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第七百九十四話 禁忌なの?

「ここです」

「ここって、僕と妻を生き返らせてくれたところですよね?」

「そうですよ」



 俺たち(うちのお父さん、ミカ、ショー、サクラちゃんを新たに加えて7人)はいつもお地蔵様が置いてある部屋にやってきた。



「えー、本当に聞くの?」

「だってモヤモヤするんだもん! せっかくの機会だしさ」

「この世界のことについて少し何かわかるかもしれないと言われたから来だけど……美花ちゃん達の反応を見る限り……有夢、あんまり危ないことはしないように」

「わかってるよお父さん。……おいでシヴァ!」



 俺がそう言うと、この部屋の隅でちょこんと座っていたシヴァがこちらにやってきた。



「あ、シヴァだ。久しぶりに見た気がする」

「最近ずっとこの部屋にいたからね。あの二人のこけし持ってきてよ」

「うむ、わかった」

「あれ、シヴァってこんな普通に喋れたっけ」



 そういえばお父さんにシヴァの正体まだ明かしてなかったね。シヴァは言われた通り、器用に口でこけし二つをくわえて持ってきてくれた。



「で、我々になにか用事なのか? こんなにたくさん人を連れて」

「まあ、ちょっときになることがあってさ。……三柱とも呼び出していいかな?」

「いいと思うぞ」



 俺はスイッチを押して、この世界の魔神三柱を呼び出した。事情を知らない親世代二人は首を傾げている。

 ……ていうか美花と俺以外、いつでも話せるようにこういう形で封印し直したの知らないんだった。



「これがこの家に住んでいる、まだ僕が紹介されてない方々なんですよね? なにか、こう言う扱いなのは特殊なわけがあるんですか?」

「オッ、狼族かぁ……ってことは、こいつ、その娘の親か、どうだ当たってるだろ?」

「……スルトル!? 兄ちゃん、なんでスルトルが!?」

「……おい、勇者ちゃんはお仲間のみんなにまだ言ってなかったのかぁ~?」

「うん、てっきり忘れてたよ。みんなこれから説明するね!」



 アナズムの歴史を聞くためだったり、監視をしやすくするためにバーチャル立体映像の身体を用意してあげたことを説明した。



「えっ、てことは……魔神を、えっ、えっ、家で飼ってるんですか!?」

「飼ってるって、んな、仮にも神に対してそんな言い方ないんじゃネーノ?」

「す、すいません……」

「有夢、そんなの実家に連れ込んでいたのか」

「ごめんなさい……」

「まあまあ、良いではないか。それに我はこの三柱の中で最も安全なのだ。杞憂することはない」

「幻転地蔵の中身がまさかアナズムの存在だったなんて……」

「子供思いの素晴らしい親であるというのはしっかり認知しているぞ」



 お父さんとシヴァが普通に会話してるの面白い。いや、それよりショーとリルちゃんと叶とサクラちゃんのスルトルに対する反応はどうなんだろう。



「久しぶりだな、スルトル」

「おうおう、テメーラ4人とも元気そうだナァ」

「……俺はお前を許さない」

「わ、わふぇ、私こうして生きてるし気にしなくていいよ、ショー……」

「俺からは特にスルトルに言うことはないよ」



 やっぱりショーが一番キレてるか。当たり前だね。

 カナタがあんまり気にしてないのは意外かな……まあ、戦っただけでサクラちゃんが大きく何かされたわけじゃないからね。怪我の一つでもさせられてたら大爆発起こしそうだけど。



「そんなに気にしなくていい、動けないなら仕方ないよ」

「すまないな、本当に」

「……お父さんはシヴァとなんの話ししてるの?」

「ああ、シヴァが有夢が死んだ時、助けられなかったことを謝られたんだよ」

「一応謝っておこうと思ってな。普段から見守っていたのに救えなかったのが本当に不甲斐なかった」



 なんかそれぞれで話が盛り上がってるなぁ。リルちゃんのお父さんは、もうこの三柱より強いのにビビってるし。

 まあ伝説の存在が現れたんだし仕方ないといえば仕方ないか。そろそろ本題に入りたい。



「ね、ね、みんな、そろそろ本題に入って良いかな?」

「わ、わふん、そうだね! ショー、一旦落ち着こうか」

「ふんっ……まあ、もうなんもできねーだろうからいいさ」

「クカカカカカ」



 それぞれ話を聞いてくれる態勢に入った。じゃあ単刀直入に聞いちゃおうね。



「このアナズムってさ、色々不思議なことがあるんだよね」

「そりゃ、魔法とか、地球にはないものばかりだろう?」

「そうじゃなくてさ、アナズムの住人がなぜか歴史は結構深いのにレベル上げのちゃんとした方法を確立してなかったり……」



 魔神たちの動きが止まった。しかし、このまま話し続けてしまった方がいいと思う。なんか怪しい雰囲気だけど。



「あと偶然かは知らないけれど、リルちゃんのお父さんがダンジョンの法則を見つけた途端に襲われたりしてるんだよね……ね、もしかして魔神以外になんか居るの? そもそも、俺たちがこの世界に来た時に説明してくれた幻転地蔵って……誰? シヴァのことじゃないんだよね?」



 言い切った。

 シヴァは無言で俺らを見つめてくる。……なんて答えるんだろう。

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