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第七百二十二話 メフィラド国案内

「はい、お屋敷到着」



 カナタの瞬間移動でお屋敷に戻ってきた。

 次は(半ば俺のせいで)アナズム1の力を持つこの国の主要都市である、この街の案内だ。

 この国がどういうところかを、ざっと、お茶を飲んで一服しながら教えてあげる。



「なるほど、アナズムの中でもかなり治安がいい国なんだ」

「うん、王家がいい人達ばっかりだからね」

「お城もあるんでしょ? みてみたいなー!」

「すぐ見れるよ」



 休憩を終え、俺たち一行はすぐに外に出た。

 その前に、俺自身は有名人すぎて人だかりができてしまうから、特殊な方法で変装してるのだと言っておく。



「ふ、ふふふ。そ、そうなんだ」

「母さん、笑い話じゃないんだ。マジなんだよ」

「カナタまで……。そう、じゃあ私達はなにか変なことしないように気をつけなきゃダメなのね?」

「うん、協力お願いね。あと、家から出るだけでも相当注目されるから、それもごまかすように色々してあるの。違和感を感じてもほっておいてね」



 6人はちゃんと納得してくれた。

 ついに俺は屋敷の外へ親達を連れ出した。



「うっわー! すごい! ローマ、それともフランス? もしかしたらどっちもかもしれない。とにかく日本じゃないことだけは確かね!」

「すごいな……一目見てこの国が豊かであることがわかる。中世のような雰囲気もいい」

「あ、お城はそっちに見えるよ!」

「あ、はいはい、こっちね………ん?」



 街を見てはしゃいでいたお母さん達に、その反対側を任せた瞬間、言葉と動きが止まった。

 それも仕方ないね。

 なにせ、道は挟むけど隣家がお城なんだから。



「どうかしたの?」



 そう、意地悪に聞いてみる。



「いや……お城が目の前って……ん? さっきまで居た有夢君のお屋敷も相当豪華だね」

「うん、うちのお隣さんはこのメフィラド国のお城、メフィラド城ですよ!」

「この屋敷に隣が城って……有夢君はこの世界ではどんな地位なんだ?」

「んーっとね、相当ってだけ答えられますね。衣食住以外は全部自分たちでやるのなら、このメフィラド城城下町は活用しなきゃいけない。そうしてるうちにわかると思います」



 みーんな口をあんぐり開けてる。

 ふふふ、息子……いや、娘がこんなに出世してるんだよお母さん、お父さん。エッヘンってみんなに自慢していいよ!



「てことはさっきも言った通り、俺達は変なことはできないわけか…。親が息子の地位を脅かすわけにもいかなしね」

「うん、なるべくお願いね! まあ、周囲にこのボクの関係者であることを悟られなきゃいいから」

「わかった。善処するよ」



 それけらまた、俺は街の案内を再開した。

 ギルドや公園、武器屋さんなど様々なものを見せてあげる。特に武器屋やエンチャント屋さん、魔法具店など向こうの世界にはないものはじっくりと。


 事細かに見せた結果、全部見終わるのに夕方を少しすぎてしまった。



「ね、どうだった? 日本とは全然違うでしょ」

「うん。ステータスといいこの世界といい、有夢が戻ってきてからの妙な動きがなんとなく納得がいくわ」

「え? 変だった?」

「いや、料理の腕は普通に美味しい程度だったのに、プロの主婦をけちょんけちょんにするくらい上手に作ったりさ、なにかのデザインをし始めてたり」

「なるほどねん」



 でもやっぱりこっちの暮らしの行動が向こうに出てしまうのは仕方ないよね。うんうん。



「街を見るだけでも楽しめたな。有夢くん、ありがとう」

「どういたしまして! じゃあボクは今日の夕飯作りますね」



_____

___

_



 翌朝。

 6人を広場に集まらせた。

 そして、武器と金貨4枚を一人ずつに配布する。



「それじゃあ……それぞれ自由にどうぞ! 渡したトズマホで何かあったら連絡してね。でもこっちでも経過は見守るから安心してよ」

「なあ、お金が貯まったら、もしかしたら他の宿とかに泊まって帰れないってことも……」

「そういう時は連絡してね」

「わかった」



 それぞれ、実に冒険者らしい格好をしている。この街の冒険者の一般的な初期装備と言われる服装だ。俺はいきなり大金を手にできたからそんなもの着なかったけど。

 


「じゃあ、好きなところで冒険者登録をしたらスタートだよ! 夫婦で3組に分かれてパーティ組むもよし、6人で一つのパテーティにするのも良しだからね」

「実はみんなで話し合ってあるんだよ、有夢君。別行動にしようって」

「そうなんですか! じゃあそれで」



 6人でやったほうが経験値の入りとか良いんだけどな。でも夫婦だけでこの世界を攻略していきたいのもわかるし、俺は何も言わないよ。



「では、いってらっしゃい!」

「「「いってきます」」」



 お母さん、お父さん達6人はこの屋敷を出ていった。

 


「行った……ね?」

「うん」

「よぉし! それぞれどんな冒険を歩むか見てみよう!」

「個人的にお父さんに期待してる」

「わかる。お父さんならなんかしてくれそうだよね」



 俺たちはモニターを開いた。




 

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