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第五百九十一話 導者の金剛杵 インドラ

「というわけで今日は依頼されたものをつくるよ!」



 今週ぶんのお仕事が一段落したから、早速、依頼されたものを作ってみる。

 こう考えてみると、過去の分権のものを参考にしながら再現するのって大事なお仕事だよね。



「素材とかはわかるの?」

「いや、幻石とかオリハルコンとかを使ってるっていうのはわかるけど、それ以外はさっぱりだよ。柄とオリハルコンさえ用意すればよかった勇者の剣とは違ってね。だからまずはダークマターから作るの」

「そうなの…頑張ってね!」

「うん」



 俺は鍛治をする為のマジックルームに籠る。

 前に来た時は、みんなの武器を神具級にしたときだね。

 早速ダークマターで金剛杵を作り、鑑定してみた。


 どうやら雷系の魔法に特化した代物のようだ。でも雷の魔法をうつだなんて、ショーの知り合いのトールさんか、俺かぐらいしかいないよね。

 ……ん? 俺に向いてる…?

 なんか嫌な予感がしたけど、きっと気のせいだろう。

 そうだ、そうに違いない。

 雷魔法に強い魔法の媒体になる武器、という点以外はグングニルや勇者の剣となんら変わりないみたいだね。


 しかしこの武器、名前が『インドラ』というらしい。

 勇者の剣は無名だし、賢者の槍は『グングニル』…ちゃんとした武器の名前。……で、『インドラ』って武器の名前じゃないような気がするけど……。まあ、そう書いてあるんだから仕方ないよね。


 あと前々から思ってたけど、なんでこんな簡単にダークマターで勇者の剣とかを作れるんだろうか。伝説上のものを簡単に作れるっておかしくない?

 ……まあ気にしたって仕方ないよ。地球でまだ映画化するっていう予定も立っていない漫画の、映画化したもののディスクを出せるんだしさ。

 


「さて…と」



 きちんと依頼されたからには、こんな100%スキルしか使ってないようなものではなく、きちんと手作りしなきゃね。

 俺はポーチの在庫の中から該当する素材を取り出す。

 そして1からつくってあげるのだ。

 

 ……あー、そういえば俺、武器を作るたびに銘柄とか入れてないや。

 いままでギルマーズさんとかパラスナさん、そのほか、ギルマーズさんあたりからの紹介でやってきたSランクからSSランクの冒険者さんに伝説級の武器作ってあげたけど。

 こういうのってブランド銘入れるべきなのかな? 

 だとしてももう遅いよね。

 てなわけで、これも俺が作ったって印は入れなくて良いね。



_____

___

_



 ふぅ、できた。

 ダークマターで作った見本通りに綺麗にできたよ。

 えっへん! …じゃあ届けに行こうかね。



「ミカー、俺ちょっと行ってくる」

「え? 今度は私を連れてってくれないの?」

「連れてってもいいけど、すぐ帰るつもりだよ?」

「いいの! もしものこと考えて連れてって!」

「んー、わかったよー」



 というわけで、俺とミカはまた叶に頼んでブフーラ王国へと連れてってもらったんだ。

 ちなみに、叶は今度は医学の勉強をしてたらしい。

 この前は金融、さらにその前は法律覚えてた。帝王学とか心理学とかも学ぶつもりなんだっけ。

 ……将来は何になるのやら。


 それに付き合ってる桜ちゃんもすごいことになってた。

 『……叶が私以外の女の人の裸の絵をみてる。確かに医学の勉強するには仕方ないかもしれないけど』ってむんずけてて……『じゃあ桜が色々してあげればいいじゃない?』ってミカにつっこまれると顔を真っ赤にして涙目で拒否するの。うん、とっても面白かったよ。



「よし、再参!」

「今度も路地裏だね。さっさといこ」



 前みたいに絡まれても不快になるだけだから、俺とミカは路地裏をさっさと出てお城まで向かった。

 お城に着けば冒険者カードを見せる。

 冒険者カードを見せれば喜ばれながら門を開けてくれた。



「おお、アリムちゃん! 来てくれたということは、金剛杵ができたということか?」

「はい! これです」



 布に包んでおいた金剛杵をラーマ国王に手渡しする。



「これが……この国の……」



 ラーマ国王ぐらいの人だったら、俺の手が触れたら顔がにやけたりしそうなものだけど、そんなことは全くない。

 思いっきり金剛杵に気持ちを取られてるのかな。



「素晴らしい。ありがとうアリムちゃん。……アリムちゃんのことだからしっかりと作ってくれているのはわかるが、念のために鑑定に回してもらおう」



 そう言うとラーマ国王はハヌマーンさんを呼びつけ、丁寧にそれをもたせた。ハヌマーンさんもそれをしっかりと受け取って一礼してからこの部屋を出て行く。



「いやぁ、アリムちゃん、アリムちゃんのくれたアイテムのおかげで研究がこのたった数日間でだいぶ進んだ」

「そうですか!」

「ああ、曾祖父が何者に導者の権限を渡したのかもわかった。聞きたい?」



 ここまで協力したから、確かにちょっと気になるかもしれない。



「教えてくれますか?」

「よし、任された。では教えよう。……付いてこい」


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