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第五百六十四話 女子会 (美花) -3

「わ、ふぅーん…」


 

 リルちゃんには珍しい、ジト目で私のことを見てくる。

 で、でも本当に普通なんだもん! 私のもってる漫画のそういうシーンに描いてある通りのことをしてるだけ。



「まあいいや。とにかく此れからどうしようかな。私から誘うのも控えた方がいいのかな?」

「それでいいの?」

「わふ…大好きなショーの温もりは感じたいけれど、仕方ないよ。押してダメならドン引きしてみるさ」

「押してダメなら引いてみるよ、リルちゃん…」

「わふん! 覚えておくよ」



 押してダメなら引いてみるねぇ…たしかにリルちゃんの場合それがいいのかもしれない。もしかしたら愛想を突かれたと思って翔が謝るかも。

 

 これの問題点としてはリルちゃんが我慢できるかどうか。本人が目の前にいるから口には出さないけど、私にはわかるわ。リルちゃんはかなりえっちぃ。

 ……私が言えた義理じゃないけど。



「それにしてもショーは私のことどう思ってるんだろう」

「…普段から好きだとかって言われないの?」

「結構言われてるよ。それでも気になるんだよ」



 確かにショーは、私にベタベタな有夢だとか桜につきっきりの叶君にくらべて分かりにくいかもしれない。



「わふん、私の身体をみてどう思ってるかとか、私の口癖をどう思ってるかとか」

「あ、リルちゃん自分の口癖に気がついてたんだ」

「うん、こっちに来てからだけどね。私、もとが狼だし直しようがないよ」



 たしかにその口癖、学校ではあまり聞かないきがする。

 プライベートの時だけに留めてるのかしらね。



「うーん、私、ベタベタしてるけどしつこく思われてないかなぁ…。常日頃から抱きついたりしてるんだ」

「まあそれは大丈夫じゃない?」

「わふ?」



 少なくとも翔もリルちゃんのことは好きなはずだから、ナイスバディのリルちゃんに抱きつかれて嬉しくないはずがないと思うのよね。



「わふーん…正直に訊けたらなぁ。でも訊きすぎてもしつこくて嫌われちゃうかもだし____________」

「帰ったらそれとなく訊いてみるといいと思う。例えば抱きつきながら好きだって自分から囁いてみるとか。翔の性格からしてきっと答えてくれると思う」

「なるほど……」



 これでほとんど結論が出たかしら。

 もう…リルちゃんってばかなり青春してるわね! たしかに翔は分かりにくい。でも一応、翔も幼馴染だから私にはわかるの。

 あいつは一度人を恋愛的な意味でになったら、その人が翔のことを嫌うまで、翔はずっと好きなままよ。

 だからほんとはリルちゃんの悩みは解決してしまってるようなものなのよね。

 だってリルちゃんが翔のことを嫌いになるなんて、私が有夢を、桜が叶君を嫌いになるくらい絶対にありえないわけだし。



『__________俺はリルを愛している!!』

「わふぇ!?」



 翔の言葉が隣から聞こえてきた。

 ああ、そう言えば有夢たちも集まってるんだっけ。何か前後に言ってたような気がするから今のタイミングを狙って言ったわけじゃわないとは思うけど、どんぴしゃりね。



「リルちゃん、今のはきっと有夢と翔が話してる最中に出た言葉よ」

「わ…わふ、愛してるって……」

「今の私たちの会話が聞こえてるはずないから、翔さんの本心からの叫びだと思う!」



 あうあうと言って動揺していた桜まで会話に参加してきた。リルちゃんは目を潤ませてすごく喜んでいる。



「わふぅ…私も翔大好き…っ」


 

 この調子だとリルちゃんが計画してるこっちでの作戦も成功しそうね。

 翔が恥ずかしがって断ったりしなきゃいいんだけど。

 でも案外押し切れば行けそうな気がしてきた。



「帰ったら聞こえてたこと報告しながら抱きつけばいいわ」

「わふん、そうするよぉ…」



 リルちゃんの目が乙女の目になってる…! 

 羨ましい、どうしよう。私も有夢とイチャイチャしたくなってきた。

 …あとでお部屋に行こっかな。

 ……あ、あとリルちゃんがお部屋で翔とゴニョゴニョする予定なら、私も近いうちにやってみよう。



「…悩みは解決した?」

「わふん、したよ!」

「それは良かった…! じゃあもう今日は遊びましょ。女子会だけじゃなくゲームとかで遊ぶのも人の家に遊びに来た時の醍醐味よ!」

「わっふん!」




 

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