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第五百二十一話 休日を終え

 ……ほぼ一日中美花と遊びまわった、地球での初デートが終わった。

 13歳の美花より、やっぱり16歳の美花の方が大人っぽくて一味デートが違ったように思える。

 やはり一番は成長差か。


 そして初デートでお互いの初めても交換してしまった。

 ……そういう施設で、そういう設備が整った場所で…。

 正直いうと、ついつい欲望に負けてしまったと言ってしまった方が正確かもしれない。

 何もかもが慎重になっやったけど、美花は満足してくれたのかな。

 当たり前だけど体格と年齢が違うから感覚が違うよ。

 アナズムの美花と16歳の美花との主な違いは…まあ言わなくてもいいよね。


 とりあえずデートが終了する1時間くらい前に施設の中で、久しぶりに美花から『私は有夢の物、有夢は私の物』っていう言葉が聞けたよ。 

 少し前までは言い過ぎじゃないかなと思ってたんだけど、今となっては全くの同感なんだ。否定する箇所が何処にもないよ。



「わるい、みんな聞いてくれ」



 目を開くと、そこはいつもの屋敷の6人であつまっている部屋だったんだ。

 そんな中、ショーが注目を集めた。



「どうしたの?」



 首を傾げて問い掛けてみる。

 ショーの表情がいつもより真剣だ。



「ああ…リルが幻転地蔵に近づいておかしなことになっちまった」



 えっ…今はそんなことないように見えるけど。

 でもいつものリルちゃんとは何か違うのかな?



「わふ、とは言ってももうショーが治してくれたんだ」



 慌ててリルちゃんが付け加える。

 ま、そうだよね。もしそうなってたらショーはすぐにでも一旦アナズムに緊急で帰ることを選ぶだろうし。



「おかしなことって…?」

「ああ、実はデートの一環でリルを幻転地蔵様のところに連れて行ったんだが____________」



 ショー曰く、お地蔵様にこの世界での神の祈りを捧げた瞬間、何かに取り憑かれたようにお地蔵様の首を取ろうとしたのだとか。

 その上その間のことを一切覚えてないらしい。


 

「それはまた変わったことが起きたね」

「ああ。やっぱりあの地蔵様にはなんかあるんだな。それもこの世界に関することで」



 ショーにはそれなりに前に、幻転地蔵様がアナズムに関わってるかもしれないことについて話してある。

 ショーの自宅から幻転地蔵様まで6分くらい距離があるしそっち側には俺とミカの自宅しかないから、滅多にくることないだろうと思って、どうせならリルちゃんと出会えたことにお礼言っておけって意味で。


 ちなみに俺と美花はあれから毎日ずっと欠かさずに行きか帰りのどっちかにお参りしてる。

 今こうして幸せなのは…お地蔵様に寄るところが本当に大きいんだから。心から感謝してるの。



「なんて首を取ろうとしたのかわかんねーけどよ」

「あ、首といえば私達もあのお地蔵様の首を触ったことあるよね」



 ミカが懐かしいことを言った。

 そうそう、小学校3年生くらいの時にね、俺の家で遊ぶ予定だった翔を含めた3人で下校中に首の取れてる幻転地蔵様を見つけたの。

 まあ当然のことながら首を元に戻したんだけどね。

 ほんとに懐かしいなぁ…結構重かった覚えがあるよ。


 ……そういえば、この世界に来た時の説明にお地蔵様が俺に優しいからアナズムに送ってくれたって言ってたっけ。 鳥のフンを取り除いたことに対して感謝してたみたいだけど、首のことも入ってたのかな。

 というか、首が取れるより鳥のフンがいやだなんて変わってるよね。

 


「とりあえずそういう事なら、リルちゃんはしばらく地球の幻転地蔵様に近づかないほうがいいんじゃないかな?」

「うん、そうだね」



 やっぱりそういう事は気にはなるよ? 冒険心をくすぐられるというか。でも俺たちの一生にとって必要なのは、安定して暮らすことと、好きな人と幸せに過ごすことだからね。

 下手にいじくりまわして、魔神とかそれに近いものが出現して、ミカが死んじゃったように…リルちゃんが死んじゃったように、またあんな悲しい目にあうのは真っ平御免。

 アムリタがあると言ったらそこまでだけど、でもスルトルの時はショーが偶然変態嗜好で、リルちゃんの体の一部を持ち歩いてたから助けられたんだ。


 またああいうギリギリのことがあるかしれない。

 俺とミカは神具級のアイテムでお互いを縛り合って、絶対に何が合ってもお互いを離れられないようにしているけれど、他の二組はそうじゃないからね。



「まあ、報告はそれまでだ。有夢のいう通りリルは地蔵様には近づけないようにする」

「うん、それがいいよ。じゃあみんな解散ね!」



 俺がそういうとカナタとサクラちゃんは互いにどこかよそよそしく……。

 ショーとリルちゃんは何か囁きあって相談ぽいことしてから顔を同時に赤くし、若干の挙動不審になりながら、この部屋から退出した。



「さて、私たちもやることやらなきゃね」

「うん。今日から本格的な準備だ。あと少ししか日にちがないからね」



 俺とミカはウルトさんとパラスナさんの結婚式のための計画を進めることにした。

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