第四十二話 セインフォースとの別れ
「申し訳御座いません。どうやら、そのような記録は残っていないようでして……」
「そうですか……」
セインフォースの4人、ルインさん、オルゴさん、リロさん、ミュリさん。
そして俺、アリムは王都に着き、役所に来ていた。
「アリムちゃん……。どうやら君にかんする情報はここにはないみたいだね……」
ルインさんが申し訳なさそうに口を開く。
何故、今役所にいるか。それは「アリム」の手がかりを探しに来たのだ。俺は今、記憶喪失で通ってる。
まぁ、探しても情報なんてあるはずがない。
なんせ地球から来たのだから。「地球人」ですなんて、言うわけにはいかんだろ?
「うーむ、そもそもピピー村に行った者自体少ないっていうではないか。困ったな」
オルゴさんも困り顔でたある。
「アリムちゃん……ごめんね?」
リロさんも謝らないで。情報あるはずないんだから。
「これから……どうするんですか? アリムちゃん…。本当は一緒に居てあげたい。でも……それは無理ですから……」
ミュリさんは申し訳なさそうな顔してる。もう、迷惑あんまりかけらんないよね。
「大丈夫っ、気にしないでください! ボクはギルドに行って冒険者になりますから。あとお金も、アーキンさんに売ったグレートポーションの分がありますし」
「……本当にごめんよ? 僕達にはしなきゃいけないことがあるから……。僕達も、君のこと調べてみるからさ、メッセージ、おくるから」
「本当に、なにからなにまでありがとうございました!」
俺はルインさん達に頭を下げ、礼を述べる。
「うぅ~、アリムちゃんっ……!」
あー、リロさん抱きつくのやめてぇ~。
「うぅ~、アリムちゃん……」
あー、ミュリさんほっぺプニプニするのやめてぇ~。
「………」
オルゴさんはあれだよ、無言で遠慮がちに頭を撫でなくてもいいんだよ。手がゴツゴツしてる。男らしい手だ。
セインフォースみんなが口を開く。
「そろそろ、行かなくちゃ。それじゃアリムちゃん……またね」
「アリムちゃん…、絶対に連絡するからねっ!」
「私も連絡します」
「アリム、強く生きれよ? なぁーに、あんな豪速球投げれんだ。問題はねぇだろうよ。案外、すぐにAランクぐらいにはなったりしてな?」
うーん、別れのシーンってやつか。
次はいつ会えるのだろう。
「……皆さん、本当にありがとうございました!」
「僕達の方こそ。ありがとう」
___________そうして俺はセインフォースと別れ、一人になった。
よし、ギルドに行こう。
でも、宿屋とかも見つけないと……ね?