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Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー  作者: Ss侍
十六章 ダンジョン鍛錬
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第四百四十二話 パルキーニの森の「喜び」のダンジョン

 俺はすぐに隠し部屋を出た。

 まあ、こんなもんだろうなと。予想を裏切らなかったね、悪い意味で。

 魔物の出現方法は、面白いものだと嬉しい。


 俺は、ここから見えてる大きな一室までなんとなく駆けた。なんでこんなに部屋一つが大きいのか、目で見えつつも疑問を抱きたくなる。

 数秒してその部屋に駆け込むと、目の前には案の定、大きな扉が。いつものだね。


 他には…そう、この木の板の床に不釣り合い…とは完全には言えない感じの淡い光の漏れるまあるい何かが5つ。

 なんだろこれ…!

 丸いその模様を眺めていると、そのうち一番左端の一つの光が強烈なものとなり、そこから________魔物が出てきた!



「おおっ!」



 まるでどっからか召喚されたみたいだ!

 かっこいい!

 こんなのは全く予想してなかったよ!


 倒せば次の部屋に行ける『怒り』。

 部屋を好きな順番でクリアしてゆく『哀しみ』。

 道端に現れる『楽しみ』。

 そして、一つの大きな部屋で、丸い模様から召喚される『喜び』。


 出てきた魔物は、ただの人型のトカゲの魔物で、知ってる限りじゃ、おそらくCランク程度だろうけれど、間違いなく今までで一番、俺を意外性という意味で喜ばせてくれた魔物の出現方法だ。



「キシャーーーーッ」

「えい」

「グボェアアアア」



 襲い飛びかかってきたトカゲ男を蹴り飛ばす。

 ものすごい勢いで部屋の隅まで飛んでいき、壁にぶつかり、血を巻き散らした。

 お掃除が大変そうだね。

 遠目から鑑定して見たところ、やっばりCランクだったから、素材も魔核ももはや不要だろうしほっておこう。


 さっきトカゲ男が出てきた丸のその隣が光る。

 今度はトカゲに乗った骨男が出現した。

 骨とか初めて戦うんだけど、殴っとけばいいよね?



「カラカラコロコロ」

「キシャーーーッ」

「とう」



 トカゲの頭を蹴り飛ばし、そのままの勢いで頭蓋骨を殴る。双方、Cランクの魔核を落として息絶えた。

 鑑定してみると、この骨男はボーンマンっていうらしい。…そのままか。

 こいつの骨は、いい肥料になるんだって。

 …それだけみたい。



 今度は右端が光る。

 出てきたのはトカゲ人……ならず、半魚人。

 人魚じゃないよ? 顏が魚で身体が人間だよ? 魚系の獣人とはまた違うし。

 それに手になぜかモリを持ってるし、ゴリマッチョだと言わざるおえないくらい筋肉あるし、きもい。

 やっばり、ショーはイケメン筋肉なんだね。

 あれはきっと、筋トレがうまくいった良い例なんだ…。



「フンッ」



 水色の魔法陣が展開される。

 水のキャノン。

 なんだこいつ、筋肉の塊のくせに魔法使うのか?

 放たれた水の砲撃を俺は片手ではたき落とし、こっちもウォーターキャノンを放つ。

 ただし、威力は違う。



「ピギッ……っ!」



 筋肉魚は弾け飛ぶ。

 もはや下半身しか原型をとどめてないね。

 そしてBランクの魔核が出現した。


 うーむ、どうやらここは人型ばかりが出るみたいだね。

 正直、人型の魔物なんて解体したくないし、次々と数十秒ごと魔物が出てくるし…この世界に来て最初のダンジョンがここじゃなくてよかったと思う。

 その上、俺みたいな高レベルになるとその数十秒のインターバルがいらないから周回向けじゃない。

 ……こりゃ、称号得るために一つダンジョンをクリアしようと思ってたけれど、ここにした方が良さげかな。

 うーん…演出はやっばり初見だったらダントツで良いんだけどなー。

 

 というか、俺もこんな風にダンジョンの批評ができるくらいにはなったか。

 最初は驚くことしかできなかったのに、慣れってすごい。


 きもい魚人が出て来た丸の隣が光り、そこから…4つ足が生えてるサメに乗った、顏がタコの男の人が出て来た。

 なんだっけ…そう…僅かに記憶に見覚えが…クトゥルフ…だっけ? 

 なんかそういう感じの。

 手には鞭を持っている。



「クキキ」

「グァァ」



 蛸人間の両手とペットのサメの口から、計3つの魔法陣が展開される。

 風と、水と、雷のキャノンの魔法陣。

 一斉に放たれたその魔法を、俺はまた片手でかき消し、同時にサンダーキャノンを発射してあげる。

 SK2の効果もあってか、その2匹は跡形もなく消え去った。

 俺も強くなったもんだなぁ。


 そう考えてる間に、最後に残った真ん中の丸。

 そこが、他のどの丸よりも強く光り、魔物が出現した。

 先のサメの色違い(多分、亜種)に乗っている、真っ青な肌で顏がなく、サメのような歯だけをギラリとのぞかせる、どんな生物といえば良いかわからないクリーチャー。

 魚人はキモかったけど、奇妙さで言えばこちらが上だ。



「のるぬてにつえさとすねつこさむ」

「グァアア」



 まるで人の言葉みたいなものを話してる。

 すんごく気色悪い。

 何故か、魔法で水の剣を召喚してこちらに突っ込んで来たから、触りたくないしサンダーボールで消しとばした。


 よくぞクリアしたとばかりに大きな扉はゆっくりと開く。……帰ろ。

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