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Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー  作者: Ss侍
十六章 ダンジョン鍛錬
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第四百三十六話 王子様達の初ダンジョン

【トリアエリアル山の『楽しみ』のダンジョンに入りました】



 いつもの表示が頭の中に現れてくる。

 しかし、初めてダンジョンに入るのであろう6人の反応は違った。



「おお…おおっ! これがダンジョンの…!!」

「すごいすごい! 本当にここらへん、人工物みたい!」


 ローズ曰く『母なるダンジョンの声』が頭に浮かんできて感激するオルゴさんと、緑色のレンガ道をキョロキョロしながら眺めるリロさん。

 ミュリさんは無言で手をお祈りするように組み、何かをつぶやいていた。



「すごいなぁ…」

「百聞は一見に如かずとは、このことだね」

「そうですね、ルインお兄様…!」



 メフィラド家の3人は、似たような反応でそれぞれ驚いていた。



「すごい驚いてるね」

「ミカだって最初はこんなんだったよ。勿論、ボクも」

「……むっ」



 鍛錬だからということで、今、俺とミカはこの列の最後尾に居る。

 その列が、オルゴさんの呟きとともに停止した。



「どうしましたーっ!」

「魔物が居る……っ」



 その声と共に、先程まではしゃいでいた6人は打って変わり、それぞれの得物を構える。

 カルアちゃんは実戦が初めてなのか、少し戸惑って居るようだけれど。



「……どうすればいい? アリム」

「ふむ…そうですね。どんな魔物かわかります?」

「あれは…えっと、Dランクのマッドハンド…2体ですね」



 土塊が1m50cmくらいの手の形になってる魔物、マッドハンド。主な攻撃方法は、ランドボールか殴ってくるのみ。うむ、中々優しい相手だ。



「じゃあ、なるべく労力をかけずにその2体を倒して下さい!」

「労力をかけないなら…私の出番ね!」


 

 そう言ってバッと前にでるリロさん。

 


「ミュリ、補助魔法お願い!」

「はい!」



 おそらく、魔力と素早さ強化の魔法がリロさんにかけられた。

 作戦がわかってるのか、ルインさんとオルゴさんが互いに頷くと、リロさんを守るように前に出る。

 そしてそのまま前進。

 マッドハンド2体と対峙した。



「ふっふふふ…食らいなさい! ファイヤーエミッション!!」



 ファイヤーエミッションが現れる。

 ……4発同時に。

 なるほど、リロさんはどうやら火術・真をあれからMAXまで振ったみたいだ。

 これは心強い。

 俺が初めてのダンジョン探索で見せたように、一気に放たれるファイヤーエミッションに為すすべなく、マッドハンド2体は燃やし尽くされ、Dランクの魔核2個を落とした。



「ほわわわわっ!」



 と、同時にカルアちゃんが叫ぶ。



「れ…レベルが一気にたくさん…!」



 そりゃそうか。

 レベル1の人間がDランクの魔物2体分の経験値を得たら、一気に9くらいまではいく。

 今までレベルなんてこれっぽっちもあげてなかったカルアちゃんからしたらすごい事だろう。



「私もレベルが1つ上がりました!」

「私も!」

「俺も」

「僕も」

「僕もだよ」



 どうやら、全員がレベルアップしたみたいだね。

 楽しみのダンジョンって普通より経験値が多くなるっぽいし。



「じゃあ、まだ進んで行きましょう」

「おう!」



 先頭のオルゴさんの声が響く。

 彼らの心の中では、やる気いっぱいみたいだ。

 しかし、次に遭遇した魔物軍で一気にそのテンションはダウンした。



「ま…マッドハンド2体にウッドゴーレム…! さらにチャイルドラゴンっ!?」



 驚愕の声。

 いつもちょっとだけ冷静なルインさんのものだ。

 ……そうだよね、俺が最初に入ったダンジョンが異常に優しかっただけで、普通のダンジョンって一気に段階あげてくるもんね。驚くのは仕方ない。



「ど…どうする? いける?」

「でも皆さん、Cランクの魔物を倒したじゃないですか。あれらもいけませんか?」

「うーん…あれは単体だったからなぁ…」



 敵が動かずにその場で止まっているギリギリの範囲で、俺達は話し合う。

 しかし、ここは鍛錬なんだ。

 やってもらうしかない。



「でもできないことは無いはずです! Dランクの魔物7~10体分がCランクなんですから! 大丈夫です! いざとなればボクとミカも居ます」

「そうか、そうだよね! よし、やろう! ミュリ、リロ、まだ魔法はいける?」



 ルインさんがリーダーっぽく、二人にそう訊いた。

 リロさんは一旦頷き。



「まだ余裕はあるわ!」

「私もです!」

「ちょっといいかな」



 そんな風に意気込んでる4人に、ティールさんが割って入ってきた。



「僕も参加させてもらおう。…さっきのでDランカーくらいの実力はついた。ステータスはまだ割り振って無いけど…いけるはずだ」

「わかりました。じゃあミュリ、お兄様含めて僕ら3人に力と素早さの補助を、リロに魔法の補助を」

「はいっ!」



 ミュリさんは全力で補助魔法をかけまくった。

 今のところ、MVPかもしれない。


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