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魔法剣士魔界物語①  作者: Sakura
2/2

【第1期】

私、白佐木(しろさぎ)まゆ、14歳。中学2年生。

お天気のいい日が大好きなソフトボール部のキャプテンでーす。


突然転校生として私のクラスに入ってきた『北野みか』さん。

そして、私の部屋で起きた不思議な現象。

私本当にこれからどうなっちゃったの?

1 現実



そんな事があったんだ...。

私...何も知らずに...。



北野さんから聞いた話は、これからのことを左右するような深刻な話だったの。その内容はこんな感じだった。





《回想》





「私たちが今倒した相手は、この世界では『トラブルクリーチャー』って呼ばれてるいわば魔物の1種だったの。奴らが暴れだしてからこの世界は少しずつ狂い始めてる。」



「魔物...えっ!じゃあ私、さっき魔物を狩ったってこと!?」



「落ち着いて!それで良かったんだよ。あなたが倒してくれなかったら私も油断入れちゃってたし、いつやられても不思議じゃなかったから。」



北野さんはまじまじと話を進めていく。

私が剣士...?

未だに信じられない...。



「それにこの世界では1歩外に出ると魔物だらけなの。下手に動くと危険だよ…。」


「そ...そんな...」



あーーー...やっぱりかえりたくなってきた。


正直そんな気持ちだらけだったけど、でもさっき言われたことが心のどこかで引っかかっていたから勇気を振り絞って聞いてみることにした。



「あの、北野さん。さっき言ってた魔法剣士って何なの?頭真っ白になってるからよく分からないんだけど...」


「魔法剣士って言うのはいわゆる《魔法をこなしながら剣も使える騎士》って所かな。ピル、あなたは知っていたの?こうなること。」



「やっぱり君も気づいたピュー!?」



えっ?えっ?ピル、北野さんと知り合いだったの?

話がやっぱり見えない...。



「混乱するのもわかるよ。私も...そうだったから...」



北野さんの表情が曇り始めるのがわかった。



「ごめんね!暗いことばかり、とりあえずここは危険だから安全な場所まで移動しよう。」





《回想終了》






そういった話をしていたあとの私たち、今は北野さんの後をついて行って小さな街へとやってきた。

見るからにカウボーイとかそういうのが出そうな雰囲気は出てるけど…ちょっとイメージ考えすぎ?



「ここは職業を決めないと生きていけないんだよ!私の職業は《騎士》なんだ!」



北野さんが急に次の話を振ってきた。



「きっ騎士!(か...かっこいい...(照)だからさっき剣を使ってたんだ...)。」



思わず見とれてしまった。


ハッ!私、赤面してないかなぁ...

ひゃ~恥ずかしい...



「まゆ、どうしたピュー?」



ピルの声で我に帰った。

私ったら一人で何やってるんだろう…。

こんなことしてるほうがはずかしいよぅ~。



「な...何でもないよ!」


「フフフ...」



あっ!

北野さんが笑ってくれた。

北野さんの笑顔、初めて見た。

何だろう…、なんとなく落ち着けるかも。



「あっ!ごめんね...私の仲間の中にも同じような人がいた事があったから...」


「えっ?お仲間がいたの?」


「うん...。今は訳あって別行動してるんだけどね。」



北野さんは仲間のことをいろいろ話してくれた。

辛かったこと、苦しかったこと、悲しかったこと、楽しかったこと、悔しかったこと...。

でも、全部現実に起こったことだって教えてくれた。今こうやって北野さんに会えたことも、こうやって一緒にいるのも、今起こっている全てが現実なんだよね…。




2 仲間


私たちは宛もなくずっと歩いているけど北野さんは不安じゃないのかなぁ?


