閑話 佐奈田のマル秘メモ 〜曲木桜 編2〜
さて、桜ちゃんと叶君の関係についてはもう少し掘り下げるべきでしょう。
まず、二人は叶君の項でも触れたように、結婚前提でお付き合いしており、口約束だけどすでに婚約までしている。二人の今までの間柄を知っている人ならば、それが早すぎるなんて思ったりはしないはず。
お付き合いを始めたのは、つい最近。
突然に桜ちゃんの目の視力が完全に常人並に戻ってから。視力が元に戻った原因はいまだに不明であり、成上さんのところの研究組織が全力で解明しようとしているようだ。
世間一般では奇跡と呼ばれている。
もちろん、メディアはまた彼女らに目をつけ、新聞で大きく取り上げた。そしてお付き合いし始めたことも書いていた。
眼鏡を外した桜ちゃんは、なんども言うけれど美花ちゃんに劣らず超美少女。普通なら男子にモテモテでもおかしくない。そして叶君も女子にモテモテで普通なスペックを持っている。でもモテたことはない。
そう、二人が付き合う前から周囲は空気を読んでいたの。
それからは桜ちゃんは本当に叶君に甘え、べったりとくっついている。介護のために掴んでいた腕も、恋人同士が抱きつくものに変わっていた。
桜ちゃんはもともと甘えん坊だと言われていた(美花ちゃんに甘えている様子が数多く見られた)が、それは確固たるものになった。
流石に叶君と桜ちゃんは性交経験はカケラもないみたいだけども。中学生であっても困る。
逆に美花ちゃん曰く、叶君は桜ちゃんの年齢に対して大きな胸を押し付けられて困惑している模様。
もう慣れているらしいけれど。
あと美花ちゃんは嬉々として揉んでるらしい。やっぱり。
叶君ってば自分で稼いだお金が数億単位あるからって桜ちゃんのデートに高級スイーツ店行ったりしてるらしい。叶君も甘やかしていると言うべきかもしれない。
まあ二人はそれがちょうどいいけれど。
あと、もし桜ちゃんの悪口を言ったり暴力を振るおうものなら叶君に何をされるかわからないと思った方がいい。
一部、叶君と桜ちゃんの間柄を見守ると言うみんなの暗黙の了解をやぶり、叶君を好きだった数人の女子が徒党を組み、桜ちゃんをいじめようとしたらしいが未遂に終わり、その上、そのあとその子ら全員転校してしまった。叶君がやったと言う噂だが定かではない。
それと桜ちゃんと美花ちゃんはとーっても姉妹仲がいい。叶君と遊ぶ予定がなく、生徒会の仕事もない場合、二人でショッピングに行ったりしていたらしい。
また、今の叶君との関係と同じように、美花ちゃんにべったりと抱きついている桜ちゃんも目撃されている。
今は叶君とのデートに時間が圧迫されているようだけども。
桜ちゃんの学校の評判は、もちろん、生徒会委員長に選ばれている時点で相当なもの。
もしかしたらセットで叶君という、世界最高峰の頭脳の持ち主のアドバイザーが付いてくるからというのもあるかもしれない。実質、叶君がこの学校を牛耳っている形になってしまったりするのだとか。
叶君が起こした改革の数はあまりにも多く、中等部だけでなく高等部にすら採用された案なども多数ある。
曲木家と成上家に共通することだけど、火野とリルちゃんのことは信頼しきっており、逆に友達は少ない。
自分の好きな人だけと付き合っていたいという節がある。
でも桜ちゃんのことを一方的に友達だと思っている子は多い様子。
うーん、こんなものかな。
今日だけで一気に6人もまとめてしまった。
ゲーム廃人の男の娘に、絵にもかけない美しさを持つ社長令嬢、正義感の塊のような超人に天才ノルウェー美少女、世紀的頭脳を持つ大天才に、非の打ち所がない生徒会長。
これらキャラの濃い全員が互いに関わりがあり、交友関係を持っているのは奇跡としか言いようがない。私としても記事の書きようがあるってものよ。
さらに全員そんなに友達がいると思い込んでる中、私は特別に交友関係を持たせてもらっていることに感謝しなければならないと思う。
私の夢はジャーナリスト。
この6人のことを追っているだけでなんだかとてつもない情報が得られる気がするし、これからもお付き合いはさせてもらおうかな。
さて、次は誰をまとめようかと考えた時、ちょっと困ったことになってるのに私は気がついてしまった。
そう、最初にチョイスしたらこの6人が濃すぎるが故、次以降がどうしても質素なプロフィールに思えてしまう。
そもそもなんだよ、火野の超人体質とかさ。普通ありえないじゃんそんなの。
もしかしたら彼らは私たちと住む次元が違うのかもしれない。もう、異世界から転生してきたんじゃないかって言われた方がしっくりくる。
いや、流石にそんなことないような気がするけど。
……………本当にないよね?
なんかそう書いたら段々とありえるような気がしてきた。
とりあえずそのことは置いといて、まあ、とりあえずはこれからも私なりにきになる人を一応まとめた行こうかな。私の夢のためにも。ふふふふふ。




