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第六百四十話 お家でゴロゴロ

 あっという間に日曜日となってしまった。あれから全くシヴァからの連絡はない。

 この日曜日は俺と美花以外の4人は用事がある。

 翔とリルちゃんは地方大会だ。

 叶の桜ちゃんは遊園地でデート。


 そんでもって俺と美花は今、俺の部屋にいるわけだけど何にもすることがなくて困ってる。そりゃ二学期末テストがあと5日間で始まるからうちの学校の普通の生徒は必死に勉強してることでしょう。

 でも俺と美花は焦って勉強する必要がない。アナズムがあるからね。

 ちなみにテストが始まる日にちは高等部も中等部も同じだから、その前日はアナズムにみんなで篭って勉強しようかなんて話になってたりする。



「んー、暇だなぁ」

「暇ね。私たちもどこかデートいけばよかったかな?」

「うーん」


 

 早めに場所を決めて何処か行けばよかったと少し後悔してる。もう俺にそんな気力はない。

 美花も今週はデートに関して積極的じゃないし。



「うぅ…それにしてもおととい雪が降ってからいきなりすごく寒くなったよね」

「一応暖房つけてるんだよね、ここも。冬に慣れるまでしばらく寒いよ」

「私の場合寒さに弱いのもあるかも。じゃああったかくなるね! ぎゅっ」



 美花が抱きついてきた。ちょっとブカブカした服を着てるけど強く抱きつかれたら身体の形はわかる。

 うん、とても暖かい。

 初雪は今年はかなり遅めらしく、ホワイトクリスマスはちょっと期待できないなんてニュースで言ってた。

 まあクリスマスはホワイトじゃなくてもいいんだけどね。



「あったかいね」

「うん。有夢は体温高いから私はとってもあったかい」

「そっか」



 そう言えば昔、誰かに俺が女の(そのまんま)ぽく、童顔だから体温高いんじゃないかって言われたことがあるけれど、童顔だからあったかいってどういうことかしらん…子供だって言いたいのかな。ぷくー。



「んクリスマスどうしようか。この際だし決めちゃおうよ」

「うん。でもどこか特別に行くとかそんな必要ない気がするな。街中に出てイルミネーションを見て回ったりするのがいいのかも」

「いいね! ニュースとかで話題のスポットとか調べて…」

「そうそう」



 クリスマス、イルミネーションと人混みの街の中を彼女と手を繋いで練り歩くデート…なかなかオシャレかも。



「えへへ、去年も街を一緒に歩いたよね」

「歩いたね。まだ付き合ってなかったけど…二人で」

「なんというか…あの時、甘酸っぱかったのよ? こんなにロマンチックな場所で大好きな人と一緒にいるのに告白に切り出せなくて」

「あの時告白してたらまたなにか変わったのかな?」

「そうかも」



 そうだ、去年も告白するタイミングなんて溢れてたのに。俺も美花も関係がこじれるのが嫌だからしなかったんだ。自分達のことながらなかなか甘酸っぱいと思うの。



「でもとっても幸せ。こうして有夢と一緒に居られる……ちょっと仕組まれたくさいけど、とりあえず奇跡って言ってもいいもんね」

「そうだね。きっと俺たちの赤い糸は神社のしめ縄くらい太かったんだね」

「そうね」



 あ、美花が微妙な顔してる。

 しめ縄はさすがになかったか……でもあれくらい太いと思うんだけどな。

 今のをごまかすためにお話をずらそうね。



「ところでアナズムではもう12月は過ぎてるわけだけど」

「今は15月だっけ? 時が経つのって早いよね」

「……間にお祭りとかあったっけ?」

「記念日とかあって、街が少し彩られたりした程度かな。お祭りはなかった。あ、でも16月の25日にクリスマスに近いのがあるんじゃなかったっけ」

「……何か仕事が依頼されそうだね、イベントの盛り上げ役とかさ」

「……うん」



 それもどうせ国王様から依頼されるんだい。

 もうそんな気しかしない。



「あっ、そうだ有夢!」

「どうしたの美花」

「光夫さんのサーカス団、もう来週末で居なくなるよ! しかもその後1月の半ばまで公演どにもしないって」

「あー、そう言えばそうかも」



 色々と報告しておきたいこととかあるんだけどな。

 もう行かれちゃうのか…別れってのも早いね。



「どうする? 今から行く?」

「いや…今日はいいかな」

「じゃあいつ行くの?」

「へっへっへ、有夢さん、何か忘れてませんかね? テスト期間ですよ? テスト期間は午前中で帰れるじゃないですかぁ」

「あー! そうだったね」



 テスト期間に無料でサーカス行くなんて、なんて不良児なんでしょう! ま、どっちみち俺はほとんどいつも勉強してなかったから一緒なんだけど。



「じゃ、そうしようか」

「うん!」

「それで、肝心の今日は何する?」



 そう、それを決めてなかった。

 今日は何をするかの議題を挙げなかったのが悪いのかもしれないけれど。



「よく考えて有夢。妹達はデート中。私の両親も有夢の両親もそれぞれで休日を楽しんでるわ。今、私の家も合わせて、この家にいるのは…私と有夢だけだよ?」



 美花の目つきが妖艶な感じがする。

 唐突に色っぽい雰囲気を出してきた。こういう切り替えが早い。



「まってね……どこだったかな、アレ」

「なくても……私は……」

「それは流石にダメだよ。赤ちゃんは結婚してからね。……っと、あったあった」



 さて、と。

 

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