そう考えながら北野さんについて行っているとふと北野さんが立ち止まってこっちへ振り返った。



「な...何?」


「あのね、あなたにとっては今日初めてあったって感じかもだけど、良かったら名前で呼び合わない?」



いきなりな北野さんの発想にちょっとびっくり。



「えー!でもまだ親しくないしそれに...」



後半モゴモゴ独り言を呟き続ける私の肩に北野さんが片手をぽんっと置いた。



「大丈夫、私は構わないから。それに話し方も知らないうちにタメ同士だしね。」



そう言われてみればそうだった。

私...いつの間に...。

馴れ馴れしいなぁ...って思われてないかなぁ…?


でも、北野さんの目はそう思っているようには見えなかった。その逆でダメかなぁ?って疑問形で問い掛けるような優しい目だった。



「こんな私だけど、よろしくね!北野さん、うううん、みか…ちゃん!」


「ふふふ、普通にみかでいいよ。」


「でもちゃん付けの方が呼びやすいし!」


「そう言われると...そうかもね。じゃあ私もちゃん付けで!よろしくね、まゆちゃん。」


「こちらこそ。」



そう言って握手を交わしあった。

その二人を見ていたピルもひと安心した目をしていた。


私にとって、1人目の仲間になれたって感じが凄くあった。みかちゃん頼もしいし、強いし、なるべく足を引っ張らないように気をつけようっと。




3 不思議な夢


この世界に来てまだ数分しかたってないような感じだけれど、本当に時間ってあっという間。

このせかいの夕方でも夕日が見れるんだなぁ…

なんて、呑気なことをちょっと考えちゃった。

とりあえず寝床をどこにするが決めることにするか決めたいんだけど...って言おうとしたらみかちゃんがいない。



「あれ?みかちゃん?」



周りを見回してもどこにも居なかった。

でも...


遠くの方を見ると、何か光が見える。



「あっ!ごめんごめん!驚かせちゃった?」



その火の主はみかちゃんが持ってたカンテラの光だった。



「急に居なくなるからそっちの方がびっくりしたよ。」



そんな他愛ない会話をしながら食料を集めたり、寝床を作ったりし出した。



「わぁでもみかちゃん手先器用だね!しかも火起こし上手いし!」


「そんな事ないよ...たまに野宿ってなったときによくやってたから慣れてるだけだよ!あっ!付いた付いた!」



みかちゃんが頑張ってつけてくれた火、

暖かい...。



「まゆちゃん、これ食べる?」



みかちゃんが差し出してくれたのはさっき捕まえた1匹の小さな生き物。みかちゃんが予め食べやすい大きさにさっき捌いてくれてたんだけど、私には見ることが出来なかった。でも大切な命をもらってるんだ。



「うん!食べよう。明日も元気になるようにね!」



そう言って目の前の火の元に立てて焼き出した。

そしてこんがり焼けたものをぱくつく。

みかちゃんと一緒にいたからか、すごく美味しかった。



「お母さん、心配してるかなぁ...?」



私はついボソっとそう呟いてしまった。



「大丈夫だよ!」



と、急にみかちゃんが言葉を発した。



「わっ!な...何が!?」



いきなりすぎてちょっとびっくりしちゃった...。

でもみかちゃんの顔は満面の笑みだった。



「こっちの世界とまゆちゃんの世界は繋がってないよ。だからまゆちゃんの世界でいえばさっきのお部屋に行った時の時間が流れてる。」



えっ?ちょっと待って...それってもしかして...


かなり不安がちだったけど、と...とと、とりあえず、確認がてらに聞いてみた。



「みかちゃん...それってもしかして、私のいたところの時間が止まってるってこと?」


「まぁ動いていないことは確かだよ。」



やっぱり...!?(汗)

予想は的中していた。



「でも、そうゆっくりもしていられないかもしれない。さっきの奴らが現れたってことは、奴らのボスも動き始めているに違いないの。奴らはこの世界だけじゃなくて、全パラレルワールドと呼ばれるありとあらゆる世界すべてを闇に埋め尽くそうとしているからね。」



全世界って私のいたところもってこと...!?

