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Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー  作者: Ss侍
第十章 それぞれの生活
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第二百六十二話 遠出の仕事 (翔)

 昨日は初めて休みを取り、リルのステータスと俺のステータスを調整した。

 そのあとは服買いに行ったりしたんだ。

 やっぱり、こんな世界じゃなきゃ、俺は女の子と二人で出歩くなんてことしねーんだよな…。

 リルと歩く以外だったら……美花と有夢の誕生日プレゼントを選びに行った位か? そんくらいだな。


 それはともかく…さっさとDランクの魔核を集めてCランクになって、Cランクになったらまた依頼を受けてBランクになって…と、順調にいかねーかもしんねーけど、理想はそんな感じ。

 ランクが上がっていけば、より、いろんな話も耳にすることができんだろ。


 ちなみに宿の方はまた3日間延長した。

 借りたい家の目星はついたんだが…もう少し様子を見ようと思ってな。主に金銭面の。



 俺とリルは今、馬車に乗っている。

 今日の仕事は遠出するんだぜ。日帰りだがな。

 ビラゲ村っつーところに、ランパゲシャープとかいう羊のDランクの魔物が2体、一気に出て村人達が困ってるらしい。


 DランクのパーティーかCランク以上の冒険者っつー応募だったし、報酬も良いし、素材もそのまま持って帰って良いしということで、この仕事を受けたんだ。

 

 

「御主人、ビラゲ村は何故か村の真ん中にある、噴水が有名らしい。仕事が終わったら少し見てみるのも良いかもしれないよ」

「そうなのか」

「ああ、受付のお姉さんから貰ったこの紙にそう書いてあるんだ」

「わかった、時間があったら見ような」



 そんな感じのゆるい会話をして、村に着くまでの片道およそ3時間の道を馬車(のような生き物)に揺られて過ごしていた。

 ……正直、何を話したら良いかわかんなくなることがあるがな。

 

 朝8時に出て、着いたのは11時ちょい過ぎ。

 本当に村に大きな噴水が一つだけあった。


 その村の村長と話をして、どこらへんにその魔物が居るのかを聞き、休みを入れずに俺達はすぐに討伐に出かけた。

 リルは休まなくて良いと言ったし、俺も休む必要が感じられなかったんだ。

 馬車の中、マジックルームとかやらでめっちゃ快適だったし。


 俺達は探知でDランクの魔物が何処にいるか探し出し、行動し始めてから20分で見つけることができた。

 2体一緒に居たんだぜ、羊。



「リル、俺はちょっと新しく覚えたスキルを使いたい。そこで待機しててくれ」

「わかったよ、御主人」


 

 物陰にリルを待機させ、俺は隠密をしながらその羊どもに近づき、火炎剣を召喚した。

 なんか、光でできた剣みたいだ。赤く光ってる。


 さすがにランパゲシャープ共は俺に気がついたのか、1匹が俺に突撃してきたから、回避して、そのまま火炎剣で首を切り落とした……いや、溶かし落とした。


 血は一切でず、離れた胴と頭の傷口は焼け爛れて塞がっていた。

 怖すぎるんだが、これ。

 火力のせいでもはや切れ味とかそんなに関係なくなってる気がする。剣の腕が上がってるのは確かだったが…。


 それを見たもう一体が逃げようとしていたから、そいつはできるだけ温度は高く、範囲は小さくしたファイヤーボールを当ててすぐに仕留めた。



「終わったぞ」

「流石御主人! あっけないね」

「そうか? この2匹の死体と魔核を回収して、村に戻るぞ」

「うん」



 村に戻った俺達はその2体の羊を村長に見せ、依頼を達成した事となった。

 

 その場で報酬金を受け取り、昼飯をご馳走になった。

 次の馬車が来るのが1時間後のようなので、それまで噴水を見て待つことにした。



「わふぅ。立派な噴水だね」

「そうだな……」

「こうして私が元気に、外に出て、噴水を見れているのは御主人のおかげだよ」

「はは、そうか」



 なんか…こう、デートみたいだな、これ。

 やっぱり慣れねーや。

 リルは可愛いよな…なんて、考えたりする。

 


「御主人、どうかした?」

「あっ…いや、俺がどうかしたか?」

「いや、なんとなく…ところで御主人」

「なんだ?」



 リルの方を向くと、彼女は俺の目線に合わせるように首を上げ、俺を見つめていた。



「御主人、私ね。御主人から貰っお小遣いで買った本を、馬車の中で少し読んでたんだ」

「…? そうか」

「それでね…買った本の中の一冊に不良品の若い女奴隷がどうなるか、書いてあるものがあった」



 まじかよ…。

 え…で、それでどうなんだ? 俺があの奴隷商人から聞いた話の覚えてる限りの一部だと、国に激安で買われるとまでしか記憶が……。



「牢屋に入れられて、重要な犯罪者達、性待遇をしなければ暴走するような犯罪者達に死ぬまで犯され続けられるか、女にしかできない実験の実験台として使われるか、一部の変態の性的欲求を満たすために拷問されるか……だってさ」



 いつの間にか、リルの身体は震えていた。

 もしかしたらあの商人、俺にこの娘を預けた時点で、そうなるのを回避させた…のか?

 いや、確か商売がうんたらかんたら言ってたな、でも結果的にリルを助けたことになるわけだが。


 こういう時ってどうすれば良いんだ?

 とりあえず、手でも握っておくか。



「わふ…御主人。ごめんなさい。私、なんか怖くなっちゃって……」

「大丈夫だぞ、俺はリルを見捨てたりしないからな」

「うん。だからもう一つ言わせて欲しい。私を買ってくれてありがとうって!」



 その後、そのまま数十分間、リルの手を握ったままとなった俺。まあ、仕方ねーか。

 

 長いようで短かかったひと時はすぐに終わり、俺達はまた、3時間かけて街へ戻った。

 

 街に着いた俺達は宿の部屋に戻ってくる。



「これで2個。あと…8個か?」

「ん? なんの話だい?」



 俺の独り言にリルが反応する。



「いや、あとDランクの魔核8個でCランクに上がれるなーって思ってよ。明日もこんな感じでDランクの魔物が狩れる仕事、頑張んねーとな」

「そうだね、御主人。ランクを上げて出世だよ!」



 リルはスカートの中で尻尾を振りながら、そう、若干興奮気味にそう言った。


 その後、俺はリルと一緒に羊を街外で解体し、それを売った。やっぱりそこそこの金になった。

 明日はどんな依頼を受けようか…?

 


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