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第七百九十七話 久しぶりの地球!

 あれからたぶん、三日くらいかな?

 俺たちは久しぶりに地球に帰ってきた。あの世界の真実的なことについてまだ腑に落ちないことはあるけれど、シヴァからやめといた方がいいって言われたし、様子見しておこうと思うの。

 

 ところで、こっちではまだ冬休みの最中だね。一ヶ月近くアナズムにいたから、地球ではつい最近、おじいちゃんとおばあちゃんの家に行っただなんて信じられないよ。



「で、どうだったアナズムは! いつも両週末明けに移動して、アナズムで2週間、地球では1週間のサイクルなんだけど」



 俺はリビングにお父さん、お母さんともに来てもらって、そう説明した。今頃、ミカの家とショーの家でもおんなじような説明してるだろうね。



「いや、すごかった。科学では証明できないことばかりだったし、かといって科学が通用しないかと言われればそうでもないってのがまた良いところだよ」

「ママは若くなれたのが嬉しいかなーっ」

「ママは今でも若いよ」

「んもっ、パパったらっ」



 いや、実際見た目がほとんど変わってないんですが。恐ろしいね! 通りでお母さんと歩いてても姉妹だって言われるわけだ! 年齢は20以上、性別はまるで違うのにね!あべこべだね! 

 


「それより素晴らしいのが、有夢がくれたダークマタークリエイトのスキルとマジックバック、マジックルームだね」

「そんなに喜んでくれてるんだ」

「もちろん、これを研究に使えばすごいことになる……!   実際、数千年は文明が進むかもしれない。まあ、周りにバレないようにこっそりやらなきゃいけないけどね。既に同じことしている叶にうまい隠し方法でもアドバイスもらおうかな」



 魔法でなんか色々作れるようになったら研究とか楽しくなくなるんじゃないかと思ってたけど、二人にとってはそうでもないみたいだね。

 ……ゲームでいう、好きなアイテムを好きなだけ所持できるチートだもんね。

 俺の場合は大体遊びだとかに使っちゃうけどさ。



「お母さんはどうだった?」

「パパとゆーっくりイチャイチャできたから嬉しかったっ」

「それは良かったね」

「いいわねぇ、アナズム。まあ有夢があの世界で相当な地位を得ているからこそ私たちがのびのびさせてもらえるのであって、本当なら魔物とかで色々大変なんだろうけど」

「まあ、そうかもね」



 お父さんか叶が先に送られてたら絶対俺と同じような感じかそれ以上になってたと思うけどね。

 


「じゃあそろそろ買い出し行ってこようかな」

「年末年始でどこもやってないんじゃないかな?」

「ありゃ……」

「それに、ね?」



 お父さんはその場で袋に入れられたお米10キロを作り出した。お母さんは言いたいことがわかったようで、目を輝かせながらうなずく。



「そうだったね! お昼ご飯、主婦歴とスキルに物を言わせて美味しいお雑煮つくるから待っててねっ」



 お昼ご飯はお雑煮か。お正月らしくていいね!

 俺は二人の感想を聞き終えたから、お部屋に戻った。どうやら美花も両親と話を終えたみたいだ。

 ではさっそく、窓から侵入。



「やっほー、美花!」

「あゆむぅ!」



 思いっきり抱きついてきた。向こうでは抱きつかれたりニャンニャンしすぎて感覚が麻痺してるというか、慣れきっちゃってるけど、こっちでは健在だ。胸が柔らかいしいい匂いする。

 やっぱりある程度距離を置いていちゃつくのも大事なのかな? そんなこと提案したら美花が大泣きしそうだから言わないし、俺自身そんなことするつもりないけど。

 

 

「おじさんとおばさんはなんて?」

「楽しかったって! 来週も行くってさ」

「ふふーん、気に入ってもらえたようで良かった」


 

 今回はできなかった国王様への挨拶だとかは次回にやるつもりだからね。来てもらわなきゃ困るっちゃ、困らんだけどさ。



「それで、この地球での一週間はどうするつもり? 来週の火曜日から学校よね?」

「そうそう、いや、普通に1月の頭をのんべんだらりと過ごすだけだよ、宿題も終わってるし」

「えへへー、じゃあ次のデートいつ行こうか」

「んー、いつにしようか」


 

 近いうちがいいけど、割とどこも混んでそうな気もするしなぁ。でもお正月らしいことしたいよね!



「デートっていうかさ、近くの公園で羽根付きとかして遊ぶのも面白いんじゃない?」

「羽根付きかぁ……落とした方が罰ゲームとして落書きされるんでしょ?」

「そうそう」

「私たちは私たちなりの罰ゲームにすべきよ! ……負けた方は家に帰ってから買った方の目の前で負けた分だけ脱ぐとか」

「えー、地球だから下手に脱げないんだよなぁ」

「そうなのよねぇ」

「かと言って美花の綺麗な顔に墨を塗りたくないし」

「うん、私も有夢の綺麗な顔に落書きしたくない!」



 俺と美花は見つめ合い、それから抱き合った。



「ぎゅー!」

「ぎゅー!」



 ちゃんとこの調子で平常運転しようね。 

 

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