表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
757/1307

第七百十八話 ショック

「はい、召し上がれ!」

「うわぁ…美味しそう!」

「ごちそうになるな、有夢君」



 夕飯の時間になり、食堂に親達を呼んだ。この時ついでにメッセージ機能の説明もしたの。

 あとステータスもしっかり隅から隅まできちんと読んでくれたみたいだ。

 ポイントってどう割り振ったらいいか訊かれたから、それはまた今度教えるからそのままにしておいてと答えてある。



「これはなんの肉?」

「ドラゴンの肉だよ」

「ど、ドラゴンの肉!? いや、有夢君が用意したんだから美味しいんでしょうけど…」

「うん、この世界はドラゴン肉が最高級なの。その中でも最上のものを出してるよ! この国の国王様にも何回も食べさせてるものなんだ」

「王様にねぇ…!」



 いただきますをし、それぞれ食べ始める。一口食べた途端絶句してくれるのはいつもの反応だね。嬉しい。



「な、なるほど…料理がこんなに上手なのもスキルのおかげなのかい? 肉も最高級だけある」

「さすがは王にも食べさせるという品だ。美味いだなんて一言じゃ表せないね」

「そんなに喜んでもらえた? えへへ、良かったよ。どう? 食べ終わったらこのドラゴンの遺体が丸っと残ってるから見せてあげる。もちろん、皆さんも」



 まあ、そのローズドラゴン何代目がわかんないけどね。アムリタさえあればいくらでもお肉なんて量産できるから。


  しばらくしてみんなデザートまでペロリと平らげてくれた。それから約束通りドラゴンの完全な姿を見せるために、俺たちは地下室へと移動する。



「じゃあ今から見せるよ。死体だから安心してね」



 俺はマジックバックからゴールディローズクイーンドラゴンを取り出し、念術て立たせた。

 いつみても特撮ドラマの怪獣みたいだ。

 これがあんな可愛い女の子になるなんて誰も思わないよね。



「うっわ……」

「作り物…じゃ、ないのよね?」

「ははっ……これは驚いた」



 いつもは冷静に分析するお父さんですら、口をあんぐりと開けてポカンとしてる。なんだか嬉しい。俺は特に何もしてないけどさ。



「こんなのがこの世界には存在してるの?」

「うん、こいつはこの世界でもとんでもなく強い部類のやつだけどね。魔物がたくさんいて、こんなのと戦っていかなくちゃいけない」

「美花も桜も…みんなこんなのを相手にしたのか?」

「うん、まあ」



 お父さん達の顔色が変わる。

 これから説教でもされちゃいそうな表情だ。



「なんでそんなこと……もし死んだら…!」

「実は、もうこの世界で一番強いのはボクだからなにも心配はないよ」

「違う、そんなことを言ってるんじゃない。子供に危ないことをして欲しくないのは当然だと言っているんだ。ゲーム感覚で命を落とすのだけはやめてほしい」



 むっ…そう言われちゃうと弱い。

 でもこっちにだって言い分はある。



「そりゃ、楽に勝てるようになってからは楽しかってけど、でも、そうしないと生きていけないし…この世界の収入源ってだいたい魔物だから」

「……そうか」



 なら仕方ない、と、お父さんは呟いたけど、納得はいってないみたい。

 うーん、これからしばらく魔物と戦ってもらうよだなんて言える空気じゃないなぁ…叶、助けてくれないかな?



「もう。あのね父さん、いや、父さん達」

「ん? なんだ」



 叶ったら優しい。俺の視線に気がついて説得を買って出てくれた。お兄ちゃんの自慢の弟だよ。



「にいちゃんのステータスを見てもらってわかると思うけど、この世界ではなにをいうよりもまずは力が全てなんだ。ゲームでいう、レベルが高い人がレベルを低い人を守なりながら敵を倒して飛躍的なレベル上げをするという行為は知ってるよね?」

「あ、うん、まあ」

「父さん達6人には、早くても明日からそれをしてもらう予定だったんだよ。無論、にいちゃんがこの世界で一番強いのは本当のことだから、レベルが高い人の役はにいちゃんがやるけど」



 みんな食い入るように聞いている。

 カナタすごいよカナタ。

 このまま説得できてしまいそうだ。



「我々がレベルを上げてなにになる?」

「この世界は魔物がいるというデメリットはあるけど、地球じゃできないことがたくさんある。午前中にしてもらった若返りとかね。つまり、地球での疲れをゆっくり取ってもらうためにアナズムに連れてきたんだ」


 

 とりあえず、おれはウンウンと頷くだけにするの。

 何か余計なこというと怖いからね。



「それとレベル上げる関係性は?」

「必要事項だよ。強ければ強いほど住みやすいから、快適に過ごしてもらうためにすることなの。この日のためににいちゃんは頑張って準備してきたんだ。協力にお願いできないかな?」



 6人は黙った。そしてすぐに一部では何かを考えるようにヒソヒソと話すように。

 しばらくしてお父さんと美花のおじさん、ショーの親父さんがそれぞれコクリと俺たちに向かって頷いたの。

 つまりこれはOKサイン。

 レベル上げに参加してくれるってことだね。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