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第六百九十五話 あけおめ!

 あれから何やかんやあって全員集まった。

 欠員は今年は1組だけみたいだね。

 そんでもって年末当日。


 親戚の小ちゃくて可愛い子供の相手をしたりして過ごしていたらあっという間だった。

 俺と美花の間にもそのうち玉のように可愛い子供ができるよね。うんうん。



「また有夢のカレーが食べたいな」

「そう言うと思って、惣菜の半分近くとか年越しそばとかはあの子に作ってもらうつもりですからねぇ」

「おお、まじかばあちゃん!」



 はい、そう言うわけでみんなの胃袋をゲットしてしまった俺は、お料理をたくさん手伝うはめになったのさ。

 叶は自業自得だね、だなんて言ってくる。

 ぷくー、叶も手伝ってくれればいいのに。



「それにしても、こんな料理の腕、どこで身につけたんだい?」

「え…えーっと」

「い、色々とあったの、お母さん」

「ゲームばっかりだと思ってたのに、こんな特技あるなんてな!」



 お母さんがフォローになってないフォローを入れてくれる。ごめんね、苦労かけて。

 おにーさんは一言余計だよ。確かに半年前の俺はゲームばっかりだったかもだけどさ。



「どれ、唐揚げ一つ……すごいねぇ、こんな美味しい唐揚げ食べたことないよ。伊達巻も上手いもんだね」

「ありがとう、おばあちゃん」

「いつでも嫁にいけるんじゃないか?」

「あ、おにーさん。そう思う?」

「ぷくー!」



 今度はおにーさんと叶がダブルでいじめてきたよ…酷いや。2時間、女性陣+俺(女性に含まれてるらしいけど)でお節に入ってるようなお料理や唐揚げなどをたくさん作り上げた。

 こんだけ量あるのに今日中で全部無くなっちゃうんだから二十数人は伊達じゃない。



「それじゃあ、いただきまーす!」


 

 かなりの大きさのテレビで歌合戦を見ながらお料理を食べる。何か話をしたりしながらね。

 騒がしいけどやっぱりこういう雰囲気好き。

 ……ん、よく考えたら俺と美花、叶と桜ちゃんが結婚したら、曲木姉妹が参加することになるのか。

 もっと賑やかになるね。



「うんまー!」

「有夢ちゃん、プロじゃないの? お料理学校とか行ってる?」

「お料理学校程度じゃここまで本格的にできないだろー。謎だな…」

「え、えーっとこいつに才能があったと思ってくだされば…」



 お父さんのフォローが虚しく響く。

 ううう…みんなを喜ばせたかっただけなのに、なにか大変なことになったよ。


 例年どおりあっという間に平らげられたお料理。

 お料理を食べ終えてから1時間後、俺は蕎麦を作り始めた。蕎麦は茹るしかない。

 こだわるのはお汁。


 年が越してしまう10分前になんとか全員分作り終わり、テーブルに並べた。

 早速みんな食べ始める。

 


「うんまー!」

「そばの麺…ちがう、つゆ! 有夢君はつゆにこだわったのか…!」

「手間暇かかってるのがわかるよ」



 ステータスとスキルに頼りまくったのであまり手間暇かけてません。おかわりとかも求められるけどそんなの無い。そうこうしてるうちに歌合戦が終わり、除夜の鐘に画面が変わった。

 おじいちゃんとおばあちゃんがスタンバイする。

 ……電子カレンダーの日付が変わった。



「あけましておめでとうございます」

「「「「あけましておめでとうございます」」」」



 おじいちゃんが最初に言ってから、みんなで一斉にアケオメを言うの。こうして新年を迎える。

 ちなみにちっちゃい子はもう寝てたりするんだけど。



「お年玉タイーム」



 ……キタコレ、お年玉。

 親戚は本当に大人が多い。だから毎年とんでもない金額が貯まる。お父さん曰く、子供も多いからお正月にはだいぶお金が飛んでいくって去年いってたけど。

 


「ありがとうございます! あ、ありがとうございます!」

「ありがとー!」



 俺と叶の美少女兄弟は笑顔を振りまきながらお年玉を一枚一枚丁寧に受け取る。

 叶なんてもういっちょ前にお金持ってるんだから要らないだろうに、気持ちが大切だと言って丁寧に受け取ってくの。

 ……まあ俺は叶と違うから、素直に嬉しいんだけど。

 そろそろ株のやり方教えてもらわなきゃ。翔がやるって言ってたし俺もそろそろね。

 本当にデートが楽になるくらいは稼げるのかしらん。



「いやー、今年もなんやかんや楽しかったねぇ!」

「はい、とっても!」



 伯父さんとおにーさんがそう言ってくる。

 おにーさんの婚約者であるおねーさんとは仲良くなれただろうか。

 ファミリーに参加することになる人だし、来年も良くしてあげよう。


 

________

_____

__



「それじゃあまた近いうちにね!」



 1月2日、俺たちは自宅に帰る。

 まあいつも通りだね。

 そして明日は美花と初詣ってわけだ。浴衣とか着物とか着てくるかな? たのしみで仕方ない。

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