表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女が異世界にやってきました!  作者: そら・そらら
第1章 光の魔法少女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/874

1-30 森の中の戦闘

 ルミナスは、先頭の馬の頭部を小さな光の矢で貫き殺す。その屍に跳び乗りながら、今度は光の剣を作って次の馬の首を切り裂いた。


 血が吹き出すのをさっと避けながら、前方に向かってさっきのような大型光球を放つ。またひとつの木をへし折った。


 残念ながら、そこに敵は隠れてないようだけど。


 馬がもう一頭走ってきたため、ひきつけてから光の矢で射殺す。さっきの馬の死体の上にこいつを積み重ねて、身を隠す壁にしつつ再び大型光球を放つ準備に入った。


「おいおい。なんだこれは……」

「見ての通り、馬の怪物です! これがミーレスです!」


 駆けつけたライネスが、絶命した単眼の馬を見て目を丸くしている。けれど驚いている時間はない。とりあえず、怪物の存在を直接見てもらえればそれでいい。


「ギル! 魔力が!」

「うん」


 あれだけ大きな光球を連続して何発も放てば、当然魔力の消費は激しいはず。

 ルミナスの隣に駆け寄り、手を握る。直後に弱い倦怠感に襲われながらも、ルミナスのブレスレットは眩い光を放ち始めた。


「よし! 行ける! このまま森の木、全部へし折れそうな気がした!」

「それはやめてほしいな……」


 戦いで高揚しているのか無茶苦茶なことを言う。破壊神ってこのことかな。


 すべての木を折るのは不可能でも、魔力の充填された直後のルミナスの攻撃が強力なのは間違いない。


 敵が隠れていそうな木に対して、三発同時に大型の光球を放つ。そのうち一本は当たりだったらしく、光球が木に当たる直前に男がひとり、慌てて退避した。それをライラの弓がすかさず捉え、足を射抜いた。

 ぎゃあという叫びと共に倒れる男。


「あの男に見覚えありますか!?」

「わからない! 近くで見ないと!」


 昨日護衛と喧嘩していた冒険者の男に尋ねたけど、当然の答えが返ってくる。ここからじゃ距離がありすぎるし、敵はうつ伏せに倒れているし。

 近づこうと前進を試みたところ、また馬が前から襲いかかってきた。ルミナスは木に放つつもりだったそれを、馬へと目標変更。馬の首から上が血しぶきとなって消えた。


「うあー。グロい。我ながら残酷なことするなー」

「ルミナス! 次が来る!」

「ギルさん! 敵が散開を!」

「そっちはライラ、おねがい!」

「うん、わかった」


 敵も、木々に隠れるのはまずいと悟ったらしい。かといって馬に混ざって、正面からこっちに斬りかかる度胸はなく、左右に分かれて挟み討ちにする作戦らしい。


 ところがそれには、隠れた木から身を晒す必要があるから。


「すごいな、嬢ちゃん……」


 ライネスの感嘆の声が背後から聞こえた。ライラが短時間で弓を次々に放ち、左右から側面に回り込もうとする敵を次々に射貫いていた。それも器用に足だけ狙って無力化。


「あ! こいつ! 昨日酒場にいた!」

「間違いないな!?」


 敵のうち、比較的近くに倒れた男に駆け寄った冒険者のひとりが、そう声を上げた。ライネスの確認にも大きく頷く。


「よし! 商人の護衛と馬の怪物の関係が確認できた! お前、領主様にこのこと知らせてこい! 商人を拘束しろとな!」


 足の早い冒険者に命じて街へ走らせる。ライネスが声を張り上げながら出したこの指示は、護衛たちにも聞えただろう。そして焦りをもたらしたはず。


 まだ無力化されていない護衛が数名剣を抜いて、走る冒険者を追いかけるのが見えた。その試みは無謀と言う他ないけれど。


「させませんよ」


 穏やかな言葉と共に、神父様が護衛のひとりの前に立ちふさがる。そして手にした武器を振った。普段の様子からはちょっと想像しにくい、無骨な棍棒が彼の武器。

 それで相手の剣を殴打して取り落とさせる。それに驚いた相手の腹を思いっきり殴って、地に伏せさせた。


 直後に護衛がもうひとり迫ってきて剣で斬りかかってきたけど、神父様はそれを華麗に避ける。そして棍棒すら振るわず、相手の腕を掴んで体勢を崩させ、地面に叩きつけるように転倒させた。


 彼はすぐさま次を倒そうとしたけど、その必要はなかった。

 他の冒険者たちが、ひとりの敵をよってたかって袋叩きにしていた。少し可哀想だけど、酒場で言いがかりのように冒険者たちを馬鹿にしたのも事実。その報いを受けるのは必要かも。


「ギル。敵はあと何人?」

「わからない。ほぼ倒したと思うけど」


 こっちが一方的に敵を無力化している戦況ではあるけれど、敵の残りの人数は不明。ルミナスは今も、前方から無尽蔵に迫ってくるミーレスを手当り次第に矢で殺している。


 異形の馬の死骸が山を作る中、本命のヘテロヴィトの姿は見えない。奴こそがルミナスの狙いなのに。

 ミーレスが来続けている以上は、この戦場にいるのだろうけど。


「向こうが動かないなら、こっちから行くしかないか。ギル、ついてきて! ライラは援護して!」


 言うが早いか、ライラが頷くのすら待たずに、立ち上がって壁にしていた馬の死骸から姿を晒すルミナス。直後、矢が一本だけ飛んできた。咄嗟に光の剣でこれを弾き飛ばす。


「まだ人間も残ってたか。よし、まとめて片付けよう」

「そっちはまかせて。あたしが対処する。ルミナスは倒すべき敵を」

「ありがとう、リーン。行くよ!」


 剣を抜いたリーンとルミナスが並んで前へと走る。その後を僕も剣を構えながら続いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
面白ければクリックお願いします。
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