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彼女と変な子

 ありゃ?

 何で私の靴箱に、違う靴が入ってるの?


 私もう靴脱いでるんだけど。

 誰だよ、間違って私の靴箱に入れた奴。


 上下左右、見渡すが。別に誰の靴か・・分からない。

 んー?

 クラスメイトの靴なら見慣れてるはずだから、分からないはずないんだけど。


 えーい、こやつ。

 とりあえず、元から入っている靴にはご退場願おう。


 そのまま放り出してもいいが、それじゃあ後から来る生徒に迷惑だ。

 並べて靴箱の上に置いておこう。


 んー?

 何でなのかな、私の靴箱に靴がもう入ってるって。

 嫌がらせにしても、地味すぎる。

 むしろ嫌がらせなら、もっといい感じのやれよ。

 写メとって、不幸のメール的な感じで送るのに。


 これじゃあ、今日の話のタネにもならない。


 いつも通りに階段を上がる。ついでに靴下のままだ。

 上履きも間違えて履いていったらしい。ったく。さっさと返してもらわなきゃ。


 「・・・・・・」

 

 さっきから、妙に顔に視線が集まるのだが。

 そんなに、上履きはいてない私は目立つのかな・・・。

 みんな下ばかり見すぎ。上を向いて歩いて!私の為に!


 ・・・・・そんなことより、階段超つらい。

 なんだろ、体中だるい。運動不足?


「あのー、もしかして」

「・・・・・」

「・・・・・・・・あのっ!」


 え? 私?


 そこに立っていたのは、新聞部によくいる気の強そうな黒髪女子。


「もしかしてBinaryのsakuさんですか?」

「そう、だけど・・・」

 この押しの強さ、確実だな。


 というか、今頃なに。

 この学校の生徒なら誰でも知っているであろう、当たり前のこと聞いてきた。

 っていうか、先週ライブしたばかりだし、むしろもう先週だから校内新聞の取材は、終わったはずだし。

 

 あ!もしかして。

 今さっきのことと言い、新手の嫌がらせか?

 そういえば、昨日ベースが変なこと言ってたな。

 「お坊ちゃまファンクラブに気をつけろ」だの何だの。

 でも、お坊ちゃまファンクラブ、結構穏やかな子多いんだよなー。なぜか私まで「王子様」呼びしてくるし・・。

 私はタカラジェンヌじゃない・・・・。


「やっぱりっ!!今日は何しにきたんですか?」

「何しにって・・・・」


 勉強?

 それ以外に、やること無い。

 むしろ、当たり前のこと言わせるな。年中バンドやってる訳じゃない。

 やるべきことやらないと、楽しいことはできない。


「・・・・・・・・」

「ライブですか?」

「え。いや・・・」

 ぐいっと、迫ってくる。何だ、この子・・・・。


 教室に着いた。


「ごめんね、じゃあ、ここで」


 がらっと、引いた、ドア。

 そこで私は現実を見た。




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