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第七十二話 初のメフィラド城-1

 9時、俺はいま、城の門の前に立っている。ギルドカードを見せつつ、門番に話しける。

 彼はギルドカードを見て、俺と確認すると、中に案内してくれた。


 やがて一室に案内され、ここで待機するようにと言われたので、その通りにする。


 既に先客が居たようだ。ラハンドという人だ。

写実を見たときよりも、怖い。顔が。

 彼は俺に話しかけてきた。



「よぉ…お嬢ちゃん? ガバイナから聞いてるだろぅ? オレがぁ…ラハンドだぜぇ…よろしっくなっ」

「よろしくお願いします!」

「おぅ…おぅ…元気が…いいじゃねぇかぁっ…皆オレ様をみて初見はぁ…ビビるんだがぁぁぁ! アリムぅ…気に入ったゼェェェェェっ!」



 このひとそのうちロックンロールだとか言いださないよね? この世界にロックはないぜ?



「それにしてもぅ~、ガバイナの奴にぃぃ聞いたっ! 通りっ! だぜぇ…。中々にぃぃ好める魅力があるってナァァァァっ!」



 ガバイナさん、そんなこと言ってたの? 俺、魅力的? 魅力的?



「まぁ…仲良くぅ…していこうやぁ…」

「はい、よろしくです!」



 そんな感じで、ラハンドさんと親しくなり、お喋りをしていたところに、誰か入ってきた…。


 可愛らしいアリムと同い年位の女の子…いや、お姫様だな。直感でわかる。

 それに、金髪の美青年。その横には正装をした茶髪のおじ様が。

 その人達は、俺らに挨拶しはじめた。



「ラハンド様、アリム様、お越しいただきありがたく思います…僕はメフィラド王国第一王子の、テュール・メフィラドです。この娘は僕の妹の…」

「カルア・メフィラドと申します。是非とも今日は、食会をお楽しみくださいね」

「私はメフィラド国の大臣の、オラフル・ガリオン。お二人とも、くれぐれもテュール様や国王様に無礼のないよう、頼みますぞ」



 3人はあのお上品なお辞儀をした。王子達に、俺らも挨拶を返す。



「オレはラハンド・アッシュでさぁ…。お招きいた…いただき、ありがとうごぜぇます」

「ボクはアリム・ナリウェイです! 今日はよろしくお願いします!」



 大臣が満足気に俺らを見ている。いまのところ無礼はないようだ。姫様が口を開く。



「あぁ…アリム様…お兄様からお聞きしていたとうり、本当に可愛らしいですわ」

「お兄様…ですか?」

「えぇ、僕には弟……第二王子が居まして…あ、そろそろ来るかと思いますよ」


 

 この部屋の外から誰かが近づいてくる音がする。

 ノックの後、この部屋のドアが開かれた。

 そこに立っていたのは……









 立派な、いかにも王族のような格好をしたルインさんだった。






「え………ルインさ…ん?」

「はは…驚かせちゃった? アリムちゃん。僕はメフィナド王国の第二王子、ルイン・メフィナド。……17日ぶりかな?」




 ええ~嘘だろ、マジかよ。


 でも、確かにこんかに訳ありならば、あんなに忙しそうにしてたのも、俺を仲間に入れられなかったのも頷ける。

 こんな状況に、少し置いて行かれ気味のラハンドさんが小声で俺に聞いてくる。



「(な、なぁ、アリムよ。オレはイマイチ状況が飲み込めないんだが…? とりあえず、なんで第二王子様とアリムが知り合いなんだ?)」

「(ボクが記憶がないのはご存知ですか?)」

「(あぁ…ガバイナが話してたぜ……………)」

「(その記憶がないボクを森の中から救出して、王都まで連れてきてくれたのが、ルインさんなんです)」

「(なるほど、つまりはアリムの恩人ってわけか。……あれ? でもなんで……王子様が森の中に?)」

「(彼は、冒険者をしてるんです…4人でパーティを組んでました)」

「(ん……? ちょっと待てよ…? ルイン…ルイン…あ、あぁっ! まさか、セインフォースのリーダーのルイン…否、ルイン様か?)」

「(えぇ、そうですよ。でもなんで、セインフォースのこと知ってるんですか?)」

「(セインフォースは何回も武闘大会のDランクの部を優勝しているから有名なんだよ。はぁ…まさかセインフォースが王族出身の冒険者だったとはなぁ……)」

「(このことは、他人に話さない方が…)」

「(わかってるっての。ガバイナにすら話さねぇよ)」



 そんな感じで小声で囁きあっていたが、突然、大臣が俺にむかって頭を下げてきた。

 

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