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第八十六話 調査と人面獅子

 

 私は昨日のように起き、昨日のように朝食をたべ、調査についていっている。


 この日はDランクの魔物…トレントの亜種、ホワイトトレントが出現した。

 亜種はその元になるモンスターより強いらしく、魔核も複数個出るのだとか。


 ラハンドさんが無事瞬殺。

 特に苦戦することなく倒し、魔核3個も入手できたんだって。


 さらに、Bランクのモンスターも一匹でた。

 初めてBランクをみたけど、DやCなんかとは格が違う。

 すごく強そう。それでも、マンティコラには劣るかな?


 マンティコラって、もしかしたらAとかかも。いや、もっと上の可能性だってあるよ。


 ラハンドさんは、そのBランクの芋虫みたいなモンスターに本気をだして戦ってた。

 途中から肌の色が肌色じゃなくて、鉄の色に変わってたんだけど、『鉄の超気』っていうスキルなんだって。

 身体が鉄をまとったようになり、攻撃力とか、防御力が上がるらしい。


 それにしても凄まじい拳の連打だったんだけど、ラハンドさんも数カ所、擦り傷ができてた。

 まぁ、傷はマーゴちゃんの回復魔法で塞がったんだけどね。


 やっぱり、高ランクの魔物って恐ろしい。


 まぁ、あとは別段かわったところはなくて、普通にDランクやCランクの魔物が出てきただけだった。




 その次の日はDランクの魔物がやたらと多かったなぁ~。とくに、蟻の魔物。

 蟻はまだ大丈夫だけど、もし、ゴキブリとかムカデとかゲジゲジみたいな気色悪い魔物がでたら、私泣くよ?


 マーゴちゃんに、虫の魔物は大丈夫か聞いてみたんだけど、やっぱりあまり相手にしたくはないんだって。

 今までで一番気持ち悪かったのは、蚊蜻蛉の魔物だとか言ってた。

 確かに、蚊蜻蛉は気持ち悪い。あの長い脚が私は嫌だな。



 

 そのさらに次の日、最悪の事態が起きた。そう、蚊蜻蛉の魔物がでたんだ。

 あの長くて奇妙な脚にマーゴちゃんと私は抱き合って震えたよ。

 私なんか涙目になってたと思う。


 それでも、難なくラハンドさんが倒してくれた。

 さすがに直接手で触るのは嫌だったみたいで、拳による衝撃波みたいなので倒してた。

 あれは人を超えてたね。



 さらにさらに次の日、この日は本当になんもなかったなぁ…。

 嵐の前の静けさって感じ?



 その次の日、私がラハンドさん達とともに行動して5日目。この調査は今日で終わり。


 ここ数日間過ごしてるのと同じように起床、朝食をとって調査にむかった。


 この日もD、Cランクの魔物を中心に出没していた。

 そう、ここまではなにも変わったところがなかったの。


 お昼ご飯を食べ終わってから1時間たったあたりかな?

 急に、人とも獣ともわからない声で、そこそこ近い距離から声が聞こえてきたの。



「キェェェェェェェェェェェェっ!!」



 って。その声を聞いたラハンドさんは急に立ち止まって私達に物音を立てないように命じた。



「あ……あの声は、マンティコラじゃねぇかっ…!?」

「ま、マンティコラ!? それ本当? ラハンドさん」

「なんでこんな森の中にSランクの魔物がいるんだよ…あ、でもAランクの魔物が三匹同時に出るような場所だから…」


 

 やっぱりマンティコラはSランクの魔物だったのね。

 ラハンドさんは息を潜めながらこう言う。



「いいか? マンティコラは俺でも勝てねぇ。時間稼ぎぐらいはできるかもしれねぇが…。ともかく、今は逃げることだけ考えろ」

「ねぇ、マンティコラさ、ガバイナさんが戦ったミルメコレオ達の親玉とか、考えられない?」

「うん、そのせんはあるね。この森には虫の魔物や植物の魔物は沢山いるのに、獣の魔物が全くいない。なのにミルメコレオっていう、半獣半虫の魔物がでてきたんだ。十分あり得る」



 さらにラハンドさんは何かに気付いたようにこう言った。



「……そうだ、思い出した」

「どうしたの? ラハンドさん」

「この森はな、元々植物の魔物の方が多かったんだよ。確か、6年前までだったか」

「え、でも私達が見つけた魔物って、トレントを除いたら全部、虫の魔物だったよね?」

「あぁ、その虫の魔物はあのマンティコラが生んだものだとしたら…?」

「でも、マンティコラって獣じゃないの?」



 その質問にたいし、ラハンドさんは驚きのことを言った。



「確かに、見た目はな。ただ、あいつも半獣半虫の魔物なんだぜ?」

「「え……?」」



  ゴッグ君もマーゴちゃんも、驚いているようだ。



「え……どこが、どこが虫なの? ラハンドさん」

「俺も図鑑でしか見たことはないけどよ、あいつの尻尾は蠍の魔物だ」

「な……!」

「じゃあ、やっぱり…」

「あぁ、アイツが虫の魔物を増やしたかもしれねぇってこった。さっさと本部に連絡してSランカーの冒険者を出してもらうぞ」



 そう、私達四人はマンティコラの考察をしながら、静かに逃げてたの。

 

 その最中現れたのは、あのボウフラの魔物。

 でも、今はそんなのに構っている暇はない。


 ただ、そいつは、私達を気にかける様子もなく、マンティコラが居る方に向かって飛んで行った。

 もしかして……。


 そう思った頃にはもう遅い。

 蚊蜻蛉は、マンティコラを連れて私達の元に戻ってきた。

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