表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
614/1307

第五百八十四話 またまた呼び出し

「………」

「………」



 俺とミカは見つめあったまま無言になる。

 またか……またかぁ。

 もうこの人何回目だろうか。なんなの?  狙ってやってるの? エスパーなの? スナイパーなの? それともどこかに監視カメラあるの?



【おい? アリムちゃんとミカちゃん】

【…すいません、今立て込んでるんですけど…】

【む、怒っているな。相当大事な用事の最中だったか、すまない】

【……えっと、また明日、掛け直してもらえますか?】

【カケナオス……とはなんだ? まあいい。そうしよう。急ぐ用でもないからな】



 素直に切ってくれた。これが叶が悪い意味でお世話なった王様ならば強制的に呼ばれてたんだろうな。話を聞いてる限りではそんな気がする。

 メフィラド国王とラーマ国王がいい人で良かった。

 ただ、まーーったく空気読めないけど。

 ぷくーっ。



「あゆむぅ、ほっぺ膨らんでるよ?」

「…はっ。いつの間に!?」

「興を削がれちゃった? また今度にする?」



 また今度…か。

 いやそういうわけにはいかない。もう無理だ。



「いや、続けようか」

「そうこなくっちゃ! 好きっ」



 ミカが抱きついてくる。

 お互いに何も着てないから胸の大きさが…。

 とりあえず、また、キスから始めることにした。



__________

_____

__




【それで、昨日の要件はなんだったんですか?】



 次の日。

 俺は予告通り再度メッセージをしてきたラーマ国王と話していた。

 どうやらミカからしたら、昨日の方がいつもより良かったみたいでこれから昨日みたいなことをするときは大人な体型にしたいんだそうな。

 まあ俺もそれに異論はないよ。

 そっちのミカの方がずっと好きで…見慣れてきた見た目そのものだから、なんだかすごくドキドキしたし。


 

【アリムちゃん? 訊いていたか?】

【い、いえ。すいません】

【うむ。もう一回話すぞ】



 もう一回話してくれたラーマ国王によると、なんでも書庫を整理していた城の図書室の司書が、奥の方から前の前の国王の日記を見つけたらしい。

 当時の時勢がわかると考え、その司書さんとともにラーマ国王のおじいさんにあたる人のその日記を読んだんだけど、とんでもないことがわかったんだって。



【アリムちゃんと我が国の過去についてほんの少しだけ話したことを思い出してな】

【そうですか。それで内容は…】

【導者だ。我が曾祖父は導者を指名していた。ここ数年の文献には、現れたことが書かれていない導者が…だ】



 確かラーマ国王は導者が出現せずに長いこと経ちそうだとか言ってたっけ。なのに本当はおじいちゃんが導者を指名しちゃってたんだね。



【すごいちゃんと書いてありますね】

【ああ、お爺様は真面目な人だったからな。……まあ日記は少し茶目っ気もあるが…。それよりもアリムちゃんには頼みたいことがあるのだ】



 頼みたいこと?

 なんだろうか。



【なんです?】

【うむ、実はアリムちゃんとミカちゃんに連絡をしたのは、勇者であり、導者の話もしているからだけであるというわけではない。……この日記、風化してしまってところどころページに読めない部分があってな。修復を頼みたいのだ】

【ああ、そんなことならお安い御用ですよ!】



 それが本命か。過去の文献が見つかったからそれの修復…ね。俺らしい仕事じゃない。



【わかった。ならば急いで使者を送る】

【あ、いや大丈夫です。ボク達がそっちに行きますよ】

【しかし、アリムちゃんは忙しいだろう? おそらく明日も仕事があるはずだ】

【え、ええ……】



 なんで知ってるんだこの人。

 ちょっと怖いけど……まあいいや。

 ファンならきっと、雑誌の撮影日とかも抑えてるんでしょ。



【ですが、ボク達はアイテムでどこにでもすぐに行けちゃいますからね。今、そちらにお伺いして、日帰りするなんてこと楽々ですよ】

【そ、そうか! ……ということはアリムちゃん達はこの国に訪れるということか?】

【そう…なりますね?】



 俺と、話を聞いていただけのミカは顔を見合わせる。

 妙に嬉しそうなメッセージ調子。俺がくるのがそんなに嬉しいのだろうか。



【とにかくわかった。来てくれるのだな? ならば待っていよう】

【ええ、では十分ほどお持ちください】

【じ、十分!? そんなのでこっちに来れるのか】

【ええ、行けますよ】



 叶に力を借りればだけどね。まあ、あいつは断らないでしょう。理由を話せば。

 ついでにちょっとミカと向こうの国を旅行してくるのも悪くないかななんて気がしてきた。



【では、すぐにお伺いしますね】

【ああ】



 俺とミカはラーマ国王ものメッセージを切った。

 さてと。



「じゃあ叶に瞬間移動してもらえるかどうかきかないとね」

「ん、そうね」


 

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