表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
631/1307

昔話 織姫(リル)と彦星(翔)

 昔々、天の川のそばには一人の神様が住んでおりました(その役は今回は翔の父親がする事に)。

 その神様には一人の息子が居りました。その息子の仇名は彦星(翔)と言いました。


 彼は学業・成績優秀、スポーツ万能どころか人間を超越してるのではないかと言われ、顔も非常によく、自然と可愛らしい女性が周りに集まり、側から見たらモテモテになるという完璧なスペックを持っていました。


 彼には4人の絶世の美女と言える幼馴染が居ましたが、その幼馴染ら同士で相思相愛だったので手の出しようがありません。そのうえ、うち2人は男でした。

 

 翔はそんなことは気にせず、その4人と仲良くやりながら筋トレと武術の鍛錬、そして宇宙警備隊のキャリア組に入る為のべんきょうをしておりました。

 それに見兼ねた神は彼にこう言います。



「おい翔。お前もそろそろいい歳なんだから、彼女の一人か二人くらい作らないのか?」

「んー、今はいいわ。就職できてからで……」

「それも選択肢の一つだが、俺と母さんが会ったのもお前ぐらいの歳の時だ。宇宙警備隊に入ってからは出会いがないぞ?」

「そうなのか親父。どうしようかな……」

「ま、だからと言って焦ることはない。今から大学卒業するまでの数年間の間に見つければいい」

「だよな」



 そんな父と子が休みの日に二人で街中を歩いていた時のことです。



「わふ…マッチ……マッチは要りませんか?」



 真夏であるのに赤い頭巾をかぶり、長袖長ズボンという奇怪な暑苦しい格好をした翔と同い年くらいの少女が、カゴにたくさん詰まったマッチを売り歩いていました。しかし、マッチは山盛りに残っており全く売れてません。



「……こんなクソ暑い日にあんな格好で……マッチなんて売れるか?」

「きっと極度の冷え性なんだろう。あとマッチが売れ残ったんだな」

「そんなもんか……。しかしあの娘、どっかで見たことが……」



 そう、二人が話していた時です。



「マッチ……ョ……わふ……」



 パタリ、と少女が倒れてしまいました。



「ほら、あんな格好してるから!」

「何か理由があるのかもしれん」



 二人は急いでその少女の元に駆け寄ります。

 


「発汗が止まっていおり、激しい動悸、そして元々白いと見られる肌がピンク色になっている。重度の熱中症だ。……翔」

「おう」



 神は病院に電話し始め、翔は近くの日陰の椅子に抱き上げて運び、フードを脱がしました。



「……んだ、これ」

「はい、少女が重度の熱中症で……む、翔どうした?」

「いや……すごい傷跡が…」

「なに!?」



_____

___

_



 その後の出来事は迅速でした。

 病院へと運ばれた少女の全身からひどい生傷や古傷が多数見つかり、こんな真夏にマッチを売り歩かされていたのもそう命令され、それをこなせなければまた罰を食らうからだと宇宙警備隊の偉い人であった神は突き止めました。

 そして、その少女を引き取っていた血の繋がりがない夫婦を様々な罪状で逮捕しました。



「……君、名前は?」

「私は…私は織姫リルっていいます。その…あの…助けてくれて…ありがとう」

「いや、それは当たり前のことをしただけだ」



 少女が熱中症で倒れ、目を覚ましてから3日後、初めて翔とリルと言う名の少女は顔を合わせました。

 その前に、神とリルは出会い、神が行動したことを教えてもらっています。

 


「……あ、あの」

「なんだ?」

「わ、私…….前も貴方に助けてもらったような気がするよ。去年…」

「あ、ああ、やっぱりあの時の! 橋から落ちそうになってた娘か」

「そう、そうだよ! ……その、何回も助けていただき本当にありがとうございます」

「いいんだよ」



 二人が話し合っている最中に、神は部屋に入ってきた。



「……リルさん」

「あっ…あの家から私を解放してくれたんですよね…。ありがとうございます、ありがたいんですけど…これから私、どうしよう……」

「うちに来るか?」

「わふ!?」

「親父!?」


 

 親の唐突の提案に二人は驚きます。



「どうせうちは一人っ子なんだ。もう一人増えたところで、な? それに……」



 神は翔とリルに目をやります。

 神の目にはすでになんらかの間柄が見えているようです。



「二人とも知り合いなんだろ?」

「は、はい。まあ?」

「と、とりあえずそうなるか」

「それにな……」



 リルに神は近づき、なにかを囁きました。

 リルは心底驚きます。



「わ、私なんかが…!? 傷だらけだし…っ!」

「こいつはそんなこと気にするようなやつじゃない。なあ、翔。傷だらけだとか気にしないくらい可愛いんじゃないか?」

「え、ああ、めっちゃ可愛いって…親父なに言わせんだよ!」

「わふぅ!?」



 数年後、神の思惑通り、二人は付き合い結婚することとなります。その記念日を7月7日とし、祝い続けることにしましたとさ。


 


#######


1年経ちました。

 ……あれ、途中から別の話、それも日本のものじゃなかった気がするんですが……きっと気のせいですね!

7月7日は七夕です。

北海道では8月7日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