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Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー  作者: Ss侍
十六章 ダンジョン鍛錬
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第四百五十一話 周回本番

「さて、今後の周回なんですけど」



 リロさんとミュリさんの休憩が終わってから、俺はそう切り出す。



「これからが本番なんですよ。もう皆さんは一人で周回ができるようになったので」

「ふむ。それでどうすればいいのかな?」

「ここからはとにかくMPの消費を抑えながら、いくら休みを少なくして周回するかがキモです。それだけです」



 そう言うとみんな『それだけ?』という顔をしだしたよ。まあ、それだけなんだけど、それがきついんだよね。普通の人にとっては。



「えっと…どれだけ周回すればレベルが最大まで行くかアリムちゃんは分かる?」

「1周どれだけ経験値が貰えるかで計算できますよ」

「そうなんだ。えっとね…だいたい90万前後だね」

「そ、そんなに…」



 なんだそれ…めちゃくちゃ貰えるじゃん。

 10周ちょいするだけでMAXまで行くとかこのダンジョンどうなってんだ。



「それで、何周すればいいの?」

「えっと…今のみなさん経験値が…多分、160万近くだと思うので…9周ですか」

「9周でいいの!?」



 実際は8周半だけど。

 たったこれだけで周回終了とか本当にすごい。



「じゃあはやく行こうっ!」



 そういうわけで、俺たちはまたダンジョンへ潜り込んだ。



________

______

____



「はああああああっ!!!」



 リロさんが魔法を唱えた。

 4体のロボットが炎の嵐に、壁の中から出てきてすぐに飲み込まれる。

 その場に残ってるのは魔核だけ。

 おっと、この速さだったら……!



〔ミッションをクリアしました。【達成度・伝説級】宝箱が出現します〕



 壁が上にまくれ上がり、その中から宝箱が出現する。

 誰かに言われることもなくカルアちゃんがそれに近づいて開けた。

 中身は言うまでもなく鍵箱。



「やったぁぁ! ね、ね、聞いた? 私、伝説級だって! ねー、聞いたーっ?」

「聞きましたとも。すごいですねぇ!」



 今度はリロさん、ルインさんでなくミュリさんに抱きついたみたいだ。それでも一瞬ルインさんに抱きつきそうになってたけど。

 どうしてだろう。ルインさん少し残念そうな顔してる。


 もうすでにAランク劣化種は倒してあって(虹帝犬じゃなく、オルトロスって魔物だったけど)、その帰りにここに寄ったから、すぐに外に出た。


 

「やっぱりこの小箱も私が開けるんですか?」

「お願いできませんか?」

「カルア姫は一番強運だし…」

「まあ、いいんですけど」


 

 カルアちゃんは鍵箱を開ける。

 その中身は一枚のスキルカード。

 そのスキルカードの色的にSランクのものだけど…伝説級って2~3枚は入ってなかったっけ?



「スキルカード…どんなのでしょうか? アリムちゃん、鑑定お願いします」



 カルアちゃんは俺にスキルカードを手渡してきたから、とりあえず受け取った。

 レア度はわかってる故に鑑定はする必要ないから、すぐに額にかざしてみる。

 

 そのスキル、『絆の力』。

 いかにもSK2っぽい名前だけど、SK1だ。

 内容は最大MPの半分を消費することにより一定の時間の間、術者の一定の範囲内に居る、一定以上の好感度を持つ人の人数だけステータスがその半分加算されて行くと言うもの。ちなみにこれ、レベル1の段階のことだから。

 レベルが上がればそれぞれ上がってくらしい。

 

 え、ナニコレ…強くね?

 下手なSSランクスキルより強いじゃない。

 例えば俺だったら…周りにミカとショーとカナタ…もしかしたらサクラちゃんも加算されるかな。

 そうしたらステータスは2倍になるの?

 すごいっ……!


 俺は急いでその内容をみんなに伝えた。



「な…なんだそれは…」

「わ、私こういうのなんというか聞いたことがあります! 『ダンジョン限定のレアスキル』って言うんですよね?」

 


 ダンジョン限定レアスキル……なんというゲーム要素なんだろうか。おもえば、メフィイトファレス…もとい光夫さんの『強制契約』もそういうのだったのだろうか。



「誰が覚えるべきかな?」


 

 ルインさんがそう言うと、全員がルインさんの方を向いた。



「そりゃあ…ね」

「ルインじゃないですか?」

「俺も同感だ」

「僕もそう思う」

「私もお兄様がいいと思いますっ!」



 「へ」と、気の抜けた声を出しながら戸惑うルインさん。俺とミカも追い打ちをかける。



「ほら、こんなに好かれてるんですからルインさんでないと」

「そうですよーっ。この力をフルに使えるのはルインさんだと私も思いますっ!」

「え…えええっ? 本当に僕でいいのかい?」



 それに、全員がうんうんと頷いた。



「そ、それじゃあ僕が覚えちゃうよ」

「ほら、早く覚えちゃいなよ」

「あ、うん」



 額に当てられたスキルカードがルインさんの中に吸い込まれてゆく。



「お、覚えたよ…」



 ルインさんは恥ずかしそうに、でも、なんだかかなり嬉しそうに頬を掻きながらそう言った。


 


 

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