そんなことになったら...私の大事な人たちが...。


みかちゃんに言われたことを想像していると、なんだかとても不安になって目頭が熱くなりそうだった。



「大丈夫だよ!私の仲間たちもそんなに遠くないところにいると思うし、合流できたらやりたいねってさっきちょっと連絡とってきたの。」



そっか...その為に席を外していたんだ。

気密事項...ってやつだよね!?

深く聞かないようにしようっと...。


そういった瞬間、私落ち着いたのかあくびが出てしまった。



「あっ!」



思わずハッとした表情をしてしまった。

そんな私を見てみかちゃんは笑った。



「ふふふ、そうだよね。今日いろいろあったし疲れたよね。葉っぱのお布団作ったんだけどよかったらこれ使って!」



そう言ってたくさんの葉っぱを集めて作られたお布団を一つ貸してくれた。



「あっ!後これ...ちょっと硬いかもしれないけどこれ、枕にして使って。」


「わぁ!凄い!みかちゃん手先本当に器用だね!」


「そんなことないよ!寝るなら必要かなって思ってね!さっ、今日はもう寝よう。」



そう言ってみかちゃんと隣り合わせに寝転び、眠ることにした。



その夜、夢なのか現実なのかわからない現象が起こった。


周りは真っ暗、

それは目を閉じてるから!?それとも夜だから?


でも眠ってるとすると隣にみかちゃんがいるはず。

そう思って隣を見たけど、みかちゃんは居なかった。

もう起きてるのかなぁ?

そう思って立ち上がった時、ふと思った。


あれ?私みかちゃんに貸してもらった葉っぱのお布団被っていたはずなのに…


疑問ばかりが溢れて混乱していると、





ビューーーー...





強い風が私の顔にぶち当たった。



「うぅっ...風?」



その風の力は更に威力を増し、私の体を吹き飛ばそうとしてきた。



「うっ...なっ何なのよこれは...」



私は風にひたすら耐えた。でも、耐え切れなくなって...



「わぁぁぁぁーーーーー!!!!」



どこかに飛ばされてしまったかと思ったら風かピタリとやんだ。そしてどこかから微かだけど声が聞こえる。



「......ん、ま...ち...、...ちゃん!」



だんだんとはっきりしてきた。この声は...

みかちゃん!?



「まゆちゃん...まゆちゃん!」



その声に気が付き、ハッと目を覚ました。



「大丈夫!?」



みかちゃんは驚いた表情で私を見つめていた。



「今のは...夢?」



私にも何が何だかわからなかった。でもものすごい風を受けたことは確かだった。



「いきなり叫び出してびっくりしたからまゆちゃんのこと起こしたの...。大丈夫!?夢ならどんな夢だったの?」



みかちゃんは真剣な表情で私の顔を見てくる。



「真っ暗なところで...すっごく強い風がぶち当たってきて飛ばされて...」



私はさっき見たものをすべて話した。



「なるほどねぇ、でも...ハッ!」



みかちゃんの表情が一瞬にして変わった。



「どうしたの?みかちゃん。」



私はみかちゃんに問いかけたけど、みかちゃんは冷や汗を流しながら遠くを見つめる。



「な...何かいるピュー...」



近くにいたピルもそう言って怯え始める。

さっきの夢となにか関係があるっていうの?




4風の使い手現る


みかちゃんとピルには分かるんだ。何かいるって。

私には分からないからとにかくこの2人を信じるしかないかな...。


私もみかちゃんの側に行って身構えた。

とほぼ同時に、





ビューーーー!





突然どこからか暴風が吹き始めた。



「うっ!」



私とみかちゃんは飛ばされないようにどっしりと構えた。勿論、パートナーのピルは私が抱き抱えて飛ばされないように必死で守った。



「(こ...この風...)」



見覚えはある...、この風はさっき見た夢の風...。



「だ...誰かいるの?いるなら姿を見せなさい!」



みかちゃんは風が吹いてくる方に向かってそういった。

すると、風は一つにまとまるように一つの竜巻状になり、人の姿が現れた。



「あ...貴方は!?」



私は怯えながらも聞いてみた。



「私の名前は『ベル・ハ・ランドリー』。

呼び方はベルで構いません。

風の力を司る者。

あなたが導かれてきた人ですか?」



導かれてきた人?

