姉。おはよう」

麟「おはよう霊夢。うなされていたようだけど」

霊夢「なんか不思議な夢を見てね」

麟「どんな夢だった?」

霊夢「魔法使いとか、メイドさんとか、あとは天使みたいな人とか龍が出てくる夢」

麟「めっちゃファンタジーだね笑」

霊夢「確かにそうだね笑」

麟「ほら、朝ごはん食べるよ。今日は魔理沙が来るんでしょ?」

霊夢「はっ!そうだった!急がないと!」


そう言って私は冴月姉と一緒に食卓へと向かった。


そういえばまだ私たちの事を知らない人もいるかもだし、話しとこっと。


麟「メタ発言乙」

霊夢「冴月姉のこと事実曲げまくって紹介するよ?」

麟「ごめんごめん笑」


というわけで私は博麗霊夢、10歳です。ここ、ハクレイっていう国の次期博麗の巫女です。博麗の巫女っていうのは……簡単に言えばこの国のトップの人って感じです。ハクレイでは博麗の巫女が神様のお告げとかを聞いてそれを元に政治をしています。私はまだよくわかんないけど。

そして、彼女が当代博麗の巫女の冴月麟。私の親戚のお姉さんです。今はここ、博麗神社に一緒に住んでいて、私が次の博麗の巫女になれるように色々教えて貰っています。


麟「うんうん。いいんじゃない?多分大丈夫でしょ?」

霊夢「よしよし。じゃあ本編に戻ろう!」




霊夢「もぐもぐ。今日は魔理沙の魔法を見せてもらうんだ」

麟「魔理沙はすごいねぇ。ほとんどの属性魔法が使えるんでしょう?あの歳で出来る子他にいないよ?」

霊夢「うぅ……悔しい」

麟「その悔しいって気持ちが大事よ。それに、霊夢は練習中だけど、陰陽魔法が使えるからね。あれは魔理沙もできないわよ?」

霊夢「そうだね」


そんな会話をしながら朝ごはんを食べ終え、私はお賽銭箱の前で魔理沙が来るのを待った。


霊夢「魔理沙〜魔理沙〜は〜やっく来〜い!」

魔理沙「おーい!」

霊夢「来た!魔理沙ぁ!!!」

魔理沙「よう!霊夢!」

麟「おはよう、魔理沙」

魔理沙「おはようございます。麟姉さん」

麟「うんうん。元気そうでなにより」

霊夢「よし!魔理沙!早速やろう!」

魔理沙「おう!行くぜ!」

麟「ちょいまち!ここじゃ神社に被害が出る。だから境内の広場でね?」

霊夢・魔理沙「「はーい」」


それから私は魔理沙と神社の中にある広場へと向かった。ここはお祭りとかするときの為に作った場所で広いから、遊ぶ場所に最適なのだ。


魔理沙「よし、じゃあまずは〜スゥー」


さっきまで飄々としていた魔理沙の表情が変わった。深呼吸をし、詠唱を始めた。


魔理沙「我が命に従い、森羅万象よ、我に燃え上がる炎の力を貸したまえ!」


その瞬間、魔理沙の手から炎が飛び出した。魔理沙はそれを地面に投げ、そこから自分の背丈程の火柱が立った。


霊夢「すごい!ねぇこの魔法の名前ないの?」

魔理沙「わかんね。うーん……ギガファイアーとかじゃね?」

霊夢「それルフr」

魔理沙「おっとそれ以上はやめとけ?」

霊夢「そ、そうだね。なんか変な視線を感じる……天から……」


霊夢「コホン……じゃあまずはあの火消して?」

魔理沙「おまかせあれ!」


