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第九百八話 知り合い達の武器

 まずはローズのから作っちゃおう。

 ローズの欲求は自分の杖の強化。自分の故郷の雰囲気が残るようにしてほしいという。こういう思い出を大切にしたいタイプの要望は直接本人を呼んでその場で作るようにしよう。



「ちょっとローズ、おいで?」

「ん? わかった」



 食堂で武器作りを待つ間、みんなにはお菓子とかを食べてもらってる。そこからローズを呼び出した。



「ローズが杖を大切にしてるのはわかるからね、作りかえるところを一緒に見てほしいんだよ」

「なるほど、それなら我もその方がいい」

「よし、じゃあどのように強化するか教えていこう!」



 俺はローズに使う素材の説明と、どこをどう補強するか、どんなマジックカードを追加するかを細かく教えた。全部の説明をし終えて改めてローズの顔を見たらポカンとしている。



「何その顔」

「い、いや、この短時間でそこまで計画してしまうとは、スキル以外の才能というやつか?」

「え、えへへ、そうかな? でも昔から決断したり計画したりするのは早い方なんだ」



 大体はゲームのせいだけどね。RPGのタイムアタックをする上では練りに練った企画が大切だから。そう思うとゲームもみんなが言うほど悪いものじゃないよね。



「それと……使う素材の話だが」

「うん、ローズには特別に、あのカオスプランティアとかいう名前のローズ達が倒した魔物の素材、これは全員に使うつもりなんだけど……それに加えてボクが戦ったSSランクの龍の魔物の鱗も使うんだよ!」



 どうせ使うならローズがいいと思ったんだよね。理由は特にない。強いて言うならドラゴン同士で相性がいいと考えたから。この素材をいつまでもバッグ内で腐らせておくのももったいないしね。



「なぜそれを?」

「この杖にはもともとドラゴン時代だったローズの素材が使われてる。ドラゴンの素材と相性が良さそうだったから使う予定を立てたんだ」

「なるほどな、そうか」

「あと、ローズ自身の余ってる素材もふんだんに使っておくからね」

「ふ、ふぇぇ……」



 ローズは俺になぜかびびった感じを見せながら食堂に戻っていった。さて、次はガバイナさんか。ガバイナさんも自分の持っている武器や鎧を改良する形にしてほしいって要望だからね。

 食堂からこの作業部屋(マジックルーム)に来るようにメッセージで呼び出した。



「ローズから聞いた、改良する場合はその場で説明してくれるんだってな」

「はい。しかしてボクが前に作ってあげたミルメコレオ使って改良した盾、まだ使っていてくれたんですね」

「ダンジョン巡りで武器と鎧共々だいぶボロボロになってしまったが、普段は買い替える必要がないほどいいものだったからな」

「いやー、大切に使ってくれて嬉しいです。じゃあ装備の製作計画の説明をしますね」



 ガバイナさんの装備に使う素材は一貫させている。まずはダンジョン内の敵が持っていて多く入手できたというミスリルを、薄く伸ばして……叩いて合わせ、薄く伸ばして……叩いて合わせ精錬し続けたものを使う。鑑定した時の表示はミスリルになると思うけど、実際は普通のそれよりもかなり頑丈になるはず。

 その過程でカオスプランティアの花弁やファフニールロットの鱗の、ローズの杖に使った分のあまり、その他俺が個人的に消費したい魔物の素材を粉状にして混ぜ合わせる。

 装飾はゴールディローズドラゴン……ローズの鱗で行う予定。

 最終的にはほんのり赤みがあり、ところどころ金色の装飾が施されているカッコいいデザインになると思う。

 そんな感じの旨を伝えた。あ、余り物を使ってるって部分は除いて。



「なるほどな」

「効果の方も期待できますからね。つよいエンチャントカード使いますし」



 ガバイナさんも食堂に帰した。

 次はラハンドさんの武器。彼は基本的に武器も防具もいらない戦闘スタイル。メリケンサックのようなものをすることがある。

 彼からの要望は完全オーダーメイドの自分の戦闘スタイルにあった新しい武器で、ところどころ無茶を言って悪いと謝りながら、戦い方とほしい武器のアイデアについて事細かに書かれていた。見た目と裏腹に字が綺麗。


 というわけで作るのは完全に手を覆ってしまう手甲ではなく、軽いことに特化したタイプのもの。手首まである穴あき手袋の関節部分や甲に金具がついた感じ。

 下地に使う布はSSランク以上の魔物の皮、鉄の部分はガバイナさんの武具と似たような構造のミスリル。俺の勝手なラハンドさんのイメージカラーに変える。

 この手甲の特徴は、装飾品としてステータスを上げる能力に加え、手にはめるタイプの鈍器としての武器の威力を兼ね備えること。

 さらに魔力による鉄具の簡易的な形状変化機能もつける。つまり指先のミスリルがナイフ状になったり、手首周りのミスリルが片手盾になったり。さらにラハンドさんの三面六臂になるあのスキルを考えて、そのスキルを使った時にこの武器も左右3つずつに分裂する。ここまですれば完璧でしょう。

 

 まあ、ガバイナさんとラハンドさんにここまでするのも、ミカを助けてくれた過去がある御礼も兼ねてるんだよね。

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