どういうこと?


とにかく、何か攻撃をしてくるわけでもなく、ただじっと私たちの方を見つめてくる。


なんだろう...、引き込まれそうな透き通った瞳...。


私は急に現れたベルさん?の瞳に目を奪われたみたいになっていると、突然その人が私の目の前にやってきた。



「白佐木まゆさん。」


「な...なに?」


「私の主になってくれませんか?」



突然過ぎて全然先が見えない!

私が...主?



「やっぱりまゆちゃん、こっち来る時に入った光、それが導きなんだよ!」


「えっ?あの時の光が?」



今でもやっぱり信じられない。

あの光が...導き!?



「私は戦いに来たのではありません。」


「えっ?」



その一言に私とみかちゃんの構えが変わる。



「どういう事!?」



みかちゃんが深刻にな表情で聞き返す。



「白佐木まゆさん、貴方は狙われ、いずれ殺されます…。」


「えっ?!」


「えっ!!?」



そ...そんな!!!




5 深き闇の声


風の主さん...今...なんて言ったの...!?


聞き返したくなくても耳を疑いたくなる。

でも、私が狙われて...殺される...!?

嘘...でしょ!?



「まゆさんをお守りするためにも私の主となってくれませんか?」


「確かに...私だけだと守り通せるかどうか少し不安がある...、まゆちゃん...。」



みかちゃんが冷や汗を流してわたしのほうへゆっくりと振り向く。私も、みかちゃんの考えとは同じだよ。でも、私まだこの世界のこと何もわからないし…。ど...どうしよう...。



「って言うより先に質問してもいいですか?

何故私の名前を知っているんですか?」



そう、まずそれが知りたい。

私、ベルさんには初めて会ったのになんで私の名前知ってるの?



「みかさんと同じです。あなたにとっては初めてでも、私もあなたのことを知っているのですから。」



べ...ベルさんも!!!?


そう言えば前にみかちゃんも同じようなことを言ってたなぁ...。

な...何で?



「ベルさん。」


「私のことは呼び捨てでも構いませんよ。」


「じゃ...じゃあ...ベル、このあと私たちどうすればいいの?宛もなく行動するのは不利なんじゃあ...。」



それもそうだよね…、何もなく行動するのは私もちょっと不安があるし...。


みかちゃんの質問にベルさんはにっこり微笑んだ。



「私の風があなたの意志によってこの後どこへ行けばいいのか導いてくれるはずです。」



やっぱり私なんだでも(汗)重大責任負わされてるって感じなんですけどぅ...(汗)


そんなこんなであたふたしていると、ピルが急に震えだした。



「ピュー...ピュー...」


「ピル!?」



ピルの感じる気配に気づいたのか、みかちゃんもベルさんも身を低く構えだした。



「なんだろう、この胸騒ぎ。」


「気をつけてください、何か大きな力を感じます...、この力は…」



何かが来る...、それはこの雰囲気からして見ればすぐに分かった。でもどこから来るの?


私もみかちゃんたちと一緒に身を低く構えた。

その瞬間、





バジャーーーー...





真っ黒な砂のようなものが地面から吹き上げてきた。



「!!!」



そして、みかちゃんたちの視界を奪っているすきを狙ったのか、何となく見えた黒い靍のようなものが私に向かってまっしぐらに突っ込んでくる。



「や...やだ...来ないでー!」



咄嗟に飾りのついた左手を前に出すと、不思議な力が黒いものを追い払っていた。

黒いものはサッと退散するように引いていく。



「す...凄い...」


「それに、そんな力が宿ってたなんて...」



みかちゃんとベルさんは私の方を見て唖然としてしまった。私だって知らなかったよ。こんなこと...。


みかちゃんたちが私の方に気が行っている隙を見ていたのか、黒いものは一つの塊になっていた。



「ーーーふふふふ、流石は召喚されし者よ…」



どこからが聞こえてくる不気味な声。



「だ...誰!?」


「ーーーいずれ貴様らの命は私が頂く。それまでの時間を今のうちに楽しんでおくのだなぁ...。」



その声に気を取られてしまったせいか、ガードはノーガードとなってしまい、その隙に、




ギュッ!




