第五百二十九話 結婚式の前に
結婚式が始まる4日前となった。
プランも全て、きちんと練り終えている。
今や世間は俺らのことよりSSSランカー同士の結婚のことで持ちきりなんだ。
なにしろ冒険者制度が始まって以来初めてらしいからね。
世間でのラストマンとパラスナさんの結婚の評判は、かなり変わったものとなっている。
まずパラスナさんは美人だ。まあ、これは別にいいとして、問題はラストマン(ウルトさん)のほう。
あの人間っぽくないラストマンとパラスナさんが結婚できるのかがみんなの正直な疑問みたい。
ウルトさんがきちんと姿を戻せばお似合いのカップルなのに。
それとあの二人がそんな仲だって知らなかった人も多数。それについては二人とも騒がれないように今日まで隠して来たわけだから当たり前だね。
そんな色々と珍しいづくしなわけだから、ラーマ国王のように他国からの訪問者が多い多い。
俺の勇者宣言のときと同じくらい来てるかも知れない。
特に他国のSSSランカーやSSランカー、冒険者の組合のお偉いさんとかが高く割合を占めているよ。
というわけで、今は街がすごく賑わっているの。
元々この国はこの世界で一番と言っても良いほどの大国で、悪魔と戦争をしてさらに富が豊富になったというのに、またまた今回で旅行者がお金をおとしてくからすごいことになりそう。
ちなみに、俺とミカはいつものイチャイチャをしながら最後ののんびりをしてる。
昨日はカルアちゃんと遊んだし…明日から結婚式場の準備を本格的にするからね。
まあアイテム使えば一瞬で終わるんだけど…気持ち的に早めに作って管理しておきたいし、微調整が時間かかるだろうしということで。
「えへへー、あーゆむー」
とまぁ、そういうわけだからミカが全力で甘えに来てる。とっても可愛い。
「あーゆむ! ぎゅー!」
「うん、ぎゅー!」
強く抱きつき合おうとした、そのとき。
インターホン(迷惑なことをする人もいるから、本当に用事のある人だけにしか押せないように細工してある)が押されたの。
パッと近くにあったトズマホに移る外の風景。
この屋敷の門の前には筋骨隆々でヒゲモジャのおじさんと、杖を持った頭の良さそうな顔をしたおじいさんが立っているみたい。
……この人達は何なんだろう。
少なくとも俺とミカこの2人に面識がない。
「………ちょっと見て来るね」
「………うん」
ミカは近づけていた身体を残念そうに話しながら、これまた残念そうな顔をしてしょんぼりとした。
ミカを今すぐにでも慰めてあげたいけれど、まずはお客さんだ。いくらラブラブとはいえそれくらいの常識は持っている。
俺は屋敷から外に出て、庭を通って小門の前へ。
「はい、御用はなんでしょうか!」
改めて見ると金髪の筋骨隆々おじいさんの方はすごくでかい。圧迫感がある。
「お、おおお! オメェさんがアリュム・ナスウェイか?」
「違うぞいトール…。アリム・ナリウェイじゃよ」
い、いきなり名前を間違えられた…。
俺の名前を間違える人もいるんだね。
そんな俺の名前を間違えた金髪おじいさんのほうから自己紹介を始めた。
「唐突に訪ねて…それと名前を間違えて悪かったな! 俺はトールだ! ユグドラシル神樹国SSSランカー、[雷神]トールとは俺様のことだな! ガハハハハハ!」
「ワシはヘイムダル、同じくユグドラシル神樹国のSSSランカーじゃよ」
え、エグドラシル神樹国だって?
俺の可愛い弟と義妹と、親友を酷い目に合わせたあの国か。
……とは言ってもそうさせたのはあの国の王様やその関係者らしいからこの2人は関係ないのかな。
なんだか人が良さそうだし、要件を聞こう。
どうせカナタ達に会いに来たんだろうけど。
「えっと…それで…」
「ああ、俺らはカナタやサクラ、ショーに会いに来たんだ」
「わしの知り合いにここに居ると聞いての。…SSSランカー同士の結婚などとゆう珍しいものを見に来たついでに顔を見に来たんじゃよ」
「ガハハハハハ! とくにカナタとサクラについては俺らの教え子だったこともあるからな!」
やっぱりそうだったか。
その知り合いってのが気になるけど…このおじいさんの年齢からして国王様あたりかもしれない。
じゃああの4人を呼び出してあげますか。
エッチなことしてたら大変だから、とりあえずメッセージで聞いてからにしよう。
【カナタ、サクラちゃん、ショー、リルちゃん! いま大丈夫?】
【どうしたの兄ちゃん】
【あ? なんかあったのか?】
【SSSランカーのトールって人とヘイムダルって人が顔を見に来てるんだけど】
【おおっ!? まじかすぐ行く!】
【俺と桜もすぐそっちに行くよ!】
しばらくして4人は本当にすぐにやって来た。
嫌がらなかったってことは、本当に良くしてくれてた人達なんだろう。
「ガハハハハハ! 久々だな!」
「はいっ!」
「あの節はどうも」
カナタが元気に返事して、ショーが軽く頭を下げてお礼を言ってる。ふむふむ。
「あの、立ち話はなんですし、中にでも入りますか」
そう提案してみると全員それに従うことにしたみたいだから、俺は前を歩いて屋敷の中へと案内してあげたんだ。
新作政策が難航してるので、息抜きに18禁版Levelmakerを書こうかどうか迷っているところです。
例えば『リルとのデート後』とその半話にあたる『その後』の間になにがあったかとか(´・ω・`)




