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第六百五十一話 テスト本番

昨日、うっかり投稿を忘れてしまいました。

本日は2話投稿したので、先に前話からご覧下さい。

「うー、そわそわするでござるなぁ…」



 イケザン君が俺の近くに来てそう言った。

 この学校はテストになるとみんなそわそわしだす。……と言っても悪い点数とったからって赤点補修以外のデメリットがあるわけじゃない。あと進学と成績には響くかな?


 でもこう……一応、日本でトップレベルの幼稚園、小中高大一巻の進学校ってことになってるからね、テストの点数でピリピリするのは当たり前かもしれない。

 特に中等部以降からね。



「今回はしっかり勉強して来たから俺は大丈夫かなーっ」

「どうせ、あゆちゃんはみかちゃんとラブラブ勉強会をしたのでござろう? このクラスで3番以内にいつも入るでござるからな、姫は」

「うん、したよー。今までの中で一番一緒に勉強したかも」

「ラブラブ?」

「そうラブラブ」

「ぶひー! なんだか百合もの見てるみたいで興奮するでござ……あ、ごめん。ちょっと今のはキモすぎたね、ごめんね」



 途端に冷静になった彼は自分の席に戻って行った。たまに自分で言ったこと恥じるんだよね、それなら言わなきゃいいのにね! あと顔と言動のギャップがやばいのはいつものこと。



「おう、有夢」

「翔、お前も俺みたいにリルちゃんとみっちり勉強したか?」

「ああ。もちろんだ。……つーかよ」

「ん?」

「いや、たまに叶君の話についていくだけあって、リルの頭の良さ、はっきり言ってやべーわ」



 美花と話しているリルちゃんをチラチラ見ながら翔はそういうの。まあ頭がいいなんて地キュに連れて来てから分かりきったことだったしね。



「もし学年一位をとるなら間違いなくリルだな」

「む、俺たち6人全員が全教科満点をとろーね、って話でしょ? 4人とも学年一位じゃなきゃね!」

「確かにそう約束したが、それはまあ…一種の目標みたいなんもんだろ? ……実は一応、俺もリルと賭けをしてるんだが……お前らと同じ内容の」

「ほんと?」

「ああ」



 この二人も賭けをねぇ。

 翔がリルちゃんにさせようとしていること…気になるな。



「それで? 翔は何を頼むの?」

「実は決まっていない。もしテスト返却までに決まらなかったら……こう…」



 翔は俺にしか見えないように手を少し突き出し、空気を揉む。その動作だけで何がしたいかすぐわかるね。変態さんだね!



「へんたーい」

「べ、別にいいだろ!? 俺らの問題なんだからよ」

「とか言ってどうせいつも揉んでるくせに。リルちゃん、翔がお願いすればすぐ応じるだなんて一目瞭然だよ」

「だ、だけどよ…達成感がある上で揉むのは……」

「これ、女子に聞かれなくてよかったね」

「…まあ、お前とくらいしかこんな話できねーべ」

「えへへ」

「ふはは」


 

 俺だって美花に頼んてちょくちょく…いや、それよりも、だ。



「で、リルちゃんは何をお願いして来そうなの?」

「わかんね。どうせ筋肉触りたいとかだろ」

「へー、俺にも触らせてっ」

「勝ったらな」

「ちぇっ」



 腕の筋肉くらい触らせてくれてもいいじゃないか、ケチ。



「そろそろ席に戻るわ」

「んじゃね」


 

 翔は自分の割り振られた席へと戻っていった。テストの時は主席番号とかいうのに従って席を割り振られるからね。俺ら4人ともかなりバラバラなところに座るの。



「どう、もう少しで始まるけど」

「正直、自信に満ち満ちてるよ」

「やっぱり? 私もなんだよね」



 ホームルームが始まる5分前に美花は俺の元に再びやって来た。……そう、さっき翔と話していた通り、実はクラス内でいつも上から3番以内。なかなか大きい壁だ。

 


「もう始まるわね、じゃね! …帰ったらチューしてあげる」

「わざわざ宣言しなくてもするでしょうに」

「その方が頑張れない?」

「…ん、まあ確かにね」



 ちゅう、ね。

 べ、べつに今更キスのひとつでドキドキするわけじゃないけど…頑張ろーかなー。

 


「はーい、座ってー、出席とるぞー」



 担任が教室に入って来た。

 みんなの顔がきりりと引き締まる。……そう、テスト、テストなんだ。自信はあっても緊張はするよ。

 


「きょーから金曜までテストなのは、重々承知してると思う。いつも通り頑張って。このクラスは特に成績がいいから期待してるぞ」



 そう、このクラスは地味に成績がいい。平均的に、の話だけどね。学年一位と学年二位はクラスが違うけれど、三位、四位、五位が連続して揃ってるから。

 言わずもがな美花はつまり五位以内にいつも入ってるわけだけど。

 しかし、それが今日は覆る。

 下手したら一位が4人になるかもしれないんだ、このクラスは。その時一体先生はどういう顔をするんだろうか。



「……それじゃあ今から最初のテスト始まるまで各自自習ね」



 さて、自習の時間となった。

 およそ40分間のこの時間も有効に使っていい点数が取れるというもの。……まあ、俺は今まで無視し続けたけど。

 今回は本気の本気だからね、この時間もしっかり勉強しちゃうよ! えっへん!

 



 


 

 

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