第1話 『地球の神に罪悪感を抱かせた男』
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俺はありえないほど才能がない。
運動もできなくて物覚えも悪い。
顔もそんなに良くない、中の下と言ったところか。
この世は理不尽だ。例えばクラスの天崎 龍という奴は運動も勉強も顔も完璧。
…だがしかし!俺にはとある才能があった!それは…
パソコンが得意。
こんなもん引きこもってニートになれって言ってるようなモノだ。
どうせ社会に出てもこの物覚えの悪さと鈍臭さで会社からはいい目はされないだろう。
そんな事を考えながら俺は道を歩く。学校で俺はその鈍臭さと物覚えの悪さからイジメにあっている。
はぁ…憂鬱だ、この世の中不平等だ。
まぁ、この才能無さはどうにもすることなんてできないから、精一杯努力するしかないんだがな。
そうして俺は席に着こうとするが…。
「痛っ」
蹴られた。こんなもんも慣れたもんだ。
「オラ立てよ、俺は今日は気分が悪いんだ。」
ストレス解消に人を使うなよ…!
もちろんこんな事を言うともっとイジメは悪化するだけだから言わないが。
「おい!先生来るぞ!」
今日は少し来るのが遅かったお陰で一発蹴られただけで今日は終わった。
ドアが開き先生が入ってきた。
「ったくあのハゲ野郎…」
愚痴を吐きながら入って来た。こいつはイジメに無関心でたまにイジメグループにちょこっと注意するぐらいだ。
その瞬間。
床が光り始めた。
「何だこれ!?」
「ひょえっ!」
「うわあああ!!!」
「で、出れない!?」
顔を向けるとイジメの主犯格の西岡の取り巻きの東山がガチャガチャとドアに手をやっているのが見えた。
「どうなってやがるんだ!?ついてねぇ!」
こんな混乱状態でも西岡が俺を蹴ってきた。
「静かに」
ふと少年の声が聞こえた。
しかし、その声を聞いた瞬間クラスの騒音がピタッと止まった。
「静かになったね、これから君達を転移させる。場所は異世界だ、とある王国が君達を召喚させようとしている。
もう術式は取り返しのつかないところまで進んでいるが僕が妨害している」
「ま、待ってくれ!」
天崎が叫んだ。
「これはどういうことだ!」
「ほんとよ!異世界って何よ!?」
「家族はどうなるんだ!?」
「ああああああああ!」
「…うるさいね。個人で話をするとするか」
その瞬間真っ白な空間に飛ばされた。
「さて、君の事は知っているよ。地球の神から話は聞いていたよ」
…他のみんなはどこに行ったんだ?どういう事だ?
「地球の神によると君は調整ミスで才能が全然ないらしいね。
でも次の異世界では大丈夫だ、安心してくれ」
…えーっと待て、今起こっているのは異世界転移ということか?
「君達の行く世界では君達のゲームでいうステータスやスキルという概念が存在する」
まじか。
「他の人達はポイントは50与えられるんだが…、地球の神から頼まれていてね、罪悪感があるからポイントを増やしてくれと頼まれているんだよ」
まじか。俺、地球の神に罪悪感抱かせたのかよ。
「まぁそんなんだからきみのポイントは…3000だ」
え?多すぎ…。
「何だ不満でもあるのか?」
「いえ、不満なんてありません!ないですないです!」
「そうか、なら早速ポイントを使って転生先の情報を選んでいけ」
…待て。このひと転生って言ったよな?転生…?
「転生って…どういうことですか?」
「気付かれたか、いやーあの王国の召喚式を全力で妨害しまくったら君達の肉体を滅ぼしてしまってね、魂は残っているから転生させる事にしたんだよ」
こいつ…。
「さて、時間は30分以内だよ、じゃあ転生先の情報を設定してくれ。スタート!」
その瞬間少年は消えて、その場には代わりにタイマーが現れた。
「…よし、混乱するのは後だ、まずは決めないと」
目の前にステータスらしき半透明の画面が現れた。