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第四百十七話 帰宅してみる

昨日投稿した四百十六話はご覧になられましたか?

都合によりクリスマス特別話の前に投稿したため、分かりにくかったかもしれません。

申し訳ございません。

 帰宅を試してみると決めた日、当日。

 幻転地蔵に似たこの装置の前にて。

 みんな、期待に満ちてるのか、それとも不安なのか、よくわかんないような表情でいる。



「わふぅ…わふぅ…」



 リルちゃんがショーに抱きついた。

 


「おいおい、すぐ戻ってこれるって。そんなに抱きつく必要ねーよ」

「わふぅぅぅ。でも、なにかあったら…!」


 

 この装置は信用できる。

 そういう結論に至りそうにはなっているものの、だれも世界移動を試してないから、やっぱり不安が残る。

 まあ、仕方ないよね。



「リルさん、心配なのはわかります。だからまずは…俺が試してみますよ。この世界から去って一番影響ないの俺ですし」

「お、おい。大丈夫なのか?」

「叶…っ」



 サクラちゃんもやはり心配なのか、不安を残した表情で、カナタの手を掴む。



「桜、俺は、に…姉ちゃんが昨日追加できたっていうセーブ機能も使うつもり。セーブ機能を使ったら、世界移動してる間のことは一瞬だ。大丈夫だとは思う、大丈夫だとは思うけど、もし5分以内に目を開けたりしなかったら、使うのはやめてね」

「か…カナタ…」



 サクラちゃんをなだめつつ、地蔵に手を伸ばしたカナタ。

 ……俺はカナタの手を掴む。



「(やっぱ、俺が最初に行くよ。弟のカナタに危なそうなこと試させるなんて……)」

「(……いや、だってもう兄ちゃんと美花姉を離すわけにはいかないから。それにら兄ちゃんのアイテムマスターならなんでもできるし、なんとかなると思う。まかせて)」



 カナタは俺の手を離させると、目を閉じた。

 …。2分後、すぐに目を開けた。

 


「ど…どうだった? だ、大丈夫、叶?」



 心配そうに問うサクラちゃん。

 カナタは首を動かし、サクラちゃんの方を見た。



「帰れた…! 説明とかを見てたから目を開けるのは遅くなっちゃったと思うけど…本当にできた! すごい。目を開けたら、俺の部屋に居たんだ! 本当に凄いぞ、これは!」



 かなり興奮してカナタは喋る。

 つまり……大成功?



「姉ちゃん達もやってみて…!」

「じゃあよ…い、一応俺も見てみる。リル、ちょっと離れてくれよ。すぐ戻ってくるからな」



 ショーはリルちゃんを離れさせ、地蔵様の上に手を置いた。手を置いて、目を瞑ってからすぐに、ショーは目を開く。



「んとだ…! マジで帰れるぞ…!」



 おおお…。

 セーブ機能の性質上、カナタもまた飛ばされたみたいで、目をパチクリさせていた。

 よし、順番的に次は俺だろう。



「じ、じゃあ、今度は俺がやってみる…!」

「ああ! やってみろ!」



 地蔵様の上に手を置く。

 いつもの項目があらわれた。

 『世界移動をする』を脳内で選択してみる。

 説明があらわれた。



【世界の移動を行います。説明は必要ですか?】



 とりあえず、いいえ、と答える。

 でもされた説明は、世界移動を買った時のとほとんど同じっだった。



【次に、移動する世界を選択してください


  ・地球 :セーブ

                     】




 地球しかないのかな?

 それとも、今まで体験してきた世界が地球とアナズムしかないからか。

 とりあえず俺は、今回は試しでもあるということでセーブをoffにし、地球という項目を選択した。



【『地球』に移動します。

  しばらくお待ちください。


  … … … … …

  … … … …

  … … …

  … …

  …



 移動完了しました。

 目を開けてください。


 この世界ではアナタは、日本の______に住んでいる、成上有夢(XXXX年生まれ 男)として過ごして行きます。 

 また、この世界で過ごす上で必要な知識と環境と履歴が与えられます。

 アナズムに戻る際はステータスを意識し、項目にある『アナズムに帰還する』を選択してください     】



 XXXX年は俺や美花が生まれた年だ。

 ということは…俺は戻ってこれたんだな?

 目を開ける。



「は…はは!」



 俺の部屋だった。

 カーテンの色も、木製の勉強机も、床の敷物の色・デザインも、ベッドにかかってる布団の色も。

 俺はクローゼットの中身をみてみた。

 きちんと美花に貰った女装する為の服が綺麗にハンガーに掛けられている。


 ケータイゲーム機を見つけた。

 カセットを抜いて見てみると、『スタートクエスト2』と書かれている。


 カレンダーを見て見た。

 それは、俺が死んだ日にち________!


 窓を開け、隣の家をみる。

 ここから俺と美花の部屋が、叶と桜ちゃんの部屋が、幅をまたいで行き来できる。

 それは、健在だった。


 戻ってきたんだ…元の世界に!

 じ、じゃあ、向こうの世界に帰ることはできるのだろうか。

 俺は目を閉じ、ステータスにいつの間にか記されていた『アナズムに帰還する』の項目を選んだ。



 

【『アナズム』に移動します。

  しばらくお待ちください。


  … … … … …

  … … … …

  … … …

  … …

  …



 移動完了しました。

 目を開けてください。     】




 目を開ける。

 そこは、俺とミカの部屋で。

 俺が地球に戻る前に見た時と、変わってるところが一つもなかった。


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