第六百四十八話 ガチャ結果報告
「高級中華料理どうだった? ……アルヨ!」
「すげーうまかった。でもチャイナ服着なくていいし、語尾をアルヨに無理やりしなくてもいいぞ」
「ぷくー」
フカヒレとかさフォアグラとか、中華料理の高言って有名なものだとか飲茶とかのオーソドックスなものまでたくさん出してあげたの。
しかし、次は何にすべきなんだろ……全国進出が決まったでしょ? お祝いするなら全国レベルのものにしなきゃいけないわけだ。ステーキ…お寿司…中華……焼肉はゴリセンと終わった後に行くらしいからダメ…。うーん、何がいいかな。
「わふ、アリムちゃん、私もその服着てみたい!」
「リルちゃん着たいの? 同じデザインのやつ」
「うん!」
「でもかなり胸がはだけてるし、パンツも紐にしてさらに足もどーんと見えてて…」
「ショーの前でだけ着るからいいさ!」
「そっか。良かったねショー」
「……お、おう」
ちなみにアリムが着ても胸がまだそんなにないからそこまで扇情的でもないと思ってるよ! ここにいる男が巨乳好きとサクラちゃん一筋しかいないからわからないけど。
「えへへー、じゃあ私も部屋に戻ったら着てみよっかな」
「お、ほんと?」
「うん! 本来の私の姿で着てあげるっ」
「やった」
お部屋でたくさん甘えるタイプのイチャイチャをしたけどそれとこれとは別。楽しみだなぁ…へっへっへ。
「かにゃた、わた…わたし…」
「いや、無理しなくていいよ。恥ずかしいでしょあれ」
「うん…ちょっと露出が…」
「ん? サクラちゃんも着たいの? じゃあ露出抑えてるやつとかもあるよ」
「そ、それなら着る!」
お部屋に戻ったらそれぞれがチャイナ服着て何かするんだね、何するんだろうね。
「ところでにいちゃん」
「のんのん、今はお姉ちゃん」
「ね、ねーちゃん、ガチャの方はどうだった?」
「あ、報告するの忘れてた。言うね!」
カナタはやっとか、みたいな顔をする。
いやー、思ったより中華料理でワイワイするの楽しくて、つい、ね。
「じゃあこのトズマホの画面、壁に写すねー」
この食堂の白壁をスクリーンにして、トズマホのガチャ結果の記録を映し出した。
「手に入ったのはこれらだよ」
「……名前からしてもうやばいのがいくつかあるな」
「まーね、効果も予想の通りだよ。見ようね」
全ての追加された機能を映し出す。
口で説明しても良かったんだけどめんどくさくなっちゃったからスクリーンににたんだけどこれでいいかな?
4人は食い入るように新機能たちを見る。
さてさて、どう言う反応を見せてくれるかな?
「おいこれ、やばくねーか!?」
「わふ、こんなことあるんだね…」
「うん、ぶっちゃけやばいよ」
「あゆ兄、よくこんなの出せたね…」
「出したうち半分近くがミカが出したんだよ」
「えっへん!」
えっへんが可愛い。
案の定カナタはものすごく深く考察してるようで、さっきから顎を手で軽く抱えながら眉間にしわをよせて考え込んでいるの。
「しかしなぁ…悪用したら世界滅びるな」
「あははは、うん、滅びちゃうね。だから転生回数100回必要だなんてあると思うけど」
「恐ろしいもんだ」
「でもこれ、お父さんやお母さんをこっちに連れてこれるってことだもんね?」
「そーだよ、サクラちゃん」
「……よし、なるほど」
考察がもう終わったのか、カナタが顔を上げる。
「ん、考え終わった?」
「まあね。しかしすごいね、あゆにいもミカねぇも。よくこんなの出したよ。少し無理強いしたかなーって思ってたんだけど、言った仕事をこなしてくれてありがとう」
「いやいや」
どう考えても常日頃、カナタの方が頑張ってるからね! 頼まれたならお兄ちゃん(今はお姉ちゃん)、頑張っちゃうよ!
「まあ、これでもし仮にシヴァが裏切るっていうか…攻撃をしてきて、地球が酷い目にあってももとに戻すことができるようになったね」
「ははは…まあ、まずそうならないようにするのが先だけど」
「うん。……はぁ…これでもう心配することはしばらくはないかなー。明日は久々によく眠れそうだ」
カナタの言う通り重荷が一気になくなったのは確かだね。仮にシヴァがサマイエイルみたいな絶対死効果とか持っていても俺なら対処できる。
「親父たち呼んできてもいいんだよな?」
「うん。今はテストとかで忙しいから、冬休み入ってから連れてこようと思ってるよ」
「この世界で休んだら、向こうでも心と体がリフレッシュしてることになるからね……普段忙しいパパをこっちに呼んでゆーっくり休んでもらうさ」
「親父はどうだろうな……仕事バリバリ人間だからな、案外そわそわしてるだけかもしれねーぜ? 休むことに慣れてねーと思う」
「わふ、そうなのかい」
これこそ夢が広がるというもの。
俺もお父さんとお母さんを呼んで立派なお城とか見せてあげたいしね。
「てことは、にいちゃんは母さん達に女装どころか性転換したことをカミングアウトしなきゃいけないのか」
「はっ……!」




