表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
561/1307

第五百三十七話 集合への集合 -2



「もう、ヘタレはダメね」



 しょんぼりしたままゴッグさんと同じようにうなだれているマーゴさんをほっておきつつ、ミカは俺の耳にそう囁いた。でもちょっと前まで俺も告白できなかったヘタレなんだけどな…。まあいいや。



「ね、相手がいない人だっているのに」

「そうそう」



 今の話はバッカスさんに聞かれてはならない。

 絶対にダメだ。



「……まあいいや。オレらはそこらへんぶらぶらしてるわ。またなぁぁぁ!」

「ラストマン……もといウルトに挨拶でもしてくるか」



 4人はそのまま控え室へと消えていった。

 こんな感じでどんどん人が増えてくんだろう…そんな予想をしていたらその通り、ギルマーズさんのギルドのメンバーとかが続々と入って来る。

 ピースオブヘラクレスの幹部メンバーはみんな呼ばれてるらしいね。もっともその中で親しい乗ってギルマーズさんしかいないんだけどね。



「だんだん賑やかになって来たねぇ」

「人が多いね。さすがあの2人」



 まあそのぶん俺がつくる料理も多いんだけどね。

 そんなことは気にしないけど。

 ワイワイガヤガヤと騒がしくなって来たぞ…!

 口々に装飾を褒めてくれているのは嬉しいけどね。



「ん、次は誰だろ?」



 俺とミカのファンクラブに入ってるとか言う人に握手をしてあげた時、この教会の門が大きく開いた。

 その瞬間、空気がピタリと止まる。誰も騒いでなんていない。


 門の先から見えるのは十数人の御一行。

 ……その先頭に立っているのは国王様だ。

 どうやら国王様達が来たからみんな黙ったみたいだね。



「来たか。少し早いな」



 クリスさんはそう呟くと、国王様達の元へ駆けてゆく。

 ちなみにこの式場には政治的に偉い人たちのための席があるからそこに座ってもらうんだ。

 そのまま国王様らがクリスさんに案内されるまま、王族や貴族専用の席に座ってゆく。

 


「アリムちゃん、ミカちゃん!」



 俺とミカの名を呼ぶ声。

 まあカルアちゃんなんだけど。俺とミカはその場へと向かいカルアちゃんの前に立った。

 カルアちゃんの隣には王妃様がいて、逆隣にはティールさんが座ってるようだ。さらにその隣には国王様ね。

 

 ルインさん達はいつもの4人で固まって座ってるし、大臣さんと騎士団長さんもそんな感じ。

 あとは大臣さんらの近くに勇者のヘレルさんとノアさんがいるくらいか。

 残りは俺とは顔見知り程度のこの国の貴族らだね。



「アリムちゃん、この装飾とってもすばらしいです! さすがはアリムちゃんですね!」

「本当だ。私達が冒険者として各地に行ったときでもこんなの見たことなかった」

「本当にすごいですねっ」



 カルアちゃん、国王様、王妃様が口を揃えて褒めてくれる。へっへーん。普段から豪華な生活してる人たちにも大好評だね! 頑張ってよかったぁ!

 


「ほんと、アリムちゃんはすごいよ。絶対に敵う気がしない」

「ねえ、今の私たちがあるのはアリムちゃんのおかげだし」



 ルインさんもリロさんもそう言ってくれてる。

 オルゴさんとミュリさんも似たような感想を言ってくれたよ。



「じゃあ4人共の結婚式のセッティングもボクがやりますよ!」

「「「「!?」」」」



 4人は目を見開いて驚くの。

 付き合っている人間は親しいものに弄られる運命。

 


「けっ…結婚はまだ考えてないなぁ」

「そ…そうよね? まだよまだ」

「そ、そうだぞアリム」

「あ、憧れはするんですけどね」



 そっか、告白したのすら遅かったもんねこの4人。

 なら結婚するのも結構遅そう。

 俺とミカの結婚の方が早かったりして。それどころかキスとか…夜の営みとかもするところをあまり想像できない。とりあえず頑張れとしか言えないね。



「ふふふ、あの日のことを思い出すわ」

「あの日のこと?」

「私達の結婚式の日のことです」



 一方で王妃様は昔のことを思い出してるみたいだ。

 


「………俺たちも近いうちに……」

「ええ。……夢見たいね、今でも」



 ヘレルさんとノアさんもなにやら相談しているご様子。

 結婚式が人に与える影響って大きいよね。

 この2人の結婚式もおれが任されたりしちゃって。


 国王様達としばらくおしゃべりしている間にも、お客さんがたくさん来賓してきている。

 おしゃべりがひと段落し、俺とミカが解放される頃にうちの同居人達を見つけた。

 4人とも俺があつらえてあげたドレスやタキシードを来てくれているようだ。

 うむうむ、それぞれにしっかり似合ってるね。

 あとで各々の感想を訊こうかな。


 とまあそうこうしているうちにいつの間にか来賓者らが入城開始予定だった時間もすぎてしまっており、あとは式が開演するだけとなっていた。

 たくさんおしゃべりしてたらすっかり時間経つもんだね。



「じゃあミカ、俺はあの2人の最終確認してくるから」

「あ、うん!」



 ミカに一言かけてから、俺は今回の新郎新婦が控えている控え室へと向かったんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