何かが私の左腕に絡みついた。



「痛っ!」



かなり思いっきり締まっている。このままだとあの時出した剣を出せない...。でもこれ、あの剣で切れるの!?


ちょっと不安だったけどでもそんなことを考えているう腕に絡み付いている物体は更に強く締め付けてくる。



「まゆちゃん!」



みかちゃんがあの時出していた剣を取り出し、私の方に向かってきた。そして、




スパーン...




綺麗に真ん中で真っ二つに切り裂いてくれた。



「まゆさん!」


「まゆちゃん!」



みかちゃんとベルさんが私のそばに駆けつけてきた。でも、あれ?



「私は...平気、でもこれが取れない...」



おかしい...なんで取れないの?


黒い物体が私の腕に絡みついたまま取れない。



「貴様には深い呪いをかけさせてもらった。」



その声に私たちはハッと顔を上げた。



「それを外したいのであれば我の元までたどり着いてみるがいい。」



不気味な声は笑い声とともにフェードアウトするかのように消えていった。

呪い?何のために...!?


そう深く考えていると、みかちゃんたちも難しい顔をして顔を(しか)めていた。



「まずいよね...!?これって...」


「はい...かなり...」



みかちゃんたちにしかわからないこと!?それとも私、本当に殺されちゃうの?




6 みかちゃんの仲間

2人現る


私こっちの世界だと狙われ役なの?

勘弁してよぅノω・、) ウゥ・・・。

なんて言ってられないっか…。

早くこの剣使えるようにならなくちゃ!


そう思うと今日から特訓でもしようかと思い、剣を取り出しスぶりを始めた。

そんな私のことを見てみかちゃんがなぜだか分からないけどクスッと笑っていた。



「みかちゃん?」


「あっ!ごめんごめん、気にしないで。なんか私の仲間のひとりに似てるなって思って...。」



みかちゃんの仲間ってどんな人なのかなぁ…?

会ってみたいなぁ…。


ふとそんなことを考えていた。

すると、場所は近いけどどこからかわからないところから、



『みか!』



低い声で...でも男の人ではなさそうな声が聞こえてきた。



「あっ!...もう...だから、この中から急に声かけないでっていつも言ってるでしょ!?空気を読んでよね...」



みかちゃん...誰に話しかけてるの?


ちょっと不思議に思ったけどみかちゃんはそのままの表情で私の方を見た。



「まゆちゃん、驚かせてごめんね。私の仲間のひとりが言うことを聞いてくれなくてさ…」



えっ?た...確かにそんな感じの人と話していたんだろうなぁとは思うけど…でも、どこにいるの?


そう思っているとまた...、



『お姉ちゃん...』



違う人の声が聞こえた。今度は声も高くてとても可愛い声。ほんとにこの声はどこから...。



「もーー!いいよ!2人とも!出てきてよ!声だけ出されたってまゆちゃんを不安にさせるだけでしょ!?」



呆れたような声を張り上げるみかちゃん。

すると、みかちゃんの体がとても眩しく光出した。



「えっ?うっ!」



光が眩しすぎて私は手で光を遮った。


光は少しずつ消えていき、何とか普通に目を開くことができるようになった...。

そしてみかちゃんの方を見ると...あれ?人が増えてる?



