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閑話 リルが風邪を引いたら (翔)

 本編ではアムリタやその他ポーションで風邪程度ならすぐさま治ってしまいますが、それらがなく、リルが風邪を引いたらショーはどう看病するのでしょーか。

 そんなお話しです。


#####



「わふぇ、ごめんねショー」

「いいんだって、気にすんなよ」



 リルが風邪を引いてしまった。平熱より4度近くも高い。リルの部屋で寝間着のまま寝込んでいる。

 俺はその看病をしているわけだ。

 


「今日デートだったのに……家に私達だけになる時間があったはずだからエッチできたのに……」

「まあ、無理だよな」

「わふぅ……」



 リルはしょんぼりとしているが、俺としては自分の彼女を看病するってのは一回やってみたかったことだし、別にいい。看病される側にもなってみたいけどな。

 俺、鍛えてるからあんまり風邪ひかねーんだ。



「はぁはぁ……ふぅ……」

「辛そうだな」

「頭がガンガンするし喉もいたいし……だよ。それになんかボケーっとするんだ」

「ま、安静にしてるのが1番だろ」



 普段、家にいればべったりとくっついてくるリルが目の前にいるのにもかかわらず、ベッドにくるまっているだけでいるというのはなんか新鮮だ。



「何か食いたいものあるか?」

「……牛肉」

「ダメだ」

「じゃあショーの______」

「何を言おうとしたかわからないが、多分ダメだ」

「わふぇ……アイス」

「わかった、買ってくる」



 近くのコンビニでアイスとそ熱冷ましシートを買ってきた。一応マスクも。薬と、俺がよく運動をするからスポーツドリンクは大量に常備してるんだが、それ以外はあんまり風邪に対策はしていない。



「ほらよ」

「わふー、アイスー」

「あー、あとこれも買ってきたから貼っておけよ」

「おでこに貼るやつだね。……ショー」

「目で訴えるな。わかった、貼ってやるから」

「わーふー、ありがとー」



 リルの前髪をめくり、俺はシートを貼ろうとした。

 額に手が触れたが、うん、かなり熱いなこれは。



「マスクはいるか?」

「咳と鼻水は幸いでてないから大丈夫。頭痛と気だるさ、発熱と喉の痛みがこの風邪の症状みたいだ。ショーこそ私の看病してて移ったりしないのかい?」

「ここ数年、風邪ひいてないからな」

「わふぇ…私が看病する立場に立つことはなさそうだね」

「俺もやられてみたいんだがな」

「もしその時が来たら胸元の開いたナースの格好をしてあげよう!」

「それ、この前にコスプレで遊んでた時にやらなかったか?」

「やったよ」



 喉が痛いと言っている割にはよく喋る。  

 まあ声がしわがれているのは本当だがな。



「それよりショー、アイス……ちょうだい」

「ほらよ」

「お願いがあるんだけど」

「わかってる」



 口を開けて待つリルに、俺はアイスを食べさせた。

 嬉しそうに顔を綻ばせている。



「わふぇ…ショーが私のことを思って買って来てくれたアイスは普通より数段美味しい」

「そうか、良かったな」

「なんかこうしてもらうのって、出会った頃を思い出すよ」

「確かにな」



 アイスをゆっくりと完食したリル。気がつけば身体中汗まみれになっていた。そろそろ拭かなきゃな。

 俺はオケに張ったお湯とタオルを持ってくる。



「これで体拭けよ。下着も替えなくちゃな」

「たしかに汗で蒸れそうだったよ。ありがとう、ショー。ねぇ、今日すっごくわがままだけど、もう少しお願いしてもいいかな」

「なんだ?」

「この前、少女漫画で見たんだけどね?」



 主人公の女の子が本命の男に、風邪を引いた際にブラとパンツだけになって身体を拭かれるシーンがあったらしい。……つまりリルはそれをやって欲しいんだと。



「マジでやるのか」

「わふ、お願いします」



 まあ……たしかにこういう時しかやる機会ないし?

 可愛いリルがお願いしてるんだったら、別にいいよな。

 もともと今日はデートして帰ってきたら、一緒に大人な意味で寝る予定だったし。



「わかった、脱がすぞ」

「ぬ、脱がすところまでやってくれるのかい? ありがとー」



 まず寝間着の下を脱がせる。今日のパンツは白だ。

 そして次に上と中シャツを脱がせた。

 


「おい……」

「わふぇ……蒸れて痒くなるの嫌だから、寝る用のブラジャー外してたの忘れてた」

「はかったな?」

「ほ、本当に忘れてたんだよっ」



 どうやら本当らしい。リルの慌てっぷりと、赤かった顔がさらに赤みがかったのを見たらわかる。いつも自分から脱いだり揉ませたりしてくるのに、予期してないとこんな恥ずかしがるのか。

 てかこれで着てるのパンツだけになったじゃないか……これを拭くのか……仕方ないな。



「じゃあ拭くぞ」

「け、結局拭くんだね。わふーん」



 丁寧に拭いてやった。彼氏の特権というやつだ。

 なんにせよ、今日は親父と母さんが家にいなくて良かったな。



「わふ……ありがとう」

「おう」

「……いつもみたいに揉んだり食べたりしてくれて良かったのに」

「今日は目的が違うからな」

「わふぇ……そっか」


 

 理性が勝ったのだ。リルの言い方からして別に我慢しなくて良かったみたいだが。

 それにしても汗でしっとりとしているリル、いつもより情を掻き立てれる。だが俺は理性が強いから大丈夫だ。



「そろそろ一眠りしたらどうだ? 楽になるだろう」

「寝る前にキスしよ」

「流石に風邪がうつるだろ」

「わふぇ……」


  

 俺はリルが寝るまで側にいた。

 

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