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第五百三十八話 いざ結婚式へ

「リル、準備できたか?」

「わふー、できたよー!」



 なんか結婚式に呼ばれちまった俺たちは、有夢がセッティングしたということでいうことにした。

 SSSランカーは全員いけるらしいしな。


 それにしても有夢が全力でデザインしていた式場がどうなってるのかめちゃくちゃ気になるぜ。



「ショー、どうかな似合う?」



 リルは、有夢の用意した結婚式に着ていくのに理想の服とやらを着ている。

 流石は有夢だ、めちゃくちゃ似合ってるぜ。

 肩を出してはいけないだとか、ウェデングドレスと被るから白を着て着てはいけないだとか、そんな細かい注意を払って作ったんだそうな。タキシードだが俺のぶんもあるぞ。



「似合ってるぜ」

「えへへ…ドレスなんて普段全く着ないからなんか新鮮だねぇ」



 ドレスの裾を持ってひらひらさせながらリルはそう言った。リルのドレス姿…控えめに言って可愛い。

 


「それにしても結婚式に参加するなんて初めてだよ」

「そーだな、俺は何回かあるかな」

「わふーん、どんな感じなの?」



 どんな感じと言われても微妙だなぁ。

 まあ適当に。



「んだな、まあ結構豪華に…新郎新婦がお披露目するかな」

「キスとか指輪の交換とかもするんだろう? 日本だったらどんちゃん騒ぎしたりしてるよね」

「ああ。それは前者が結婚式で後者は披露宴だな。今回は披露宴までするらしい」



 有夢プロデュースの披露宴だな。

 一体どうなることやら。



「いろいろ大変そうだね」

「ああ」

「でもやっぱり結婚式は憧れるよ。白いウエディングドレス着て…指輪の交換、キス…大好きな人と結ばれる気持ちってどんなんだろうなぁ」



 リルにとっての大好きな人って俺のことだろうか。

 ……まあ俺じゃなかったら男泣きしてやるが。



「まあ俺たちは時間次第だろ」

「えっ?」



 しまった。

 つい先のことすぎる内容を話してしまった。

 リルの反応も悪い。これはカッコ悪いな。

 なんだよ、『時間次第』って……まるで結婚することが確定してるみてーじゃねーか。

 いくらなんでも付き合って数ヶ月でそういうのは気が早すぎた。



「あっ…その、わりぃ」

「……ショー……それってプロポーズかい?」

「いや、つい言っちまっただけだ。プロポーズするときはもっとちゃんとする」

「そっか…そっかぁ!」



 リルは耳をピンと立て、ドレススカートの中を尻尾で荒ぶらせている。嬉しかったのか?

 嬉しかったなら…いいんだ。



「そろそろ出なきゃいけないね。ショーっ」



 時計をちらりと見たリルは、俺の腕に満面の笑みで抱きつきながらそう言った。



+++++



「ど、どう?」



 サクラはカナタに自分のドレス姿を見せた。



「うん、よく似合ってる」

「そ…そうかな」



 2人はアリムが用意したドレスもタキシードをそれぞれ着用している。



「結婚式だなんて何年振りかしら」

「うーん、まだ俺たちが幼稚園児だったころに共通の知り合いの結婚式が一回だけあった覚えがあるけど、それっきりかな」



 カナタの記憶力は正確であり、それは何一つ間違ってなかった。サクラはそうだったかと思い返しながら、結局はカナタのそれが正しかったことに数秒で考え直す。



「そうかも。……結婚式ねぇ。この屋敷に住んでる3組の中で一番結婚するのが早いのってやっぱりお姉ちゃんとあゆにぃだよね?」

「わからないよ。…俺と桜がその気なら、この世界では再来年で結婚できる」



 そんなカナタのセリフにサクラは肩をすぼめた。



「そんな早く結婚しないわよ? 気持ちの準備とかあるし」

「あははは、まあね」



 やはりカナタもサクラと考えは一緒なのか、笑って同意をした。これでも2人にとってすでに結婚がするこは絶対不変としてそれぞれ決まっていることにお互いは気がついていない。 



「それはともかく、今回の結婚式はこの国のSSSランカーさんたちだっけ?」

「そうそう。SSSランカー同士で結婚するのってこの世界初なんだとか」

「へぇ…」



 話題を少しずつ変えながら、2人は残りの準備をこなして行く。



「よし、じゃあそろそろ行こうか」

「まだ時間までだいぶあるじゃない」

「でも今行っといたほうがいろいろいい気がするんだよ。SSSランカーなんて知り合いが多いだろうしら人がごった返さない今のうちにさ。にいちゃんの作品もゆっくりみたいし」

「カナタがそう予測したならそうするわ」



 準備が終わり、屋敷をでた2人は式場へと向かって行く。



「……うわっ。すごい人。カナタのいうとおり早めにでて良かったわね」



 式場の周囲に群がる人たちをみてサクラは驚いた。



「まあ多分この人たちは中には入れないけど……。俺たちは入れるから安心しようね」

「ああ、あそこで受付をすませるのね」



 2人は人ごみをかき分け、受付をすませてから教会の中へと入っていった。


 

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