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第五百八十九話 文献より

昨日は投稿をし忘れ、申し訳ありませんでした。

前話を読んでいない方は是非お読みください。

####



「そもそもなんで治安が悪いんです?」

「その原因はわかっている。やはりカースト制のせいだ」



 確かにそうかもしれない。カースト制度に嫌気がさしてそっちの道に進んじゃった人とか、下位の方でお金がないから仕方なく…という人も沢山いるだろうね。



「やっぱりそれをどうにかしなきゃいけないんですね」

「……うむ。これは余の代で必ずどうにかしなければならない事だ。国民が迷惑をかけたが…こればっかりは余がどうにかしなければならない」



 ラーマ国王はそう、かたく言った。

 冒険者としてもSSSランカーで、さらにマスターのスキルを所持してるほどの実力者だというのに、また、これ以上のことをやろうとしてる。

 ドルオタだけどすごい人だ。そこは尊敬しちゃう。

 とすれば俺が変なことするわけにもいかない。

 ラーマ国王が自分でどうにかすると言うのだったら、俺がそれを邪魔するわけにはいかないよね。



「そうですね、えっと…頑張ってください!」


 

 こう言う時優秀な我が弟なら何かいいこと言えたんだろうけれど、いかんせん俺はそんなことできないから、頑張れとしか言えないね。



「ふふん、アリムちゃんに頑張れと言われたら頑張るしかないさ。まあ見てなさい、余もかのSSSランクの英雄のように、この国から差別をなくしてやろう」



 満足そうにそう言った。うん、かっこいいと思う。

 ……じゃあそろそろ、俺たちは帰ろうかな。



「用事も済みましたし、今日はボク達帰りますね」

「また明日も仕事があるのか?」

「ええ」



 明日は雑誌の取材だ。

 


「大変だな。他のどのSSSランカーより急がしいと思うぞ?」

「いえ、そんなことありませんよ。ボク達はここのところずっと冒険者としてのお仕事はしてませんし」

「なるほど、そうか、写実に写される方が今は本業に変わってしまってるか。ともすれば普通に忙しいのだな」

「ええ、だからボク達がちゃんと動くとしたら野生のSSSランクの魔物が現れたら…くらいじゃいですかね」

「それも選択だな」



 うん…はっきり言って冒険者じゃなくて物作り屋さん兼アイドルだからね。

 じゃあ、もうそろそろお暇して…。



「お、お、お、驚きのことがわっかりましたぁ!」

「おぅ、なんだ!?」



 さっき居なくなったばかりの研究者さんが興奮気味にこの部屋に戻ってきた。この速さ…そっか、1000倍の速読で本を読んだんだね。



「魔神を封印するための武器ですよ! ほら、メフィラド王国なら勇者の剣、エグドラシル神樹国の賢者の槍『エクスカリバー』のように、我々の国にも対魔神ようの武器があったんです!」

「な……それは本当か!?」



 え、逆になかったの?

 それは知らなかった。



「無かったこと知らなかったです…」

「ああ、そうなのだ。対魔神の武器は魔神が滅びたと同時に消滅したという。それもかなり昔の話だからな、いや、正確に言えばあったことは知って居たんだが_____」

「それがどんなものかは知らなかった、というわけなのです! それがアリムちゃんのおかげでわかりましたよぉ」



 それは良かった。

 やっぱり魔神が先に倒されてるっていうのは色々あるね。スルトルが完全に封印される際に、もう封印からでられないと言っていたけど、もしそれがほんとならこの世界の…1000年後くらいには全て忘れ去られてるのかな。

 いや1000年はさすがにないか。本も沢山残ってるし。


 …だとしたらこの国に魔神を封印する武器に関する書籍がそれほど残って無かったのは気になるけど…ま、そんなこと俺が気にしても仕方ないよね! 

 もし何かあったらぶっ飛ばすだけだしね、ふふふ。



「で、もんなものなのだ?」

「金剛杵ですね」

「金剛杵?」

「ええ、えーっと、今資料をお見せしますね」



 研究者さんに見せてもらったものは、よくわからない…そうね、例えるならダンベルをものすごくかっこよくした感じのものかな。



「これはいわば杖のようなものなのだそうです」

「杖? これがか? 確かに楽器などを魔法の媒体にする者は多数存在するが…」

「まあそれもその一環なのでしょう」



 SSSランカーのヘイムダルさんや、ラハンドさんのところのゴッグさんのような感じだね。

 まあ、剣、槍…ときたら弓か杖だと思ってたけど、まさかこんなものだとは。意外。



「…そうだ、あの勇者の剣はアリムちゃんが作ったのだろう!? アリムちゃんは再現できるのではないか?」

「できますけど……どうしますか?」

「魔神はやはり怖いのだ。…念には念を。金はいくらでも払うから、どうか作成してくれないか!? ……期限はない。いつでもいい」



 なんか妙なことになったぞ。

 俺がその金剛杵とやらを作らなきゃいけなくなったみたいだ。



「えっと…少なくとも1週間後くらいにはなりますけど、よろしいですか?」

「ああ、一向に構わん」



 ほんとに作るのか。

 ……まあ直々に頼まれたものだし真剣に作るけどさ、武器を作ったからって、魔神、復活したりしないよね?



 

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