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第六百八十五話 クリスマスデート 2 (翔)

「お散歩だけでも楽しいね」

「ああ、そうだな」



 くそう、結局ただ散歩してるだけじゃねーか。

 町に着いてから早10分、入りたい場所が決まらない。

 リルはそれで^_^喜んでるけどよ。……いい加減に、しっかりとしたデートの計画を立てるようになりたい。



「……む、見てよアレ! なにか面白いものやってるよ!」

「お?」



 大きな公園の方を指差したリル。

 どうやらイベントがやってるみたいだ。



「行ってみるか?」

「うん!」



 俺とリルはそこまで近づいてみた。

 組み立てられた舞台の上にはテレビで見たことあるような芸能人数人とアナウンサーらしき男性が。



『いやぁ…まさか景品を一組目でほとんど総ナメされるだなんて思わなかったですね!』

『せやなぁ…あの二人は春休みあたりにでも、旅行に行くとちゃうか? 景品の残りはどうなんや?』

『まあ、あんなに景品を取ってくカップルは早々居ないので問題ありませんよ』



 どうやら企画が潰れてしまうような景品ハンターがいたようだ。前代未聞の出来事だったみたいで、かなり盛り上がっている。

 『可愛かっなぁ…』などの声も聞こえるし容姿も良かったみたいだ。

 ま、うちのリルや幼馴染達ほどじゃないだろーが。


 ……つーかこの企画、俺、去年か一昨年あたりにテレビで見た記憶があるぞ。……そーか、まさか一等をペアでクリアしちまうバケモンがいたのか。

 俺達もステータス使わなきゃ無理だろうし…すげーな。



「わふわふ…ショー、アリムちゃんとミカちゃんの匂いがするよ。……残り香かな。この場には居ないみたい」

「へえ、まあどうせ飽きてすぐに別の場所行ったんだろ」

「もしかしたら、さっきから盛り上がってるのって、ミカちゃん達が出たからかも……」

「んなわけねーだろ、これ全国放送だぜ? アナズムでは吹っ切れたみたいにアイドル活動してるが、地球のテレビは出たからないからな、あいつら」



 とは言ったものの、すでにいろんなところで出ちまってるんだが。イケザンあたりのパソコンに齧りついてるやつが、すでに全国でも有夢達が有名人みたいなことを、クラスメイトの男子に前、言っていた気がする。



「そっか、そうだね! 私たちもやるかい? アイテムやスキルを使えば私たちに振り向かせるなんて1発だよ!」

「いや、やめとこうぜ…めんどくさそうだ。それともハワイ旅行行きたいか?」

「うーん、私も大して興味はないからいいかな! 行こっ!」



 この場を離れ、俺とリルは再び歩き始める。

 お昼にはまだ早いしな…どこに行こうかな。



「リル、どこか行きたいとこ見つけたら教えてくれよー」

「ショーのお嫁さん」

「え、あ…いや、まあ…5年後…くらいな」

「ふふふ。話題からずれてることは置いとくよ。このまま散歩でも十分楽しいさ。もう一度ゲームセンター行きたい気持ちもあるけどね」

「じゃあ昼飯まで行くか!」

「うん!」



_______

____

__



 というわけで俺とリルは前に来たゲームセンターへ。

 なるほど、一人ぼっちでいる奴も居るが、カップルも中々居るな。



「今日はサプライズ系をやりまくるさ」

「金はあるのか? そんなに出せないぞ?」

「ひっそりと儲けてるから大丈夫だよ。だからお昼ご飯も奢るとか無理に…」

「いや、それは無理をしたい、させてくれよ」

「えへへ、ショーのそういう男らしいところも大好きさ」



 そう言って微笑むと、リルは三千円を百円玉30枚に変えて来た。…あれこそ天使の微笑みだろう。間違いない。



「……じゃあ見ててよ」

「おう、頑張れよ」



 クレーンゲームに100円入れて、リルはこのゲーセンがクリスマスのために用意したであろうお菓子の大袋に狙いを決め込んだ。

 ……そして1発で取れてしまった。



「さて、もう一個だね」



 その宣言通りにもう一個、たやすくとってしまう。



「相変わらずだな、リル」

「えへへ…」

「銅賞でーーーす!」

「わふっ!?」



 カランカランという鈴の音とともに、店員であろう男の大きな声が。ほぼ反射で俺とリルはそちらを振り向いた。

 どうやらくじ引きをやってるみたいだ。

 装置に入れて風で舞わせている。



「あれ、あれやりたいよ!」

「おお、じゃあやってみるか」



 一等はどうやら最新のゲーム機、ニマンテンドーフイッチだ。基本的には携帯型であるが付属のコントローラーで据え置き機として遊べる優れもの。

 一台欲しい。なんなら2台だな。


 俺はくじ引きを1回するための費用300円を払い、(リルは3枚買い900円だ)、列に並んだ。

 そして俺たちの出番が来た。



「……ショー、スキルの『透視』って、このために貰っていたのかもしれないね」

「え…ま、まさか」

「はい、これ、間違いなく金賞だよ」



 リルめ、スキルと素早さを併用して狙いのくじを引きやがった……! 

 リルが引いたものを店員さんが開く。

 その表情は驚愕のものに変わり、すぐさま鐘が鳴らされた。

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