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閑話 バレンタイン!

「呼び出した理由は…わかってるわね?」



 真夜中。

 私は妹である桜と、リルちゃんを、このお屋敷の台所に呼び出したの。

 男組はまだ寝てる。



「わかってる。明日はバレンタインデー…!」

「わふ、百も承知だよ。地球の…日本の文化だもんね」



 二人もすでにエプロンを着てて、やる気満々みたい。

 このイベントはアナズムにはないの。

 でも私達からしてみれば、大好きな人にチョコレートで本音を告げる、大切な行事!

 本気を入れてチョコレートを作らないと。



「それでお姉ちゃん、材料は?」

「そこにもうあるよ」


 

 私が有夢からもらったダークマタークリエイトのスキルで用意した、お菓子作りに必要な材料達。

 なんだか去年はココアパウダーしかなくて…苦労してやっとハート形のクッキーを作ってたような気がするんだけど、多分それは夢ね。

 よくよく考え直してみても、去年はまだ地球にしか居なかったし。



「スキルって便利だよね」

「チョコレートどうやって作るのかなんて心配は要らなかったようだね」

「ふふふ、それだけじゃないわ。このショコラティエ入門の本だとか、秘伝のレシピとか…そう言うのもたくさん作った。…たくさん苦労して、たくさん愛の詰まったチョコレートを作ろうね!」

「「うん!!」」



_____

__

_



「「「できたぁ!」」」



 私達の…それぞれの思い人への愛がたっくさんつまったチョコレートができた。

 それらを私が作った冷やす専門の冷蔵庫(1分が1時間になる)から一つずつ丁寧に取り出すの。



「桜は普通にハート形のチョコレートにしたんだ」

「うん。やっぱりシンプルなのが一番いいかなーって。…その…文字書くの恥ずかしかったけど」



 桜のチョコレートは普通の大きさの普通のミルクチョコレート。そのチョコには桜の字で『叶へ。好きです!』って書いてある。

 桜にデレデレな叶君がこれをもらったら、頭からチョコレートみたいに溶けちゃうんじゃないかしら。



「本命チョコだもんね、気合い入れて渡してね」

「うん、お姉ちゃん。私頑張る!」



 桜も私と同じで、去年までは叶君に『友チョコ』だと告げながら渡してた。本当は本命のつもりだったのはもちろん、お姉ちゃん知ってるんだからね!

 


「リルちゃんのも案外普通ね?」



 桜と同じで、リルちゃんのもハート形で『親愛なる翔へ、心を込めて』と書いてるナッツ類を混ぜ込んだチョコレート。



「ん? そうかな…あー、それは普通に渡すために作ったナッツ入りのやつだからだね。味的には一番手間暇かけてるよ。私のショーへの愛が詰まってるのさ!」

「へー……ん?」



 私は冷蔵庫の中から変なのを見つけた…というより、これはどうみても…。



「リルちゃん…これ…」

「それは1/12サイズのショー型チョコレートだよ。ネタで作った」

「そ、そうなんだ」

「うん。一回作ってみたかったんだ!」



 ものすごい精巧にできてる。

 本当に翔が12分の1サイズに縮まって、上からチョコレートかけられちゃったみたいだ。



「まあ、あとは食べる用だよ。サクラちゃんとミカちゃんも普通に食べる用作ったよね?」

「うん。そりゃあね」

「作ったわよ。…それで、お姉ちゃんの渡すためのチョコはどんななの?」



 桜が私のチョコレートを覗き込む。

 私の渡すためのチョコレートも、やっぱり普通のチョコ。書いてる文字は『有夢、愛してる』ね。

 


「結局みんな渡すためのチョコは普通なんだね」

「これが一番愛が伝わるし」

「うんうん」



 私達は早速、渡すためのチョコレートを可愛く包装するの。…これで渡す準備は万端!

 あとはお昼頃に、みんなに渡すだけね!



_____

_



「わ、渡すものあるんだけど」

「いいかな?」

「わふ」



 お昼ご飯を食べてから1時間くらいしたあと。

 午後2時14分に狙いを合わせて、私達は有夢たちにそうきりだした。



「ま…まさか…」

「そのまさかだよ。はい!」



 私は有夢にチョコレートを渡すの。

 ものすごい満足感。本当に私の心の一部を有夢に流し込んだみたい!



「わぁ…ありがとう!」

「もちろん、本命チョコだからね! あ、あと地球でも2月14日にちゃんと渡すから安心してね」



 有夢は私の心からのチョコレートをまじまじと見つめたあと、包装紙を開けて私の書いた文字を読む。

 


「ボク…いや、俺も愛してるよ、ミカ。必ずお返しするからね」

「うん! えへへ……んっ!」



 有夢は私にキスをしてくれた、

 チョコレートみたいに甘いっ…。



---



「どうかな?」

「おう、すっげえ嬉しい! 本命チョコなんてもらうの初めてだからよ!」

「ふふ、そうかいそうかい。喜んでもらえたみたいで良かったよ。ところでこれはどうかな?」

「え…お、俺!?」



---



「…ほ、本命チョコだから。本気を出して作ったのよ?」

「ああ、すっごく嬉しい。ありがとう桜」

「う、うん。喜んでくれたなら私も嬉しいかな」

「ホワイトデーには張り切ってお返ししなくちゃね。ともかく本当にありがとう! 俺も桜のこと好き…大好きだよ」

「ぅぁ…あうぅぅ……う、うん……」



---


######



( ゜д゜)リア充が溢れる2/14です。

去年もバレンタインデーでこの小説内のラブラブな二人がラブラブしてるところを書きましたが、今年はそのペア数が2組増えました。

 

思えばレベルメーカーに初めてイラストを乗っけてから1年の歳月が過ぎたわけですね。

あっという間です。ありがとうございます。


そういうわけで今年もイラストがあります。

いつもの通り自分で描きました。

新・バレンタインデー版ミカちゃんです。


挿絵(By みてみん)


去年より少しでも文書力も画力も上がってればいいなーと考えております。二つとも上がったでしょうか?

自分では判断しにくいですけれど、とりあえず今はどちらも「本屋に売っているかもしれない」というレベルを目指して、この作品の主人公たち同様にレベルアップしていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします!







おまけ


去年のイラストと今年のイラストを比較してみました。

去年のイラストを見てないって方にどうぞ。

挿絵(By みてみん)

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