第五百四十六話 披露宴終了後
昨日、投稿を忘れました!
誠に申し訳ございません。本日は二話投稿となります。こちらは二話目です。
ふふふ、良かった。
俺のは大成功したみたいだ! 教会ごと別の場所に飛ばしてそこで演出するなんて俺以外にできる人いないよね!
いや、カナタはできるかもしれないか。
「アリム・ナリウェイからでした。最後に新郎新婦からの感謝の礼の句です」
俺がトリだからもちろん教会内でやる披露宴はこれでおしまい。クリスさんに促された2人は立ち上がった。
「この度はラストマン…いえ、この私、ウルトとパラスナの結婚式、披露宴に東西南北遠近からはるばるお越しいただき、本当にありがとうございます」
とても礼儀よく頭を下げる。
宿屋に泊まった客に対する頭の下げ方と全然違うのがわかるよ。緊張してると言うかなんと言うか。
「このように多くの国を代表する皆様に祝っていただき、感謝してもしきれません。私どもにとっては副産物ですが『アナズム初のSSSランカー同士の結婚』という名誉も頂きました」
その次は俺とミカだと思う。
多分そうだろう、そうに違いない。
ウルトさんは待っていた拡声器を片手に持ち帰ると、『ラストマン』の姿になった。
「ワタシハ普段……このような姿で活動しております。私の変身前の姿を初めて見る方は大勢いらっしゃるでしょうし、パラスナが兎族だと初めて知った人も多いでしょう」
実は俺は兎族とバラすことによって態度が豹変する国の代表がいるんじゃないかと思ってたの。
でもそれは違った。
よくよく考えたらラストマンは『奴隷を解放した』SSSランカーであり、奴隷解放の第一人者と言える。
そんな人の結婚式に奴隷制賛成の人がワクワクした顔で来るわけない。
つまり、この式場に居る人はほぼ全員が奴隷をなんとかしなくてはいけないと少なくとも考えてる人と言えるよ。
「……私が2年前の奴隷解放宣言、これを行なった理由は…ひとえにパラスナのためです。正義のためなどと考えている方も多いですが、全てはパラスナのためなのです」
ウルトさんは拡声器に力を込め、昔を思い出すように語り続ける。
「奴隷制を助長していた元SSSランカーの冒険者をどうにかするために、私はパラスナとともに強くなり、そしてSSSランカーという位を頂きました。そして多くの協力を得て無事に悲願を達成することができたのです」
隣にいるパラスナさんも昔を思い出しているのか、恥ずかしそうに照れながらもウルトさんを見つめて頬を染めている。あれはそう、恋してる顔というやつだ。
「そして今日、私はもう一つの悲願を達成することができました。これもやはり、多くの方の助力があってこそ。本当に……本当に感謝しております」
再びウルトさんは深く深くお辞儀をした。上部だけでなく、心から感謝するように、深く。
なんでもこなせるように見えてた…実際、SSSランカーだし、宿屋経営したり、ましてや誰でも必ず死んでしまうような魔神の技を食らっても生きてる……そんな人。そんなウルトさんも多くの苦労と支えがあってこそ今の幸せを掴んでる。
なんか通じるものを感じるなぁ。
苦労は……なんやかんやいってそんな多くはしてきてないような気がするけど、多くの人から助けてもらったのは同じだ。
「最後に_____ご来賓くださって、皆様、本当にありがとうございました!」
「ありがとうございました!」
2人は…特にウルトさんは何度目かわからないお辞儀をした。拍手の雨が降って来る。
ここまでの人に祝われるのは人柄もあるんだろうね。
「二人に永遠の幸せがあらんことを。……それでは新郎新婦の退場です。この後、新郎新婦は外周、パレードを行います。パレードはメフィラド王国によります_____」
クリスさんの司会とともに、俺が用意したBGMが流れ始める。新郎ウルトさんと新婦パラスナさんはお互いに腕を組み、バージンロードのど真ん中を大きな拍手に飲み込まれながら歩いて行く。
というかメフィラド王国は最後のパレードを担っていたんだね。ってことは国単位でなく出し物をしたのは結局俺だけなのか。なんかそれもすごいな。
退場する間際、入り口の前で立ち止まった二人は参加者の方を向き、何度目かもはやわからないお辞儀をし、その場を後にした。
教会の、この会場の入り口はゆっくりと閉められる。
「ではこれにて結婚式、披露宴を閉式とします」
これにて完全に閉式した。
その途端にみんなは立ち上がり、帰る支度をし始めた。…帰る支度というよりもパレードを見る支度かもしれない。
「どうだった?」
俺はミカに訊いてみる。
俺の装飾がどうだとか、演出がどうだとか聞かせてくれるとありがたいんだけど。
「ん? うん、結婚したいなぁ…って思った」
「まあそれは10年もたたないうちに叶うよ」
俺だって結婚はしたいさ。もちろん相手は決まってる。
後は歳の問題だけだからね。
「それで、その俺が用意したものはどうだったかな?」
「すごく良かったわよ! 私もこんな結婚式あげたいくらい……あっ、ほらもうパレードそろそろ始まるんじゃない? 馬車に乗る前にブーケ投げたりするっぽいから早くいかなきゃ!」
「そうだね」
俺とミカは連れである、結婚相手がいる2組のカップルを連れて外に出たんだ。
以後気をつけます(´・ω・`)(3回目くらい)




