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第五百三十一話 新SSSランカー (翔・?)

「どういうことですか?」


 

 叶君が真剣な表情だ。



「ん、いや簡単なことだよ。お前らは元々あの国にいただろ? あの国で冒険者になったからSSSランカーになれるかどうかの決定権も俺らの国とメファラド王国の二つにあるんだぜ。んで、政治家達が冒険者の組合と相談し、お前らを正式にSSSランカーにしたってこった。国で決めたから『王族が任命した』扱いになるしな」



 な、なんとそんなことが。

 SSSランカーってめんどくさそうだな、なーんて考えていた矢先にこれだよ。



「でも待ってください、俺と桜は冒険者じゃ……あ」

「思い出したか? レベル上げの時に冒険者登録を仮にしたじゃねーか。経験値を共有するために」


 

 たしかに経験値を共有するのは冒険者にならなくちゃいけねーもんな。有夢が作ったアイテム以外だったら。

 それは仕方ねぇ。



「まあでも安心しろよ。強者の人数を確認するためにSSSランカーにしたもんだ。エグドラシル神樹国に戻ってこいとか言わねーからよ」

「ただただ肩書きとして持っておるといいわい。……まあ少なくともこの国の国王に何か頼まれごとされる時があるやもしれんがの」



 あの国に戻らなくていいなら、まあいいか。

 それに名前だけ残しておけばいいみたいだ、実際の活動はそんなにしなくて良いんだな。

 結構楽なもんだな。思ってたのと違うぜ。



「まあそういうことなら……SSSランカーになっておいて損はなさそうですしね」

「ああ。無名なSSSランカーだって世界には数人いるし、活動するしないに関しては気にしなくてもいい」



 ……これから俺らもSSSランカーなのか。

 っと、なんか称号に追加されたみてーだな。後で見てみるか。多分、SSSランカーになったことに関してのやつだとは思うがな。



「それにしてもこのメファラド王国はSSSランカーが一番多いのぉ」

「そうなんですか?」

「ああ、ギルマーズだろ、ラストマンとパラスナだろ、アリムにミカ…そしてお前らだな。ああ、そういえば国王も元SSSランカーだったんだっけな」



 なんだそれ、戦力偏りすぎだろ。

 この国ってそんなに強かったのか…知らなかった。

 道理でどこか余裕を含んでる感じなんだな、この国は。



「がハハハハハ! まあ強い奴が多いのはいいことだ!」

「そうじゃの。今の所ほとんどの魔神討伐にアリムが関わってる時点でこの国にはそれなりに戦力が必要なのかもしれぬ」



 そう考えると有夢って大変だな。

 そんなんだから聖女扱いされるのか…男なのに。

 周りから見たら超美少女が世界のために戦ってるんだもんな、男だけど。



「ん…あ、もう1時間経ったか」



 トールさんが時計をみるなり、立ち上がった。



「悪いが俺は帰るぜ。お邪魔したな。またな!」

「それならばワシもおいとまするとしようかの」



 ヘイムダルさんも立ち上がる。

 久しぶりにあの国で世話になった人達に会えて良かったぜ。



「玄関まで送りますよ」

「わりぃな、ナカタ」

「カナタです」



 叶君は2人を玄関まで連れて行き、見送ったようだ。

 ……SSSランカーになったってことはたしか、この結婚式、俺らも参加できるんだよな?

 どれ、有夢がプロデュースした結婚式を見てやろうじゃねーか。



________

_____

__



「もう少しだね」

「楽しみね」



 兎人と宿屋の店主は2人で寄り添いあい、幸せそうな表情を作っていた。



「アリムちゃんは準備がほぼ全て終わったみたいだよ」

「そう…流石ね。どんなふうになるのかしら」

「豪華だけどロマンチックな感じにするとだけ聞いてる」



 ウルトはパラスナの頭を撫でた。

 ピクピクと白い耳が動く。



「パラスナのドレス姿、楽しみだな」

「ん…ドレスすごく綺麗だった。期待しててねウルト」



 2人にとって結婚式は特別なのである。 

 多くのことを2人で乗り越えてきた、そのゴール地点であり再スタートでもある。



「……結婚したらしばらくお休み取れるかしら」

「取れる…じゃなくて取るつもりでいるよ。冒険者の仕事は休むし、宿屋も数ヶ月運営しない。しばらくだけ、のんびり」

「まあずっと忙しかったしそれも悪くないわよ。それに今回で自分の正体をバラすわけだから、この宿に人が押しかけるだろうし……数ヶ月活動しないのは賢明だと思う」



 パラスナはウルトを見つめた。

 パラスナの赤い瞳にはウルトが写っている。



「ところで……その、子どもはどうしようか?」

「やっぱり子ども欲しいよね。俺たちももう22だし、居てもいいよな」

「そう。だからその休みの期間…」

「ん、いいよそうしようか」


 

 ウルトはパラスナを抱き寄せる。

 パラスナは赤い顔をしながらも嬉しそうに微笑んだ。



「………いくらでも身体を自由に変形できるからって変なふうにしないでね? 見た目をゴブリンにするとか」

「したことないよね?」

「い、一応よ、一応。変化とかつけなくていいから」

「ふふ、わかってるよ」

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