第四百三十九話 アリム流ダンジョン探索
「次はDランクの魔物4匹ですね! どうすれば良いのですか?」
チャイルドラゴンが落としたものを拾い、すぐに移動した俺達は、4匹の魔物群が見え始めたところで足を止めた。
ミュリさんがなんかノリノリだ。
「えっと…リロさん、ファイヤーキャノンは何発撃てますか?」
「えっと…4、5発かな?」
「では、1発お願いします。もちろん、ミュリさんの補助魔法を受けてから」
ミュリさんは素早く魔力上昇、素早さ上昇、俺とリルさんの会話から考えたのか、器用上昇の補助魔法を唱えた。
「よし…じゃあ私の人生初めての上級魔法…! 皆んな、みててね!」
3人が頷くのを確認すると、リロさんはその魔物群4匹に魔法陣を出現させれる範囲まで近づく。
一定距離に来たところで、臨戦態勢に入った魔物達の足元に現れる赤い魔法陣。
これが炸裂した。
「ひやっほーーーっ!!」
リロさんのテンションが高い。
結果的に3匹仕留められ、残り1匹も瀕死。
その瀕死の魔物もルインさんが仕留めた。
「やったね、リロ! すごいよ」
「うん!」
Dランクの魔核を拾いながらそう褒めたルインさんに、リロさんは本当に嬉しそうに微笑んだ。
「よし、次に行ける…よね、アリムちゃん」
「はい、行けます! ですが注意して下さい、おそらく、CランクからCランクの亜種の魔物が出ると思いますので」
そう言って警戒させておく。
まあ、本当の事だし。用心に越したことはない。
この一本道を俺達、レベル上げ一行は進む。
さっきの探索じゃ踏み込まなかった道を進んでるんだ。
進んで、ゆっくりと進んで見えて来たのは…Cランクのアイアンゴーレムと、Dランクのウッドゴーレム2匹。
ルインさん達は険しい顔をして歩みを止めた。
「あれを倒したら、また一旦帰ります。良いですか?」
「ああ」
「それでは作戦です。…ここでリロさんはファイヤーキャノンをあのアイアンゴーレムめがけて残りMP全て撃ちまくって下さい。あのアイアンゴーレムだけを狙うんですよ? 無理しない程度で良いです。そして十分に魔物が弱ったところで3人で叩きます」
「オーケー!」
リロさんはざっと前に踏み込む。
そして、唱えた。
「ファイヤーキャノン! ファイヤーキャノン! ファイヤーキャノンッ……ファイヤーキャノンンンンンッ!!」
4回分の上級魔法がゴーレム達に襲いかかった。
遠くから安全に仕留めているとはいえ、それぞれの緊張は消えない。
ヒットした箇所の煙が晴れると、その場には2体分のゴーレムの死骸とボロボロになったアイアンゴーレムが。
アイアンゴーレムだけ狙ってたとしてもウッドゴーレムにも被弾するからね。こうなったわけだ。
アイアンゴーレムは両手のガードを解くと、黄色く光る目をより一層光らせてこちらに、リロさんに向かってかけてきた。
そこで、3人が前に出てアイアンゴーレムを迎えうつ。
激しく弱っているアイアンゴーレムは、主にオルゴさんの土属性を含んだ重い斬撃により、着実にダメージを重ねられて行き______倒された。
「ふぅ…ふぅ…強かった……」
「これでCランクと戦ったのは2回めだけど…やっぱり強いな」
「はぁ…これがCランクの魔物かっ…」
2回目って、あれからDランクの依頼しか受けてこなかったのかしらん。まあ、それはいまは良いや。
「……ステータス見てみて下さい。ルインさん達はどのくらいレベル上がりましたか?」
「……3…だね。40を超えて42になったよ」
俺の予想だとピピー村では32あたりだったと思う。
戦争とか色々あったし上がってるとはいえ…それでも42か。ちょっと歩みが遅いかもしれない。
あと20~25レベルくらいで1人ずつがCランクになるだろうか。
でも、ここからレベルの上がりも悪くなるんだよね、Cランクの魔物とDランクの魔物だけじゃ。
ここまでの道順を全て倒してきて1周でやっと2レベル上がるかどうか。
ここまで考察したことを、簡略的に6人に伝えた。
「はぁ…はぁ…今日だけで4レベルも上がったって、内心喜んでたけど…まだまだなんだね…。個人ランク、DランクからCランクへ移動するあたりから、全ての壁が厚くなるって話はよく聞くけど…本当だ…」
「でもめげることありませんよ! 確実に上がるんですから! 期間はめいいっぱいもらってます! 頑張りましょう!」
「そうだね!」
俺達8人はまた、ダンジョンをでてマジックルーム内へと戻った。
一番MPを消費するリルさんにはまたお昼寝をしてもらうことに。
でもこればっかり繰り返してたらラチがあかないから、枕に色々とエンチャントさせてもらった。
「ミュリさん、ミュリさんは一旦眠る前に、ステータスを決めさせてもらっても良いですか?」
「ええ、構いませんよ」
……正直、このダンジョン周回の要は女性2人だろう。
頑張って考えなくちゃ。