その後魔理沙は水、地、風、そして星属性の魔法を次々を使った。


霊夢「す、すごい……」

魔理沙「へへ、すごいだろ」

霊夢「わ、私も……えーっと……」


私は冴月姉から教えてもらった魔法を必死に思い出した。


霊夢「我が命に従い、深淵に存在せし魔力よ、現世に顕現せよ!アビスゲート解放……うわぁ!」

魔理沙「れ、霊夢!!!」


私は魔力を抑えられずに倒れてしまった。陰魔法を失敗したのだ。魔力が辺り一帯に拡散した。


霊夢「う……」

麟「霊夢!?大丈夫?」


拡散した魔力に気がついたのか、冴月姉が来た。


霊夢「うん……失敗しちゃった……」

麟「ちなみになんの魔法を使おうとしたの?」

霊夢「アビスゲート……」

麟「深淵魔法使おうとしたの!?」


※深淵魔法は陰魔法のなかでも最上級魔法の1つです。アビスゲートはその深淵魔法を使うための魔法です。細かい設定は後々話します。


麟「陰魔法はまだ練習中だからね。仕方がないよ。それにあの魔法私はあなたの歳では欠片もできなかったくらいだし、やっぱり霊夢はすごいね」

魔理沙「そうだぜ!あんな魔法初めて見た!」

霊夢「ありがとね。魔理沙の魔法も凄かった」


そう。魔理沙の魔法は凄い。私の魔法なんか比にならない程凄かった。羨ましい。いつも思う。なぜ私は魔理沙のように魔法が使えないのだろう……いつも私と魔理沙は比べられる。そして、魔法では私は魔理沙に勝てない。私もあれができるようになりたい……魔理沙に勝ちたい……


『感情の変化、強欲を確認、大罪の種子の入手条件を満たしました……成功しました。シードスキル「強欲之種」を獲得しました』


?????


麟「霊夢?」

霊夢「うえ?」

麟「どうしたの?なんかぼーっとしてたけど」

霊夢「いや……なんか声が……強欲がなんかとか……」

麟「霊夢!?それは本当なの!?」


冴月姉は目を丸くした。


麟「まさか……シードスキル?」

魔理沙「……」


『感情の変化、嫉妬を確認、大罪の種子の入手条件を満たしました……成功しました。シードスキル「嫉妬之種」を獲得しました』


魔理沙「ん?なんか私もなんか聞こえるんだが……嫉妬?」

麟「え?魔理沙も?」

霊夢「冴月姉……シードスキルって?」

麟「落ち着いて聞いてね。シードスキルっていうのはね……大罪スキルの元なの……」

霊夢・魔理沙「「!?」」


※大罪スキル、魔法などを使うために存在するスキルの中でも最上級のスキルのひとつ。スキル獲得による代償が大きいとされ、ハクレイでは獲得することすら禁忌とされるスキルである。その大罪スキルの元となるのがシードスキルと呼ばれるスキルである。


麟「シードスキルは美徳スキルにもなるかもしれないと言われているけど……強欲に嫉妬……これは大罪スキルのものよ」

霊夢「そ、そんな……」

魔理沙「嫉妬……あれが原因で?」

霊夢「魔理沙?」

魔理沙「霊夢のあの陰魔法を見て、少し妬ましかったんだよ……私はたくさんの魔法を使えるって皆に褒められていたのに……霊夢は私が使えない魔法を使える……それに霊夢には魔法以外では勝てない。唯一勝っていた魔法まで取られる気がして……それで……」