「まゆちゃん、驚かせてごめんね!このふたりは私の仲間だよ!」



えっ?ちょっと待ってよ!さっきまでいなかっのに...。


あたふたする私の手をみかちゃんの右側にいた女の子が優しく包み込んだ。



「大丈夫ですよ!心配はいりません。」



触れてる...ってことは、本物...って事になる...よね!?



「その子は私の妹の『花』、んでこっちが私のお姉ちゃん。」


「『さやか』だ。宜しくな。」


「こ...こちらこそ...私は...白佐木まゆです。」



みかちゃんのお姉さん...カッコイイ...。

この方が男の人だったらお付き合いして下さい!ってつい言っちゃいそう...。

って、私ったら何考えてるのよーーー!


勝手にまた赤面しちゃいそうになっちゃった。

そんなあたふたしていた私に今度はさやかさんが話しかけてきた。



「それはお前の剣か!?」


「は...はい...。この世界に入ってから私の武器になったみたいなんですけど…全然慣れなくて...」


「ちょっと見せてみろよ。」


「は...はい...」



言われるままに私はさやかさんに剣を渡した。



「案外いい形なんだが、ちと形が不十分だな...」


「お姉ちゃんもそう思う?」



えっ?私全く気づかなかったんたけど...。

もしかしてみかちゃんたちって剣を使う名人だったりして...!?ナワケナイカ...^_^;


って私また1人で妄想してるし!

妄想してないで自分で聞いてみればいいんじゃんかね!?

自分ではわかってるのに、いざご本人に聞こうとすると…



「ん?何だ!?」


「ひいっ!な...何でも...ないでしゅ...」


「?」



思わず引っ込んじゃう...。さやかさんにはいろいろ聞きたいこといっぱいあるのに...。



「やっていいのならちょっと調整してやるが...」


「そ...そんなことが出来るんですか!!!?」



す...凄い...、凄すぎる、、。

私はすぐさま食いつくようにさやかさんに調整をお願いした。




7 再び迫り来る闇


さやかさんはスムーズに調整をしてくれたおかげであっという間に私の剣を使いやすくしてくれた。でも、途中さやかさんの表情が険しくなった気がするのだけれど、あえてあまり聞かなかった。



「さやか様は本当に手先が器用ですね。私は剣など使えないので少し羨ましいです。」


「んな事ねぇよ。あっ!そういえばお前は?」



ベルさんに気づいたさやかさんは少し怪しげな表情になり花さんの前に立った。



「お姉ちゃん、大丈夫だよ!この人はベル・ハ・ランドリーさんで私はベルって呼んでるよ。」



みかちゃんはさっきまでの事をさやかさんたちに詳しく話した。



「成程な…、じゃあ白佐木はこの世界とは全く違う時空から急に飛ばされて来たっつーことになるのか。」


「はい...、、。」



あっ!やばい...、私足引っ張っちゃうじゃん!

何とか...何とかしなくちゃ...。

とは言ってもこの世界のことなんにも知らないし…

トホホ~。



「あっ!でもね、まゆちゃんはその剣だけじゃなくてちょっとは魔力あるんだよ!」



起点を切り替えるようにみかちゃんが話し始めた。



「み...みかちゃん...、恥ずかしいって...。」



やっぱり赤面しちゃった。私ってこんなに照れ性だっけ...!?



「そ...そそそ、そう言えば、私が初めてこっちに来た時、みかちゃんに『魔法剣士になるべく人だったんだね。』って言われたんだけど...…、

魔法剣士って...」


「まゆさんが!!!?」



花さんが急に声を上げた。



「だからか、

この剣から伝わってくる不思議な力は『魔法剣士』の力だったのか。」



飲み込むのはやっ!

さやかさんもう理解しちゃった!


そんなこんなで一旦剣を返してもらった。

...とほぼ同時な感じだった。



「ハッ!!!」



えっ...、こ...この感じは...何?

まだ誰も気づいていないの?



