第三百三話 カルアちゃん達の帰る日
「おはようございます、アリムちゃん、ミカちゃん!」
カルアちゃん達が帰る日。
珍しく、カルアちゃんが一番早く起きていて、ソファに座っていた。
「んあ~…おはよ」
「おはよう、カルアちゃん」
尚、俺とミカは同時に起きた。
ミカはやっぱり起きるまで腕を掴んでたみたいで、痺れてて、感覚がない。
朝ご飯を作っている最中にリロさんとミュリさんが俺達の部屋に来る。
朝ご飯を普通に食べ、後はお昼時まで、めいいっぱい遊ぶことになった。
「そういえば、どうしてユグドラシル神樹国っていう国はこの国に戦争を仕掛けようとしてるんだっけ?」
スゴロクで遊んでいた時、ミカがカルアちゃんにそう訊いた。さっきまでの話で、二人は政治的な話をしてたから、そこからの流れだと思う。
「あ…えーっとですね、あの国とは奴隷の扱い方等の違いで、だいぶ古くからちょっと仲が悪かったのですが…。今の神樹国王になってからさらに……。理由は私は知りません。お父様なら密偵等の方々からの情報で何か知ってるかと」
「へぇ…大変なんだね。まあ、でもあれよ! 今は私達がいるし、カルアちゃん達は安心しててね。ね! 困った時は助けるから」
スゴロクにて次にするべき行動を考えていた俺に、ミカが話を振ってきた。
「うん、その通り」
と、答えておく。
実際、その国のことは俺は何にも知らない。
でも、もし戦争になったら、俺なら双方無傷で終わらせることだってできるんだ!
何か強い兵器とか…作戦とか持ってるかもしれないけれど、なんとかなると思うよ! 多分。
「えへへ、ありがとうございます! あ、アリムちゃん、20万エンを私に」
「ふぇぇっ!?」
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「ご馳走様!」
お昼ご飯を食べ終わった。
カルアちゃん達は午後5時に帰る予定だから、あと4時間しか居られない。
「あと少ししか時間、ありませんね。……まあ、する事は決まってますけど」
「そうそう、決まってる決まってる」
そう言いながら、リロさんとミュリさんが襲いかかってきた。
俺は身動き取れなくなる。
いや、取ろうとすれば取れるんだけどさ。別にいいかなーって。やられる事は決まってるし。
リロさんが俺の左頬を、ミュリさんが俺の右頬をつついてきた。カルアちゃんとミカは胸を揉んでくるかと思いきや、太ももを揉んできた。
毎日どこかしら弄られたから、特にやめて欲しいとかも思ってないよ。
………でも4時間ずっとこのままはさすがにキツいんじゃないかな。キツいよね?
「ねぇ、ねぇ、アリムちゃん」
「ひゃい、なんでひょう」
リロさんが俺のほっぺたを軽くつまみながら訊いてくる。
「その、ずっと思ってたんだけど、私達の特訓て何するの? この国の街の外じゃなきゃできないんでしょ?」
「そうひゅよ。でひゅが、その時までひゅみつでしゅ……ひゃんっ」
ミカが不意打ちで肉のないお腹を揉んできた。
思わず驚いて、変な声出ちゃったじゃん。
「なんで?」
「もぅ…。ああ、なんとなくです。その方が楽しみにしてもらえるかなー、なんて」
「ふふ、そっかぁ…えいっ」
リロさんがほっぺたを伸ばし始める。
それを見たミュリさんも同じことをし始める。
これで、本当に4時間を過ごした。
もうここまでくると、俺の皮膚こそが伝説級のアイテムなんじゃないかと思えてくるよ。
……日本にいた頃に、ミカに女装を良くさせられてたんだけど、そのせいで、自分は実は本当に女なんじゃないかと悩んだ時期があった。中1ぐらい。
だって、みんなからかうんだよ、女の子みたいだって。
自分ではそうは思ってなかったけど。
もしかしたら、俺が性別変換のスキルをたやすく受け入れたのも、それが関係し……てるのかな?
わかんないや。
今は、俺の皮膚は人を虜にする何か…だね。
本当はそう思ってないけど、周りの人の反応を見ると、そうなんじゃないかって思えてくるの。
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「1週間、お世話になりました」
「また来てもいいかな?」
そして、カルアちゃん、リロさん、ミュリさんが城へ帰る時間となった。
うーん、なかなか濃い1週間だったなぁ…。
「はい、また是非!」
「アリムちゃんとミカちゃんも、近いうちに遊びに来てくださいね!」
「うんっ!」
思えばいろんな事があった。
途中でローズがやってきたり、ご飯をたらふく食べてる最中に何故かお寿司がでてきたり…お風呂に入ってはしゃいだり、着せ替え人形みたいに弄ばれたり、身体中を弄られたり、ほっぺたをプニプニされたり、ほっぺたをプニプニされたり、ほっぺたをプニプニされたり……!
「じゃあ…また!」
3人は戸を開き、そこから出て行った。
俺らはその戸が閉められるまで、手を振っていた。
今日は二話投稿です!