霊夢「そんなこと言ったら私もよ!魔理沙が使えるたくさんの魔法、かっこよかった!それを私も使いたいって思ってたら……」

麟「それでシードスキルが宿ったってこと……それのどこがが大罪になるっていうのよ……」


冴月姉はそう言って天を睨んだ。私が冴月姉に声をかけようとしたその時だった。私と魔理沙の胸の辺りが光だし、痛みが走った。


霊夢「ぐっ……」

魔理沙「な、なんだよこれ……」

麟「2人共!!!っ!光が」


私たちから出ていた光は一直線になり、とある場所を指していた。


霊夢「あ、あそこって……」

魔理沙「倉庫、だよな?」

麟「……行っていましょう。霊夢、魔理沙、危険かもだからここにいて」

霊夢「いや……私達も行く」

魔理沙「うん。多分だけど、これ、私たちの中のシードが反応している」

麟「シードが……」

霊夢「スキルが手に入ったと同時に体に何かがあるみたいな……小さい種みたいな……」

麟「……わかったわ。一緒に行きましょう」


そうして私たちは倉庫へと足を運んだ。


魔理沙「ほぇ〜、なんか凄そうなもの色々あるな」

霊夢「そりゃあお祭りとかで使うものとか、それこそ、お宝とか」

魔理沙「ほほう。それ借りてこうかな」

霊夢「泥棒ですこの人」

麟「あなた達もう痛みはないの?」

霊夢「そういえば……」

魔理沙「いつの間にか無くなってたな」

麟「それならよかったわ……っとここを光は指してたのね……ここって」


光は倉庫の床にある扉を指していた。


霊夢「確か……何かを封印している、だっけ?」

麟「そうね。かなり前の博麗の巫女が何かを封印したとかだったわね。それにしてもなんで何を封印してるのか伝わってないのかしら……」

魔理沙「ここに行くべきなのか?」

霊夢「なんか、行かなきゃいけない気がする」

麟「私の後ろについてて」

霊夢「うん」


冴月姉は詠唱を唱え、扉の封印を解いた。私たちはそこから続いている地下への階段を降りていった。


霊夢「御堂?」

魔理沙「石を祀ってんのか?」

麟「いや、これは……封印しているのね。ほらこれ、注連縄が巻いてある」

魔理沙「注連縄ってただの飾りじゃっ!痛って」

霊夢「んなわけないでしょ!」

麟「魔理沙、注連縄ってね、いくつか役割があるのよ。神社とか神聖な場所と他の場所とを区別するして、悪霊や穢れが入らないように張るっていう結界のような役割、これがひとつ」

魔理沙「いくつかってことは」

麟「そう、注連縄は穢れ、不浄な物の侵入を禁じるだけじゃなく、危険分子を封印するって役割もあるの」

魔理沙「ってことは!?」

麟「境内の地下の石にわざわざ注連縄を張るってことは」

霊夢「何かを封印している証拠……っ!冴月姉!石が!」

麟「くっ!二重結界!」


私たちから出ていた光は石に集まり、その光を浴びた石は突如光り輝き、そして、衝撃波を放った。咄嗟に冴月姉が張った結界のおかげでこちらへの被害はなかった。


麟「霊夢、魔理沙、大丈夫だった?」

霊夢「あ、あ……」

魔理沙「な、な……」

麟「2人とも……っ!」


私たちの目線の先には……


???「シードスキルの反応が2つ……ね。しかもこんな子供から、やっと見つかったのね……」

麟「……あなたは?」

???「申し遅れましたわ。私は八雲紫。以前、博麗の巫女に封印された大妖怪ですわ」

魔理沙「八雲……」

霊夢「紫……」

麟「大妖怪……?」

紫「いや疑問に思わないでよ……」

霊夢「いやだって……その姿……」


紫の姿は生首だけの姿でその場で飛び跳ねているだけで、大妖怪とよぶに相応しい威厳の1つも存在していなかった。


紫「さて、私の封印が解かれたということは……やっと見つかったのね。失われた歴史の解放者が……」

いつか世に出る茶番劇シリーズ第一作目です!作者の趣味丸出しなシリーズにはなっておりますが、自信作です。とりあえず6、7話分位はここに少しずつ投稿しようと思っています(物語全体の一割位かも?)

七つの大罪(メリ〇ダスじゃないよ)と七つの美徳のイメージに合う東方キャラ達を出します(作者の独断と偏見ですが笑)。推しが出るかもしれませんよ?

最後に一言、七つの大罪で東方の二次創作と聞いてパルスィの出番に期待してた方……申し訳ございませんでしたぁぁぁぁ!!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] とても面白かったです!続き待っています!
2022/08/17 18:35 うめぼしふりかけ
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