「まゆさん!?」


「どうした!?」



やっぱり...まだ感じてないんだ...。



「な...何かね、さっきさやかさんからこの剣を受け取った瞬間に嫌な感じがドッと溢れてきて...。」


『!!!』



みかちゃんたちはこの時既に気づいていた。


「まゆちゃん、それはね、魔法剣士に一歩近づいたってことだよ!遠くの気配をすぐに察知できるようになるの。」


えっ!!?

さやかさんはこれを感じられるようにっていう調整をしてくれたの?ピルに借りた瞬間は何も感じなかったのに…。



「流石元戦士ピュー、ピューだけだとそこまでできなかったピュー。」


「あの剣を貸してやったのはお前か?」



ふたりの話を聞いているとしみじみ伝わる戦う人って感じ、私そこまで行けるのかなぁ…。


そんなこんなの会話がかわされている中、急に




ズキっ!




さっき私の腕に絡みついた黒い物体が作動を始めたのかな?また腕が痛くなってきた。



「いっ...痛っ...」



私はその場で腕を覆ってうずくまった。



「まゆちゃん!」


「どうした!?」



みかちゃんたちが私の周りに集まってくる。

始めは片腕だけだったのに、まさか両腕やられてたの?そう思って両腕を見比べてみる。



「この腕のものが反応しているということは、あの者達が近くにいるという事ですね…。」



ベルさんが真剣な表情で語り出す。



「クル...」


「えっ?」


「近い...来る!」



今回ははっきり分かった。これがあの人の気配。

腕がこうなったからなのか、さやかさんが剣を調整してくれたからか、誰よりも早く気配を察知することが出来た。

私のあとに続き、徐々に気配を察知していくみかちゃんたち。

花さんが立ち上がったその瞬間、




バジャーーーー...




さっき噴射した黒い塊がまた吹き始めた。



「くっ!」


「きゃー!」



あっ!花さんが危ない!助けなくちゃ!


咄嗟に左手を前に出していた。花さんの周りに結界の様なものが現れ、花さんを守った。



「花!こっちへ!」



みかちゃんは必死に花さんを呼んだ。

何とか花さん助かりそう...

そう思ったのも束の間だった。

花さんの後ろに黒い影が...。



「花!早く!」



さやかさんも慌てて花さんを促す。



「お...お姉...ちゃん...」



花さんの声は震えていた。

えっ?結界で守ってたんじゃなかったの?



「ーーーふっ!こんなちっぽけな力で何ができるというのだ!」



あの時聞こえた声がまた聞こえた。



「あなたはあの時の!」



私は前進使用とした。



「ーーーおーっと動くんじゃねぇぞ…。」


「......!」



よく見ると花さんの身体中に何本もの糸が張り巡らされていた。だから動かなかったんだ。



「ーーーちょっとでも動けばこいつの命はないと思えよ...。こんな小娘ひと捻りで殺してやる。」


「いや...。」



花さん...。

どうしよう...このままじゃあ...。


みかちゃんもさやかさんも冷や汗を流しながら真剣に考えている。


どうすれば花さんを助けられるんだろう…。








③へ続く




皆様こんにちは!作者Sakuraです。

今回のこの小説は①の続編を書かせて頂きました。


私のことを調べて下さっていた方はわかったとは思いますが、皆様、お気付きでしょうか?

そう、

私が初めて描いたオリジナルキャラクターが《北野みか》だけではなく、《北野さやか》、《北野花》と、今のところ計3名出しています。スペシャルコラボです。


って...はしゃいでいるのは私だけなのかもしれませんね...(汗)お騒がせいたしましたテヘ。


えっと...、まぁ新たにさやかと花が合流したのですけれどもまたまた危険がいっぱいの大変な場面となってきましたね。この先もまだまだ見逃せません。


最後に、現在魔法剣士魔界物語③を執筆中ですので、完成まで今しばらくお待ちください。


次回予告等を書くのが苦手なので次にどうなるのかなどを書くことはできませんがこれからも暖かく見守っていただけると幸いです。


これからもよろしくお願いします。

ありがとうございました。


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