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第五百五十九話 学校での相談 (美花)

 なんか有夢が思い立ったように、突然全員分の武器を作り出してから2日が経ったの。

 リルちゃん曰く、今のところはまだ使い所がないんだって。……そりゃそうよね、もう私達基本的に働かなくていいんだものアナズムでは。


 ちなみに私達は今、地球にいる。

 しばらく色々と忙しかったから、本当は2週間ぶりなのになんだか3から4ヶ月ぶりくらいな気がするの。

 気のせいかしらね?



「じゃあこれわかる人!」

「はい!」



 この時間は数学。

 リルちゃんは相変わらずの優等生っぷりを発揮してるわ。その上ち顔もいいしスタイルもいいからモテてるみたい。まあリルちゃんが翔から離れることはないでしょう。

 私が有夢に心酔しちゃってるみたいに、リルちゃんももう翔に依存してるはずよ。


 それにしても問題が簡単すぎる。

 叶くんがやり始めたアナズムでのミッチミチ詰め込む勉強を真似していたらこうなったわ。

 試しに某大学の過去問やってみたら普通に合格する圏内だったもの。


 私の夢って有夢のお嫁さんになる他に、カフェだとかお花屋さんだとか考えてたけれど、こうなに選択肢が広がったならもっと別の職業考えてみてもいいかもしれない。

 なるべく有夢との時間が取れるやつ。

 うふふ、なんか楽しみだなぁ。


 これって他人から見たらすごくずるいじゃない? 

 でもすごく苦労して手に入れた結果なんだし別に罪悪感感じる必要はないわよね?



「うん、やっぱり完璧さね」



 一切迷うことなく、黒板に答えを書いたリルちゃんはくるりと身をひるがえさせて自分の席(翔の隣)に戻って行く。

 ここだけ見れば、リルちゃんは評判通りの『かわいいけどクール』なのでしょう。でもぐにゃぐにゃでギリギリ読める文字がかわいい。



「フエンさんは日本に来てまだ1ヶ月だけどすごいね、日本語で書いてあるものを読んでここまでスラスラ解けるなんてね。それだけじゃないぞ、最近は成上夫妻とハーレム王まで格段に伸びて来ている。もしかしたらフエンさんに触発されたか? 顔も良くて勉強できるなんて普通はクラスにひとりでいいんだぞ?」



 教室が笑いで包まれた。

 この先生はこういう冗談言うのよねっ。ま、まだ結婚してないんだから。そりゃ…いつかするけど…。

 でも確かにリルちゃんのおかげで勉強頑張れてるって解釈は当たらずとも遠くないかもしれない。



「ん、時間か。じゃあ日直号令お願い」



 授業の時間が終わったわ。次は昼休み、昼食タイムね。

 今日は気分的に有夢と一緒じゃなく、女子グループで食べようかしらね。



「あゆむーぅ。私、今日はみんなと食べるね」

「ん、わかった。じゃあ俺は翔と食べるよ」



 そう言いながら有夢は男子たちのもとへ行く。



「あゆむちゃんキターーーー!」

「はいはい、あゆむちゃんだよー」

「んん! 今日はお嫁殿と御一緒ではないのですかな?」

「今日はみんなと食べるよ」



 なんかお姫様みたいな扱いになってるのはいつものことね。さて私も。



「リルちゃん!」

「ミカちゃん!」



 今日はリルちゃんも翔よりではなく女子の方に混じりたかったのね。このグループに入ってる。



「二人とも今日はこっちなのね」

「そうそう、そう言う気分なの」

「うん、そうなんだ」



 やっぱりみんなもこっちに来るのは珍しいと思うのね。有夢にばっかりかまい過ぎたかしら。



「わぁ…お弁当すごーい!」

「ありがとう」


 

 リルちゃんのお弁当は超豪華。

 いや、量があるわけじゃなくて、一目見てそのクオリティがわかるような具ばっかり。



「わ、相変わらず美花もすごいね。唐突に人間離れしてるレベルでお料理上手くなったよね」

「えへへ、そう? 有夢と愛し合ってるからかな?」


 

 それは関係ないだろうけれどついつい口に出る。

 ノロケるのもほどほどにしないと白い目で見られるかもしれないから自重してるつもりなんだけど、ぽろっとね、出ちゃうのよ。



「あ、ミカちゃん今日遊べる?」

「え、リルちゃん? …いいけど」



 唐突に、他の人には聞こえないようにリルちゃんからそんなお誘いが。珍しい…いえ、ほとんど初めてね。

 なんだろう、気になる。



「わふん、色々女子少数で話とかしてみたいんだよ」

「あら、リルちゃんもなにか翔のことで困ったこととかあるの? そうね、じゃあウチくる?」

「うん、行くよ! 友達の家に遊びに行くっていうのもしてみたかったんだ」



 そういうことを実際体験してこなかったリルちゃんは嬉しそうに言った。

 アナズムじゃあ同じ屋根の下にいるんだからいつでも遊べばいいのに…っていうのは野暮ね。

 その人の家に行くまでの道中だったりが楽しいのよ。



「じゃあ…桜も入れて、私達アナズムのこと知ってる3人でウチで遊びましょうか」

「うん! 今から楽しみだよ! はい、唐揚げあげる」

「ありがと」



 お肉大好きのリルちゃんが唐揚げくれた。

 相当嬉しいのかしらね。

 それはそうと……なんか男子たちから翔のハーレムについてのナンチャラカンチャラが聞こえてくるけど……。

 とにかくそんなのは無視してリルちゃんの唐揚げを食べた。……美味しすぎる。

 

 

 

 


 

 

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