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第八百十一話 久々の呼び出し?

「はい、ありがとうございましたー」

「「お疲れ様でーす!」」



 シヴァにあの地蔵の秘密をある程度だけ聞けた翌日。

 昼前に俺とミカはいつも通りの仕事を終えたんだ。今日撮影したものはお洋服の最新ブランドの広告だね。

 チェック柄を前面に出したデザインばっかりで、赤髪の俺に結構似合ってるものが多かったよ。



「ふぅ、一仕事したねー」

「今日はなにしよっか……暇だね」

「だねっ」



 この後また別の仕事があるわけじゃないし。カルアちゃんと連絡を取って遊びにでも行こうかしらん。

 そんなことを相談していた時、頭の中にメッセージが送られてきた。



【突然すまない、アリムとミカよ】

「む、この感じは国王様だね」

「唐突に来るのは久しぶりだ。なんだろう」



 とりあえず受け答えをしよう。カルアちゃんと遊ぶつもりで居たんだ、城に呼び出されても別にいいだろうね。



【はい、何でしょう!】

【少し用がある。城まで来てくれないか? 他に用事があるなら別の日でも構わないが】

【全然大丈夫です! 二人で行きますね】

【よろしく頼む。私の部屋で待ってるぞ】



 てなわけで俺とミカはお城に来た。カルアちゃん達と遊ぶ目的以外で来るのは本当に久しぶりかもしれない。

 当たり前のように城門は顔パスで通り、そのまんま城内に入って国王様のお部屋へ。



「こんにちは!」

「相変わらずすぐに来てくれるな。ありがたい。呼び出してすまなかったな。別に急ぐ用事ではないのだが、どうしても聞きたいことがあって」

「いえいえ、それで何でしょうか?」



 国王様は自分の召喚魔が描かれている椅子に深く腰掛けながら、特に慌てた様子もなく質問をしてきた。



「ここ最近、黒髪かそれに近い茶髪で、黒目をしているという人物が一度に複数人現れたと耳にしてな。なかにはかなり力を持った者までいたはずだ。アリム達の世界の住人の特徴と一致するから、何か知ったことはないかと聞きたかったのだが」

「あっ」

「あー」



 俺とミカはついつい顔を見合わせる。

 そうだよ、報告するのすっかり忘れてたじゃん。国王様に親達を連れてきたって言わなきゃだよね。



「その顔は何か知ってるのか」

「はい」

「いや、もろボク達が関係してるというか」

「なんだ、そうだったのか。また賢者か何かが現れたのかと思ったぞ」

「ごめんなさい」



 賢者が出てくる、イコール、どこかで魔神がまた出てきたかもしれないってことだもんね。まあ、魔神は俺が全員管理してるから出て来るなんてことありえないんだけど。



「で、その6人は何者なんだ?」

「……俺とカナタの両親と、ミカとサクラちゃんの両親と、ショーの両親です」

「それぞれの御両親を連れてきたのか!」

「はい、ごめんなさい。すっかり報告するの忘れてて」



 国王様は少しホッとした顔をした。

 と、同時に興味ありげに身を乗り出して来る。



「ぜひ、ご挨拶したいものだが」

「ええ、近いうちに必ず!」

「ありがとう。いや、まさかアリム達の親御殿と挨拶できることがあるとは思わなかったな!」

「後で連絡を取って、それぞれが大丈夫な日にちになったら一度に挨拶しにきますね」

「うむ」



 ミカとショーの両親は大丈夫だけど、お父さんとお母さんは呼び戻さなきゃいけないね。

 カナタの瞬間移動使えば一発で何とかなるんだし、この世界の一番の大国の国王様とお話しするとなったら断ったりしないでしょう。



「しかし挨拶後に新しい個人情報を作らなければな」

「あはは、なんかいろんな人連れ込んできちゃってごめんなさい」

「なに構わん。そのくらい、アリムらがしてきてくれたことに比べれば些細なことだ」



 むむ、勝手に人を連れて来るってかなりやばいことだと思うけど、懐が広いなぁ。

 そのあと国王様と少しの雑談をし、それが済むとカルアちゃんに遊びに来てることを連絡。

 すると国王様の部屋の前まですっとんできた。



「アリムちゃん、ミカちゃん! 遊びに来てくれたのですね!」

「うん!」

「今ちょうど、お母様とエル様と遊んでたところなんです、一緒に遊びましょう!」



 すごーく嬉しそうなカルアちゃんとともに、彼女の部屋へ。そこには既に言ってた通り、カルナさんとエルさんが居た。

 いや、二人が居たのは良いんだけど、なんで部屋の前で前勇者であるへレルさんが門番みたいに立ってるんだろう。



「あの、なにしてるんですか?」

「あ、現勇者の……。いや、エルが、あとカルア様とカルナ様も心配だから」

「そっかそっか」



 カルアちゃんなんて守ってもらわなくて良いくらい強いんだけどね。まあ男の人がそういうんだから守らせてあげようね。

 にしても、俺のことをジーっと見て来るなぁ。



「あの、顔に何か付いてますか?」

「いや、ごめん……ちょっと気になって。勇者の勘ってやつで」

「へぇ。なにを勘付いたんです?」

「いやいや、大したことではないんだ。大したことではな」



 へレルさんはそれ以上話そうとはしなかった。

 まあ、なんて考えたかはわからない。ただ、ミカの勘ならかなり信用しちゃうけどね、へレルさんは当たるのかな?

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