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第七百九十五話 そこのところどうなのさ

「………あー」



 やっぱり知ってはいるんだろう、そんな感じだ。でもなかなか答えようとしないし、俺の質問にシヴァだけでなく、スルトルとサマイエイルも怪訝な顔をしている。



「まァ、普通は誰かしら疑問に思うよな、こんだけ人がいりゃーよ」

「なんと答えて良いのやら」

「答えるとしてもどっから答えるかだな」



 三柱は本当に頭を悩ませてるみたいだ。

 


「もしかして、知ったらやばい?」

「この生活が崩れるくらいなの?」

「そうだな、そこの狼族……リルの父親だったか」

「は、はい」

「今はどうせアリム達の力で相当な強さになっているのだろうが…。ダンジョンの法則……4つ固まって出現することを発見してしまったんだったな。その当時は強力な存在ではなかったのだろう?」

「ええ」



 サマイエイルが言うには、俺たちみたいなレベルの強さだったらそこまでま大きく干渉し被害を出すことができないけど、Sランク程度までだったら揉み消すことができるらしい。……ってことは。



「ね、じゃあ魔神以外になんかいるってのは認めるんだね?」

「アリムちゃん、その通り。我々みたいに魔神……あるいは邪神として人の恐怖を煽る存在以外にな、いるんだよこれが」



 だよね、そうじゃないと説明できないことたくさんあるもん。特にミカがこの世界に来れたこととか、賢者が普通は二人らしいところを三人になってしまったとか。

 


「……そしておそらくそれは、アリムちゃんが最初にこの世界に来た時にメッセージをくれたと言う、我じゃない本当の幻転地蔵だ。まあ本当の名前は別にあるけど、親しみやすい名前を使ったんだろ」

「本当の名前……?」

「あ、きくなよ? 悪リィが、そいつは教えられないからな。深い理由があるわけじゃないガ。まあ教えない方がテメェらのためになるだろ」



 むむむ、ここまでのことをまとめると、どうやら俺たちに直接手出しができるわけじゃない(強さ的な問題で)けれど、確かに強力な力を持っている神様的な存在がしっかりとこの世界にはいる、って感じなのかな。 

 まあ宗教は統一されてるし、その神様だって考えた方が妥当だね。

 宗教のことに関しては、国王様サイドにたくさん、宗教関連のお仕事をしている人がいるから聞けばいいか。



「じゃあ……これ以上はあまり聞かない方がいいんだね? とりあえず何かいるとだけは把握したよ」

「わかってもらえて助かる、カナタ君。……質問はこれくらいかな?」

「みんなとしての質問はこれくらいだよ、ね?」



 みんな頷いた。

 すごくすごーく気になるけれど、この安定した生活には変えられないからね。深く踏み込むのはやめてしまおう。

 もしなにか敵対することになったらその時だけ対処すればいいんだ。



「じゃあ、しまっちゃおうねー」

「ちょっ……もう少し話させてくれてもいいんジャねーかな、アリムちゃ…ちょっ……」

「……さらばだ」



 俺はシヴァとサマイエイルのバーチャル映像を閉じた。ついでにシヴァも映像だけ閉じさせた。



「わふん、そういえばなんで、東の方の国の魔神……シヴァ様だけ待遇がいいんですか?」

「答えてあげよう。それは我の行いが良いからだ」

「え、ほんと?」

「あ、ほんとですよ!」

「そういえば渡された本にも、シヴァを討伐したとは書かれていなかったですね」



 シヴァだけ特別扱いなのもそれで納得してくれると思うよ。俺はサマイエイル嫌いだし、ショーはスルトル嫌いだけど、この中でシヴァのこととやかく言う人はいないからね!

 とりあえず俺たちは解散することになった。

 お父さんあたりが、もう少し知りたがってたけど、まあ危ないなら聞かない方がいいもんね?



「まだ謎なところはたくさんあるんだけどなぁ」

「そうは言ってもさ、私たちなんやかんや言って、この世界にまだ一年も居ないんだから、無理に知ろうとしなくてもいいんじゃないかな?」

「ああ、たしかに」



 部屋に戻ると、ミカからそうアドバイスをもらった。

 そうだよねぇ……世界の核心とかそういうのに触れる前に、もう少しこの世界と慣れ親しんだり深い歴史まで知っておかなきゃダメだよね。

 教えてくれそうな知り合いはたくさんいるんだし。

 魔神という名の一応神含め。



「というわけで難しいこと考えずに、私といちゃつこう?」

「そうしたいだけでしょ?」

「えへへ、バレたかー」



 ミカがこうも可愛いと些細なことは全部忘れちゃうね!

まあ、本当に些細かどうかは別として。

 この件に関して深く調べた方がいいって人もここにはいないし、このままゆっくり過ごせていければいいや。


 さっきも考えた通り、本当に自分たちに火の粉が降りかかるんだったら全力で対処しようね。

 俺にはきっと、それができてしまうからさ。



 

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