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第七百八十七話 新しいメンバー

「はい、というわけでリルちゃんの両親が新たにここに加わることになりました!」



 リルちゃんの両親を生き返らせ、お部屋を紹介してすぐにみんなをいつもあつまっているお部屋に呼んだ。

 今日からここに暮らしてく新しいメンバーってことになるからね! ふふふ、これで計14人と3柱がこの家に住んでいることになるよ。



「……はじめまして!」

「わーふ、はじめましてです……。こうして見ると、本当にこの屋敷には大勢住んでいるのですね」

「じゃあそれぞれ自己紹介しますよーっ」



 家族単位で自己紹介をする。きっと、火野家の自己紹介はリルちゃんの両親に対しては長くなるはずだから最後に。成上家と曲木家の8人から名前などを言っていき、それぞれの付き合っているなどの関係も教える。

 あ、親にしては見た目が若い理由もそういうアイテムを使ってるってちゃんと言っておくよ。

 リルちゃんの両親の頭がいいからか、それとも俺たちに特徴的な人間が多いからか、すぐに覚えてもらえたようだ。



「ヒノです、うちの息子が娘さんにお世話になっております」

「わふぇ、じゃあお二人がショー君の……。リルが本当にお世話になってます。彼には感謝してもしきれませんよ」

「いやいや、あいつにとってはそんな特別なことをしたつもりはないでしょう。それが結果、お付き合いしていただくという形になりまして……」

「本当にショー君のおかげでリルは心底幸せそうで……」



 うん、予想通り双方の長くなるであろう挨拶が始まったよ。へこへこしてる。うちの両親みたいにお互いが古い付き合いならこんなこともないのにね。

 身近すぎて真面目な時以外はだいたい俺がミカの両親にタメ口することだって普通なんだけど。

 だからあの反応は新鮮かな。



「では、どうぞこれからもよろしくお願いします、どうかうちの娘を……」

「わ、わふぇ、おね、お願いシマシマ……お願いします」

「こちらこそ、娘さんを大切に…するよな、翔」

「ああ、当たり前です」

「わふぇ…ショーっ!」



 どうやら話はひと段落済んだようだ。また、ここ数日間はリルちゃんとフエン家の二人で家族水入らずで過ごすってことになったそうだ。



「リルちゃん、欲求不満にならなきゃいいんだけど」

「そんな数日間程度でならないでしょ。たしかにショーにべったりだけど」

「私は有夢と数日間エッチできないだけでウズウズしてくるけどね」

「あはは、うん」



 だから地球から戻ってきた1回目はいつもあんなに……。やっと謎が解けたぞ。しかし子供ができる前までに回数って減らしていったほうがいいよね? ……ミカは そのつもりは毛頭ないらしいから難しいかも。

 なんて、今はそんな事情より大切なことをまずはしなきゃ。



「お話の途中、よろしいですか?」

「あ、アリムさん、貴女にも感謝してもしきれません」

「いいんですよ、ボクも好きでやっているので。えーっと……これ、読んでおいてください」



 俺は二冊の同じ本を二人に渡した。

 


「……これは?」

「アナズムの12……いえ、念のために13年前から現在までの大きな出来事と一般常識をまとめたものです。それと同時に、ボク達が何者なのかなど、一緒に暮らしていく上で大切なことも書かれています」

「わふ、ありがとね、読んでおくわ」

「あ、でもその厚さ読み切るのとっても大変だと思うので、お部屋のベッドライト下収納に入っている速読眼鏡をかけて呼んでください」

「わかった、何から何までありがとう」



 フエン一家は自分たちの部屋に戻っていった。……と思ったらリルちゃんだけ戻ってきて、ショーに抱きついて口にキスをし、また去って行く。

 12年ぶりで家族3人で過ごせる時間、たっぷり楽しんでよね。



「……なあ翔」

「なんだ? 親父」

「まあ、リルちゃんはお前が助けた続けた結果だからな。何度も言っているが、責任を持って一生大事にしてやれよ」

「わかってるって」

「……ふふ」



______

___

_



「わふぇ、みんな聞いてよ、パパとママと一緒に寝れたんだ!」

 


 翌日、いつものちょっとした屋敷内での集まりでリルちゃんは心底嬉しそうに言った。

 翔の両親がニコニコしながら受け答える。



「よかったわね、リルちゃん」

「うん! マ…マ、パ…パ……」

「本当の両親がいるんだ、別の呼び方……お母さんとお父さんとかと呼べばいい」

「うん、お父さん!」



 なんか呼び方が決まったようだ。リルちゃんにとって自分の本当の両親を呼ぶときはパパ・ママ呼びなんだね。

 


「あ、ショー!」

「おお、リルおは……」

「ショー!」



 リルちゃんはショーを見つけた途端に抱きつき、キスをした。



「おいおい、その分、自分の親としたらどうだ?」

「恋人と親とキスするのは全然違うよ。まあ、歳が五つしか違わなくなっちゃったから、お父さんは照れてたけど」

「ははは、そうかそうか」

「こ、こらリル……」

「わふぇ、みんなおはよう!」



 お、リルちゃんの両親も眠たそうな目をこすりながらこの部屋に来たね。じゃあ話し合いを始めようか。


 


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