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第四百二話 大浴場 ≪side ミカ≫ -3

「わふ、つまり、カナタ君とサクラちゃんはずっと一緒で…何回も助けてもらったりしてるんだ」

「うん」



 桜はリルちゃんに自分と叶君の馴れ初めを話した。

 やっぱり、叶君って本当に桜のこと好きなのね。

 どうして今まで桜はそれに気が付かなかったのかしら?

 鈍感にもほどがあるよね。



「わふー、それにしても産まれた時まで1日しか変わらないって言うのはふごいなー」

「そう?」

「そうよ、十分すごい。……で? 桜は叶君のどこが好きなのかな?」

「えっ!? あーっと…」



 桜はしばらく考え込む。

 側から見たら叶君は良いところなんて沢山あるはずだけれど…。



「カッコ可愛い…とこ?」

「それだけ?」

「う…ううん、まだあるよ。頭が良いところとか…いつも私を助けてくれるとことか? 少し度が過ぎてるとは思うけど」



 私は無言で桜を見つめる。

 本当にそれだけか、と、訴えるように見続ける。

 それに桜は気が付いたのか、慌てたように話を続けた。



「あ…あ…えっと…正直…叶とずっと一緒に居るから…そんな良いところあり過ぎてわかんない…っ」

「うん、それでよろしい」

「むう…」



 はー、満足かな。

 ……いえ、やっぱりまだだよ。

 まだ姉として訊いておかなきゃいけないことがあるわ。



「で……叶君とはどこまで?」

「あー…っと…キスと添い寝…かな?」

「一緒にお風呂入ったり、夜中にイチャついたりしてないの?」

「しっ…してない! してない!」



 首を勢いよくブンブンと振る桜。

 面白いからもうちょっとだけ、弄ってみよう。



「桜さ、さすがに中学生同士で夜中にゴソゴソするのは、姉として止めさせざるをおえないけど……どうせアレでしょ? キスといっても唇を合わせたくらいで、ディープキスとかしてないんでしょ」

「で…ディープキシュ、してない」

「それにこんな良いもの持ってるんだし…活用しなよ」



 と、不意打ち気味に桜の豊満な胸を掴む。

 ビクリと桜は背筋を伸ばして驚いた。



「おおおお姉ちゃん…やっ…やめっ!?」

「寝巻き越しに抱きついて押し付けるだけじゃなくてさ、たまには下着姿でも見せたら…」

「そ…そんなこと恥ずかしくてできないよっ…て、いい加減離して」

「うん」



 うーん…肌質ならアリムのが上かな…。

 でもアリムと比べるのはねぇ…あれと比べたらほぼ人類全員が肌質が良くないって事になるから…。

 


「でも、寝てる時とか抱きついてるんでしょ? 叶君、どう思ってるの?」

「わ…わかんないっ。私があいつに抱きつきたくて抱きついてるだけだから…。よく逃げられるけど…」

「照れてるのよ」

「うん、照れてるんだって」



 桜も…中々のものだね。  

 叶君が少しかわいそうだけど、まあ、満更でもないようだし別にいいかな。



「わふ、私はショーに下着姿見せたよ」

「まあ…したんでしょ?」

「はわわわわ…」

「うん! ……それでミカちゃんとアリムちゃんはどうなの?」



 お…とうとう私の番か。



______________

_______

____




「わふぅ。気付いてたら好きになってた…と」

「でもあれはすごく…あ、ごめん、なんでもない」



 話は終わった。

 ふふふー、やっぱり私、有夢好きだなー。

 …桜は有夢が居なくなってからの私の狂い方がすごかったことを言いかけたんだろうけど…別に遠慮なんてしなくて良かったのにな。



「わふ、でもアリムちゃんとミカちゃんは女の子同士でしょ? 結婚とかできないよ?」

「それは問題ないの。…世間一般に絶対に漏らさないって約束できるならその秘密を話すけど」

「わふ、私は口がかたい…もとい、話す相手はショーぐらいしかいないから大丈夫だよ」

「そう? なら話すね。アリムは男女変換っていうスキルを持ってるの」

「男女変換?」



 小首を傾げるリルちゃんに、私はあの奇怪なスキルの詳細を話した。



「わふぅ!? アリムちゃんが男の子に……っ!」

「そうそう」

「…男の子になったアリムちゃんってどんな感じ?」

「ちょっと男っぽくなったことと、下が有るくらいで、あとはほとんど一緒だよ」

「わわふぅ…」



 桜にはすでに男女変換の事は話してるから良い。

 それにリルちゃんとはこれから顔を合わせる機会も多いだろうし話しちゃったけど良かったよね?



「じゃあミカちゃんはその…アリムちゃん…いや、アリム君のどこが好きなの?」

「可愛いところとか…優しいところとか…たくさん有るよ」



 これじゃあ答え方が桜と同じかな?

 でも兄弟だし良いところが似てても不自然じゃないよね。



「そっ…それで? どこまで…」

「んふふー。キスもしたし、一緒にお風呂も入ったよ。それとね、もう私は初々しい生娘なんかじゃないの! 初めてはアリムが持って行ったんだぁ…えへへ」

「……!!?」



 桜はもうこれ以上ないくらい驚いた…というより驚愕の表情を表してる。

 私は桜の頭を撫でた、



「…いい、帰ってもお母さん達には内緒よ、桜?」

「えっ……お、お姉ちゃん…」

「はい、は?」

「はっ…はい!」



 となると、この場にいる未体験の子は桜だけかー。

 まあ、中学生だから当たり前だけど。



「もう一度言うけど、桜、叶君とするのはあと1年半は我慢しなさいね? ……と、そろそろ別のお風呂行こっか!」

「わふ!」

「………うん…」


〜お知らせ〜


(※ 私の別作品の宣伝が含まれています。

また、明日の後書きにも同じ内容を記述致します)


今までLevermakerの作者名から、私の他作品へ移行することができませんでした。

この度、コメントにてご指導をいただき、遂にこの作品から、私のもう1つ(2つ)の作品への移動が可能となりました。

そちらもご覧いただければとても嬉しいです。


作品名


私は(元)小石でございます!

〜癒し系ゴーレムと魔物使い〜


軽いあらすじ


目を覚ましたら道端の小石になっていた「私」。

小石であるがために誰からも相手にされず、見向きもされず、ただ時間が過ぎて行く。

そんなある日、1匹の小さなゴーレムが通りかかった!


詳細

初投稿日は2016.5/21

既に100話(30万文字)を超えています(2016.12/8現在)

嬉しいことに、モーニングスター大賞様にて1次選考を突破致しました!


ぜひ、読んでいただければ嬉しいです!!

この他にももうひと作品ありますよ(о´∀`о)

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