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第六百十五話 柔道の県大会

 あれから4日間、頭の片隅に追いやりながらもそれなりにあの黒フードの正体について考えたけれど、やっぱりさっぱりまったくわからないから、手掛かりが見つかるまで俺は諦めた。

 そんなことより今日は翔の柔道の県大会の日、団体戦。

 これを優勝したら今度は地方大会にでて、地方大会でも優勝したら全国なんだって!


 全国は行っただけですごいからね。

 でも翔なら勇者できるって信じてるの!



「わふん、みんな応援に来てくれたね!」

「おお、リルちゃん!」



 リルちゃんが柔道着着てる。

 ほう…これはなかなか。中着が薄いから胸の大きさがわかる。部員のみんなはちょっと大変なことになってるに違いない。それとももう慣れたかな?

 でもリルちゃんを好き勝手にできるのは翔という細マッチョ筋肉ダルマの特権だからね。

 羨ましいだろうね。俺には美花がいるからいいけど。



「ゴリセンにかけあったらね、特別に間近の席で四人とも見ていいって! 案内するよ」

「ありがと!」



 俺たち4人はリルちゃんに連れられ、柔道部員や親族の人達専用の応援席へと通された。

 なかなかに特別な気分。



「ゴリセン! 応援連れてきました!」

「ああ、成上と曲木と、その兄弟か。こっちきて、ここに座りな」



 ゴリセンに手招きされた場所に俺たちは座る。

 


「改めてこうしてみると、翔がなんでハーレム大魔王だなんて呼ばれてるかすぐわかるな」

「えへへ、そうですか?」

「ああ、フエンさん含め五人の女子に囲まれて……」

「お、俺は男です!」



 ここでいつもの流れ。

 翔の次に列記とした男の叶がゴリセンに抗議したの。そういえば叶は再来年からお世話になるね、柔道の授業だけだけど。



「ん? 男?」

「男です、俺はこの成上有夢のお・と・う・とです!」

「はぇ…二人とも男とは、奇跡の兄弟だな」

「あはは、よく言われます」



 本当によく言われるからね、仕方ないね。

 今度はゴリセンは桜ちゃんに注目した。



「おり? この娘はどこかで…」

「あ、妹はテレビで特番されたので、多分、それかと」

「あ、ああ! 目の見えない女の子とそれに着きそう歴史的天才の幼馴染の……! 目が見えるようになってよかったな、本当にうっうう…本当によかったなぁ…」

「き、恐縮です」



 へー、ゴリセンでもああいうテレビって見るんだ。以外。



「てことは、成上の弟があの天才少年か!? はー、世間て狭いものだな」

「一応テロップで苗字まで出てたと思うんですけど…」

「そんなのは知らん」



 そこまではきちんと見てなかったか。

 うん、予想通りだ。



「……そういえば二人とも今は中学2年生か。うちの学校の中等部か?」

「はい、そうですね」

「……成上弟君。それならばぜひ柔道部に…」

「あ、ごめんなさい。忙しいので多分無理です」

「そ、そっか」



 ゴリセンが凹んでしまった。なんか見てて面白い。

 


「そ、それはさておきそろそろリル以外の部員も着く頃だろう。翔だけでなく、他の部員も応援してくれないか? 成上と曲木ならすこーし応援するだけであいつらの士気がめちゃくちゃ上がりそうだが」

「むん、声をあげて応援しますよ!」

「私も!」



 なんなら、地区大会は翔と副部長の剛田君の出る幕が無かったっていうから、今回もそう成る可能性がある。

 いや……でもさすがに県大会でそんな活躍は無理か。

 


「お、あいつら来やがったな」



 ゴリセンが後ろを向いた。

 そこから入ってくるのはうちの学校の柔道部の部員達。翔を先頭にして、出場する五人が先陣を切っているようだ。



「ゴリセン、準備万端っす。いつでもやれる」

「おお、翔。応援がきてるぞ」

「ちゃんときてくれたか。ありがとな、みんな」

「まあまあ、約束だからねん!」



 翔の表情がいつになくキリリとしてて、やはりこうして見るととんでもなくイケメンだ。俺が女の子だったら惚れてた。

 実際リルちゃんはそんな翔の顔を食い入るように見ている。

 それに気がついた翔は優しく笑いながらリルちゃんの頭を優しく撫でたの。



「ゴリセン、部長の応援すか?」

「ああ、お前らも知ってるだろう。そこの四人だ」



 部員たちは俺らのことを注目した。

 そして、目を輝かせる。



「うおおおお、まじかよ!? まじで!?」

「ありちゃんと美花さん! あいえええ!」

「え、俺ら応援!? 応援俺らマジスカ!?」



 こうなるのだ。

 大体の男子は俺と美花を見るだけでこうなるのだ。

 最近はそれにリルちゃんも加わってきたし、叶曰く桜ちゃんも眼鏡を外してから中学でこんな扱いらしいし。

 俺たちってとことん、アイドル性抜群だよね。



「おえ、あああ!? あのドキュメンタリーの二人も!?」

「そういえばアリミカと苗字同じじゃん! 通して気がつかなかったんだ!」

「目が、目が見えてよかったねええええ!」



 なるほど、たしかに桜ちゃんもですわ。

 


「こんな素晴らしいゲストに加え、いつも通りフエンさんまで見ているんだ。まさか、ヘマなんてしねーよな?」

「「「……するわけないっすよ!」」」



 ゴリセンは士気を上げるのが上手いなぁ。

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