第五百六十一話 女子会 (美花) -2
「どういうこと?」
翔ってば何を考えてるのかしら。
というかそもそも彼女の方から誘わせるなんて…。まあ有夢も7割くらい私が誘ってるけど。
「わふん、ホテルで泊まるのは18歳未満は本来禁止らしい。…うちは警察だから誰かに見られてたらまずいしできないって」
「ああ、なるほど。そういうことなら」
仕方ないかもしれないけれど、それって本当に法律云々が関わってるから止めたのかしら?
どうも私情も挟んでるような気がしてならない。
まあ…私が口出すことではないのかもしれないけどね。
「じゃあ家で誘えばいいじゃない。おじさんもおばさんもいない日があるでしょ?」
「親のいない日に……二人っきりで……!」
「わふん、あるね。…今度誘って見るよ…。うん」
桜が震えてるのは放っておくとして、今度こそ成功するはずよ。これで断ったら翔はどうにかしてるわね。
「でもなぁ…断わられたらこわいなぁ」
「そんなに翔ってば断るの?」
「わふん、美花ちゃんと同じように2日に1回は誘ってるよ。でも…1週間に1回から2回くらいしかしてくれない」
なるほど、つまり3回に2回は断わられてるわけか。
まあ…でも確かに翔は貞操観念がしっかりしている節があったからそこらへんは厳しいかもしれないわね。
1週間に1回って世間的に考えたら普通かもしれないけど、アナズムでは私達は相当暇なわけだし、頻度は自ずと多くなってもいいと思うの。
「1週間に…1回…! しょ、しょんな…」
「どうして断るか訊いてる?」
「うん、2日続けては疲れるだとか。それからは2日に1回誘ってるけれど、気分じゃない…っていうのがほとんどかな」
気分じゃない…たしかに気分じゃなかったらどうしようもないものね。私達だって嫌な時に無理矢理は嫌なわけだし。……有夢から無理矢理させられる……いいかも。
な、なんて私みたいな例外は除いてね!
「まあそればっかりは仕方ないわよねぇ」
「わふん、お互いの同意があってこそだからね! 翔から言ってくれればいつでもウェルカムなんだけど」
頬を少し赤めながらそう言うリルちゃん可愛い。
桜に至ってはもう真っ赤っかなんだけど。
「それで? 翔とは何してるの?」
「わふん…普段かい? それとも……最中で?」
「話の流れ的に決まってるじゃない」
聞きたい。あの筋肉ダルマが何してるか…。
こういう会話をするのも女子だけのトークの醍醐味だと思うの。まあ相当仲良くないとできないけど。
「……ふ、普通…だよ。でも…」
「「でも?」」
「ち、ちょっと胸をいじられたり…胸でい、いろいろしたりされたりが多いかな…なんて」
さすがは巨乳好き(有夢談)。
リルちゃんは目視してる限りじゃ、私と同じくらいある。若干リルちゃんのが大きいかな。英語で言ったら5番目…!
あれからしばらく経ってるし、また大きくなってる可能性もあるかもしれないけどね。
「胸…い、いじ……!」
「色々ぉ?」
「い、いろいろはいろいろだよ! これ以上は答えられないさ!」
何してるのかしらね。リルちゃんがこんなに顔を赤めるなんて。まあこれ以上踏み込むのは流石に無いから話をずらそうかしら。
「にしてもリルちゃん胸大きいわよね」
「わふん…それになんか最近、胸が痛いんだ…」
「え、痛いの?」
「うん、締め付けてきて…」
てことは、さっきの私の予想通りまた大きくなってるかもしれない。
「測った?」
「いや、この世界に来てから最初に試しに測ってみてから一度も」
「今は…私と同じサイズのをつけてるんだったわよね?」
「たしかそうだね」
……どれ。
「ちょっと触ってみてもいい?」
「お、お姉ちゃ…!?」
「うん、美花ちゃんならいいよ」
「リルちゃん!?」
お許しをもらったから、私はリルちゃんの胸をつかんでみた。
「あっ…ふぁ…わふっ」
ふむむ…やっぱり自分のを触る時より明らかに手の開きが大きい。試しにもう片方の手で自分の胸もつかんで比較してみたら顕著にわかる。
これは…つまり。
「リルちゃん、1カップ上がったわね」
「わふん、やっぱり?」
それにしても柔らかかったわ。
私とも桜ともまた違うものなのね。もちろんアリムとも。
「なんで大きくなったんだろ」
「……翔に」
「わ、わふぅ! こっちではまだなにもしてないよ!」
「でも向こうで起きたことってこっちでも反映されるっぽいし…。ねぇ。実際勉強とかも反映されてるし」
記憶と身体は違うと思うんだけど、とりあえずそう言っておきましょうね。赤くなってくリルちゃんみてて楽しいし。
「……そーなのかな」
「ええ、きっとそうなのよ」
「…わふ、次は美花ちゃんの番だよ。…何してるの?」
あ、胸の話に移ったから忘れられたと思ったのに。
答えてもらったんだから私も答えなきゃいけないわよねぇ…。
「普通よ、普通。そもそもアナズムじゃ桜より歳的にはしたなんだから、やれることは限られてるわ」
「本当にぃ?」
「ほ、ほんとよ!」




